Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

Bataviastadショッピング

2011-10-30 06:56:14 | Wblog:お出かけ
久しぶりにアウトレットモールBataviastad(バタヴィアスタッド)に行ってきました。
オランダは基本的に日曜日はお店が休みなので、服などを買いたいと思うと、日曜でも空いているアウトレットモールまで足を伸ばすことになります。
寒さが日ましに強くなり、木々の葉は黄色に色づき、落ち葉が舞い、すっかり晩秋の雰囲気のオランダ。冬物の衣料が欲しくなりました。
しかし、今回はあまり収穫はなし。あまり気に入らなかったけど、折角来たので、私用のニットのセーターと夫用のズボンを買いましたが、それ以外はリンツのチョコレートとキッチン用品を買っただけ。
でも、夫のズボンの丈修正のため、2時まで待たなければならず、風邪でまだ本調子でない私は「疲れたー」を連発しながら、店を見て歩き回りました。
途中、SUBWAYでランチをし、Mockamoreでお茶をしました。Mockamoreで飲んだ、名前を忘れたのですが、変わった名前のついたスペシャルコーヒーは、コーヒーの味わいとクリームが絶妙のバランスで美味しかったです。
この日は始終曇り空で、空気は乾燥しているようで、喉がひりひりしました。10時開園なんですが、その頃は人はすごく少なくて、買い物も楽なんですが、帰る頃には人がかなり多く、店の中も混雑しているなあと感じるほどでした。
今日の早朝、サマータイムが終わりました。朝の3時に時計を1時間戻して、2時にします。といっても実際にその時間に時計を動かす人はほとんどいないと思いますけど、公式にはそういうことになっています。ふつうは、ああ1時間長く眠れるという感じですね。朝起きると、たいていのデジタル系の時計は、自動で時間が変わっています。古いタイプの時計だけ、自分で修正します。
体調はまだ少し風邪が残っていますが、OKです。

Restaurant:Bistro Guggenheim Bilbao(ビルバオ@スペイン)

2011-10-28 15:19:16 | Restaurant/Cafe
グッゲンハイム美術館@ビルバオに行った日、美術館内にあるビストロ「Bistró Guggenheim Bilbao」でランチをしました。美術館には、カフェとビストロとレストランがあります。レストランはかなり有名なシェフのお店で、美術館の入り口から出て、美術館の周囲を歩いて行き、大きなクモのオブジェの近くに入り口があります。私たちは、お手頃だということと、近いということでビストロに予約を入れました。予約は入れたほうがよいです。インターネットから簡単に予約できます。いったん、美術館の展示スペースへの入り口を出て、ミュージアムショップの方へ歩いていくとそのビストロがあります。この際に借りた音声ガイドはいったん返却します。レストランの入り口あたりはカフェスペースになっていて、ピンチョスなどが置いてあります。
レストランの壁はポロック的なイメージのカラフルなもので、大きな一面ガラスの窓からはビルバオの川沿いの風景が一望でき、開放感のあるモダンな雰囲気でした。
メニューは木の板に印刷されており、ランチは、2コース、3コース、4コース、アラカルトから選べました。いちばんメインに書かれている3コースを注文しました。ボトルの赤ワイン、白ワイン、ミネラルウォーターがコース料金に含まれていて、はっきり憶えていないんですが26ユーロくらいで、破格にお安いなあと思いました。
前菜、メイン、デザートとそれぞれ4種類から選ぶことができ、私は、カニのテリーヌ、ヘイク(hake;地元の魚)のグリル(写真)、ヨーグルトアイスクリームを選択しました。カニのテリーヌはボリュームたっぷりで、味が濃く美味しかったです。ヘイクも魚の質感がとてもよくて、ナスとトマトのソースにもよくあっていて、美味しかったです。ヨーグルトアイスも、中にはスポンジケーキのようなものが入っていて、一様でなくて楽しめるデザートでしたが、クリーム味と甘みが強く、少し残してしまいました。お料理は、全体的にちょっと塩気が強い感じがしました。白ワインはとてもよく冷えていて、美味しかったです。また、ミュージアム内のビストロとあって、盛り付けも美しく、楽しいランチでした。
雰囲気がよかったので、さらに紅茶を注文して、ゆっくりしました。
給仕もとても気持ちよく、もちろん英語メニューですし、英語も通じますので、おすすめです。
体調ですが、熱がひき、咳は少し残っていますが、通常生活ができるようになりました。


本「この世でいちばん大事な「カネ」の話」

2011-10-26 10:00:24 | Book
西原理恵子著「この世でいちばん大事な「カネ」の話」を読了。
先日見た映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」で西原理恵子をモデルにした人物が出てきたので、あちこちで良い本だと聞いていたこの本を読みたく思い、角川文庫になっていたので、早速注文して入手し、読んでみました。
小学高学年から中学生向けの本なので、語りかけるような口調で、わかりやすい言葉で書かれていて、とても読みやすかったです。
ただ、やはりその年代向けなので、私にはわざわざ読むほどのものでもなかったかなと思いました。
いちばん印象に残ったエピソードが、最初のほうででてくる、作者が子どもの頃、高知県の漁村に野良ペンギンがいたという話。南極近くまで遠洋漁業にいった村の人が、面白半分に南極の海にいるペンギンを捕まえて、船中でペット代わりにして連れて帰ってきてしまい、最初は子どもたちが世話とかするのだけど飽きてしまって、そのうちに海辺で自分で魚をとって食べる野良のペンギンとなって、複数生息していたという。日本の漁村にペンギン…、不思議な光景だなあ。
この本、自分で働きだす前など、若いときに読むといいです。お金ってイヤでも日々の生活で必要なものだから、どういう役割にあるのか、どう見るべきかをきちんと考えたことがあるほうが、自分が生きていく上での指針が付けやすいです。
体調は風邪が治りかけたかと思ったのですが、直後に38.7度の発熱。医師に診察してもらい、肺の音から肺炎にはなっていないので、抗生物質はなしで、様子見となりました。その後、パラセタモル2錠で、熱は37.5度くらいに下がり、今度こそ直る方向へ向かっていると思っています。

レナリドミド+デキサメタゾン 第21サイクル開始(デキサ減量)

2011-10-21 09:33:04 | 医療・病気
レナリドミドとデキサメタゾン服用の第21サイクルが始まりました。
先日の血液内科医との話から、デキサメタゾンが減量となっています。段階的に2mgから、1mg2週間を経て、現在0.5mgです。つまり、レナリドミド10mgとデキサメタゾン0.5mgを週3回服用を3週間、次の1週間はデキサメタゾンのみを週3回服用するというサイクルになりました。
オランダではかなり寒さが増しており、夜は冷え込み、霜が下りるくらいです。この気温変化のせいか、風邪をひいてしまいました。最初は、喉の痛みから始まり、熱が38.0度くらいまであがりました。この状態が丸一日続いた後、熱は下がり、現在は咳きと鼻水です。このまま、徐々に収束に向かってくれるものと思います。
久しぶりの風邪引きで、またデキサメタゾンの減量過程中なので、ちょっと心配しましたが、大事にはいたらなくすみそうで、よかったです。
体調は風邪でいまひとつ。体調が悪いと、ベッドの上で、日本語の本を読むのが楽しみとなります。

Bilbao(ビルバオ)@スペイン3泊4日<4日目>

2011-10-18 11:49:26 | 旅行(スペイン)
さて、最終日。オランダへ帰るだけです。
8時過ぎにチェックアウトし、タクシーで空港へ。高台を通るので、朝のビルバオの風景が楽しめます(写真は昨日高台から撮ったもの)。また、ビルバオに着いた時は夜だったので見えなかった、ビルバオ空港のモダンな外観も今回は見ることができました。
この空港を見ると、スキポール空港が味気なく感じられます。
航空会社のカウンターで搭乗手続きをして、荷物をチェックインするときに、スーツケースがソフトケースで、ワインが3本入っていたので、割れ物注意のステッカーを貼ってほしいとお願いしたら、何が入っているのかと訊かれ、ワインだと答えたら、ワインは持って帰ることはできない、ほんとは0本だけど、1本ならまあいいけど、3本はぜったいダメとのこと。一人1本と考えて、二人だから2本じゃダメかとお願いして、うーん2本ならまあいいけど、いずれにしろ、割れると困るから、シーリングをしてもらってきてくださいとのこと。
がっくりしたけれど、シーリングサービスのコーナーへ行って、サランラップの巨大版のようなものでスーツケースをぐるぐる巻きにしてもらいました(料金約6ユーロ)。
そしてカウンターに戻ったら、別の人になっていて、何も言われず、すんなりとチェックイン完了。わざわざ割れ物注意のステッカーのことを言ったのが、やぶ蛇になってしまったようです。
空港で、遅い朝食を食べました。
この空港、内部も宇宙ステーションのような平べったいスペースで、面白いデザインです。
ビルバオは、空港、ミュージアム、橋、地下鉄、トラムなど、観光とアートに立脚する町を目指して出来たものは、すべて新しくモダンで、清潔感があって、気持ちがよいです。観光客も多いですが、海のリゾート地のような騒がしい若者たちもいなくて、文化的な雰囲気があり、週末旅行には最適な場所ではないかと思いました。また、丸2日間の観光というのもちょうど良かったです。ビルバオのハイライトはだいたいすべて見れたと思います。
帰りは、アムステルダム直行便だったので、12時半くらいにはスキポールに着きました。海岸線やオランダの町並みがとてもきれいに上空から見えました。
とてもよい小旅行でした。
体調は良好。かなり疲れました。


Bilbao(ビルバオ)@スペイン3泊4日<3日目>

2011-10-17 10:10:23 | 旅行(スペイン)
ビルバオ3泊4日と言っても、実質観光できるのは2日間しかありません。その観光の2日目です。
天候は、青空の広がる良い天気で、気温は29度まで上がるとのこと。日が昇った9時頃にホテルを出て、川沿いをまたグッゲンハイム美術館まで歩き、写真などを撮り、道すがらのカフェで朝食をとりました。
月曜日の今日はグッゲンハイム美術館は休館日です。
高台からビルバオの町を見晴らすことができるケーブルカーがあるとのことで、その乗り場へ。観光用なのか、地域の住民用なのか、料金は0.90ユーロ。上りきると公園があり、ベンチなどがあって、ゆっくりと眺めを楽しむことができます。午前中だったから、遠くの山々の方角いは靄が立ちこめ、幻想的な光景でした(明日写真をUPします)。
次は、トラムに乗り、それから地下鉄に乗り換えて、郊外にあるPortugalete駅まで行きました。世界遺産のビスカヤ橋(Bizkaia zubia:写真)を見るためです。Portugalete駅は高台にあり、表示に従って、かなり急な両脇にお店がならぶ石畳の道を下っていくとビスカヤ橋が見え、川沿いの遊歩道に出ます。雲ひとつない素晴らしい青空に映える赤い鉄製の橋でした。橋に吊り下げられたゴンドラに人や車を載せて、川を渡るシステムです。暑かったのでベンチでジュースを飲んで休憩した後、このゴンドラで対岸に渡りました(料金0.20ユーロ)。
そして、対岸側にある地下鉄の駅Areetaを見ざしました。まっすぐ歩いていくと簡単に駅は見つかりました。
地下鉄に乗って、またトラムに乗り換えて、P.Barojaという駅で下車。ガイドブックに載っていたIrunaというバルを目指します。ここからは丘に上るような地形になっていて、少し息が切れましたが、上って見ると大きな教会や立派な建物がある地区でした。Irunaは角にあり、着いたのは2時前でしたが、人がかなりいました。カウンターに席を取って、私はLimaという地元の会社のレモネードとピンチョス(セラノハムなど)、夫は赤ワインとピンチョス(サーモン、オリーブ、トマト、アンチョビなど)をいただきました。とても美味しかったです。店内は壁がタイル張りで、そのタイルが絵になっており、伝統を感じさせる美しいスタイルの店でした。
その後、歩いて、旧市街へ。ガイドブックには高台に上れるエレベータがあるとのことだったので、それを探して歩いたのですが、なかなか見つからず、でも最終的には、地元の人が声をかけてくれて教えてくれ、たどり着くことができました。地元の人は親切です。ビスカヤ橋へ行く途中でもガイドブックを見て悩んでいたら、地元の人が声をかけてくれ、教えてくれました。でも、どちらもスペイン語で話されて、結局身振り手振りで教えてくれたって感じでしたが、うれしかったです。
このエレベータ、Casco viejo駅のある通りを北の方へ少し歩いたところにあります。グレーのコンクリートの風景にそぐわない塔のようなのが、実はエレベータです。地元の人が使っているようで、料金は0.40ユーロくらいで上に上れました。そこからは、旧市街の赤橙色の屋根の町並みが見下ろせます。ベンチで休憩したあと、右手のほうに歩いていくと、旧市街のPlaza Miguel de Unamunoに下りられる階段状の坂道が見えてきます。エレベータもありますが、私たちはゆっくりとその階段の坂道を下りて、旧市街に戻りました。広場で、アイスクリームを食べてまた休憩。暑い日だったのでかなり疲れてきました。
そこから、少し歩いてトラムの駅へ行き、トラムに乗って、Abandoの駅で下車。近くにあるデパートへ。そこの食料品売り場で、ワインやオリーブなど、スペインならではの食料品を買いました。そして、徒歩で、ホテルへ。
ホテルに着いたのは6時ごろ。ほんとうは夕食にまた外出しようと思っていたのですが、疲れてしまって、遠くまで行く気持ちにはなれず、ホテルのディナービュフェでいいやということになりました。7時頃、レストランに下りていくと明かりがついていません。フロントで尋ねると、8時半からとのこと。あ、スペインの本当のディナータイムは遅かったんだと気づきました。外は少し暮れかけてくる時間帯でとても気持ちのよい気温だったので、川沿いを散歩し、ベンチに座って、行きかう人と、白いZubiZuri橋、その向こうの磯崎新がデザインしたツインの高層ビルを眺めながら、最後のビルバオの風景を楽しみました。そこで、アイスクリームも食べました。川沿いには遊歩道が幅広く整備されていて、ランニングしている人もかなり多く見かけました。日がかなり暮れていき、肌寒くなってきたのでホテルに戻り、さらに少ししてから、時間になったので、ホテルのレストランへ。
夫はリオハの赤ワイン、私はビールで乾杯し、ビュフェを楽しみました。乾杯のビールがおいしかったこと、喉に染みわたる感じでした。ビュフェも思ったよりよく、茹でエビ、オリーブ、各種チーズ、チョリソー、ソーセージ類、ラザニア、子牛の煮込み、イカのグリル、ラザニア、カルボナーラソース、パスタ、サーモン、ラムなどなど。またデザートには、各種ケーキ、ヨーグルトアイス、スイカやメロンなどフルーツ、フルーツカクテル、クリームブリュレなど、いろいろ楽しむことができ、よかったです。このビュッフェ、ミネラルウォーター一本付きで、一人15ユーロです(ワインなど他の飲み物は別)。なんか、ビルバオを旅行して、どこでも食事がとても安く済むので、びっくりしました。
夜は、明日のために簡単荷造りを済ませ、眠りにつきました。
体調は良好ですが、かなり歩いたので、足の指や膝が痛いです。疲れもあります。


Bilbao(ビルバオ)@スペイン3泊4日<2日目>

2011-10-16 11:02:02 | 旅行(スペイン)
ホテルのベッドは硬く、いまひとつ眠りにくかったけれど、疲れていたので浅い眠りには落ち、朝を迎えました。
といっても、なかなか明るくなりません。日が昇って、明るくなってきたのは8時半頃でした。
朝食は、ホテルのカフェで、チョコデーニッシュ、オレンジジュース、紅茶で、軽く済ませました。
9時半頃、ホテルを出て、今日のお目当てのグッゲンハイム美術館に向かいます。ホテルからは川沿いに歩いて行けます。上着なしでは肌寒い気温でしたが、日中には27度くらいまで上がるとのこと。
川沿いには遊歩道があって、町並みを見ながらゆっくりと歩くと気持ちいいです。船の帆のようなうねったモダンなデザインの白い歩行者専用の橋(Zubizuri)を渡り、対岸へ。ここら辺からは、この橋やグッゲンハイム美術館の奇抜な建物、その近くの大きな橋、橋の赤いM字のモニュメント、広場にある男の銅像とその門、有名な蜘蛛の巨大なオブジェ(Maman)などなど、写真にとりたいところばかりです。
グッゲンハイム美術館を川沿いに回りこむように歩いていきました。美術館の前の池のようになっているところでは、有名な大きなカラフルな金属製のチューリップのオブジェ、銀色の球がぶどうのように連なったオブジェが見ることができ、時折、スモークのような霧が人工的に発生して、とても幻想的な雰囲気になります。
かなり長い大理石のような階段を上って、正面玄関へ。すると、昨日のブログで登場した犬のオブジェの後ろ姿が見えます。そして、階段を少し下りて、正面入り口へ。
10時を少し過ぎたところでしたが、列もなく、すぐ入場券カウンターに行き、入場券を買おうと思ったら、「今日は美術館の開館記念日なので、入場無料です」とのこと。まったく知りませんでした。ラッキーです。通常は、大人の入場料は11ユーロします。
音声ガイド(英語:2ユーロ)を借りました。これは、とてもよいガイドでした。まずは、メインホールへ。吹き抜けのあるホールですが、曲線、直線など、いろいろな形が混ざっていて、マテリアルもチタン、ガラス、大理石などで、どの方向を見ても、同じ形、同じ風景になる場所がありません。それでいて、とても優雅で、すてきなハーモニーの形のバランスです。これにはほんとうに目を奪われました。
グッゲンハイム美術館ですが、中に展示されているものではなく、この美術館の建物自体がフランク・ゲーリーという有名な現代建築家の作品で素晴らしいものなので、見てみたかったのです。期待にたがわず、感動する建築物です。
ビルバオは鉄と船舶で栄えた町なので、この美術館のモチーフには船、魚、そして素材には金属のチタンパネルが大量に使われており、外観は太陽の光が反射して、微妙な色の変化があり、朝、昼、晩と異なる印象を与えます。
話が少しそれましたが、館内へ戻って、音声ガイドを聞きながら、巨大なスペースを使った現代アートの展示を見ていきました。船舶に使うような巨大な鉄の板を使ったリチャード・セラの作品(「The matter of time」)は、鉄板で作られた迷路のようで、中を歩くことができます。ちょうど、このリチャード・セラと彫刻家のコンスタンティン・ブランクーシの交流に注目した特別展示が行なわれていて、ブランクーシの有名な眠れるミューズなどの作品を見ることができました。
アートに目を奪われているうちにあっという間に時間が経ち、美術館のビストロの予約したランチの時間1時半になりました。ビストロは美術館の建物内ではあるのですが、いったん展示スペースへの入場入り口を出て、音声ガイドはいったん返却して、向かわなくてはけません。
このビストロランチについては、項を改めて書く予定です。
ゆっくりとランチをして、近くのミュージアムショップを見て回って、展示スペースの戻ってきたら、4時前でした。3階はもう見ていたので、2階を見て、それから1階の見逃したスペースを見て回りました。いくつかの展示室では、入場制限があって、20人しか中に入れないようになっており、待つ人が列を作っていました。私も何回か列に並びましたが、5から10分くらいの待ち時間で中に入れました。こういう制限があるせいか、日曜日でかなり人手は多かったと思いますが、じっくりと作品を見ることができ、人が多すぎてリラックスできないということはありませんでした。
館内は写真厳禁です。2箇所ほどテラスに出ることができる場所では写真をとることができます。
中の展示物も予想以上に良く、ああビルバオまで着てよかったと心底思いました。中でも、10本くらい幅15cmほどの柱が立っており、その柱内を片側は青、反対側は赤のLEDランプで、いろんな言語の言葉が電光掲示板のように下から上へと流れていく作品には見とれてしまいました(ジェニー・ホルツァーの「Installation for Bilbao」という作品)。
それから、ジャクソン・ポロックの絵、カレル・アペルの絵なども印象に残りました。
だいたいすべて見終わって、美術館を出たのが6時過ぎでした。とても素晴らしい美術館体験でした。
美術館の入り口には20mくらい入場を待つ人の列が出来ていました。(開館は8時までです)
この美術館、朝(10時開館)から行って、ランチは館内のレストランでとって、ゆっくり見て回ることをおすすめします。
ホテルへ歩いて帰って、少し休憩しました。夜7時ころから、また歩いて旧市街のほうへ。そこにあるバルで夕食をとりました。
体調は良好。疲れましたが、ランチでゆっくりと座って休憩できたのがよかったです。

Bilbao(ビルバオ)@スペイン3泊4日<1日目>

2011-10-15 11:48:17 | 旅行(スペイン)
写真のような巨大な犬のオブジェがある町ビルバオに行ってきました。この犬、10mくらいの高さがあり、全体に植物が植えられています。私が行ったときは、ちょうど花盛りで、ピンクや白の花が満開で、カラフルでした。
このビルバオ、スペインの北東部、バスク地方にあります。
この町を有名にしたのは、グッゲンハイム美術館。とても特徴的なモダンな建築で、現代アートを展示しているミュージアムです。以前は、鉄と船舶の町でしたが、産業が廃れつつあったところに、この美術館をドーンと建て、町も広場や橋など、モダンアートのエッセンスのあるものを散りばめて、一気に観光都市として、人気を博するようになりました。
巨大な犬のオブジェは、美術館の正面玄関前の広場に鎮座しています。
旅程は、土曜日の午後に、スキポール空港を出て、マドリットで乗り換えし、ビルバオへ。飛行機の出発が1時間ほど遅れ、到着したのは、夜9時前でした。空港から、タクシーでホテルへ(30分弱)。
日曜と月曜をまるまる観光に当てます。
そして、火曜日の朝、10時20分のビルバオ発アムステルダム行の直行便で帰ります。スキポール空港に着いたのは、12時半頃でした。
スペインはオランダからだと時差もなく、通貨もユーロだし、簡単です。距離的にも、日本のちょっと遠い国内旅行と変わらない感じでしょうね。
初日は移動だけで、疲れました。空港に着いたときは、もう真っ暗でした。飛行機から見えたビルバオの夜景はとてもきれいでした。空港からホテルに向かうタクシーから見た風景も、高台があり、山があり、長いトンネルがありと、平たいオランダの2次元的空間とは異なる、標高差のあるダイナミックな3次元的空間へ来たことを強く感じました。
体調は良好です。

映画「海炭市叙景」

2011-10-13 07:27:59 | Movie
今年のCAMERA JAPANのイベントで最後に見た映画は、「海炭市叙景」(Sketches of Kaitan City)でした。
北海道の函館市を架空の町「海炭市」と見たてた佐藤泰志著の連作短編小説集が、この映画の原作です。といっても、映画になるまで、この小説家の存在を知りませんでした。村上春樹と同世代で、芥川賞候補に5回もなったのに受賞に恵まれず、地方に根ざしたタイプの不遇の作家だったそうです。
この映画を見たいなと思ったのは、函館の美しい景色を見たかったからです。山の上から、湾を望むショットはとても美しいです。また、年越しから初日の出までの人々の様子が、年越しそばや除夜の鐘、高台へのぼって初日の出を拝むという日本独自の行事を通して描かれており、日本情緒を強く感じました。
話は、海炭市に生きる人の幾人かにスポットを当て、それぞれの人の物語をオムニバスで見せてくれます。少し、人と人が話の中で交差するのは、「ヘヴンズ・ストーリー」と似ていました。同じ空の下、同じ町で、個々の人がそれぞれかけがえのない人生を一生懸命生きている、酷いことややるせないことや色々あるけれども、それでも人は生きて、他の人とちょっとつながって、泣いたり、笑ったり、怒ったりするけれど、同じ町には、同じように雪が降り、風が吹き、雨が降り、同じように時が経ち、クリスマスやお正月がやってきて、四季が訪れる…。
ある作家の短編集を映画化したという目で見ると、それなりに見ることができますが、一本の映画としてはちょっと弱い感じがしました。
函館には一度も行ったことがないのですが、行きたいなあと思いました。
今年のCAMERA JAPANでは、映画を5本見ましたが、どれもちょっと悲しい、さびしい話ばかりでした。
体調は良好。


本「忘れられた日本人」

2011-10-11 10:20:40 | Book
宮本常一著「忘れられた日本人」を読了。
この本は岩波文庫ですが、1960年に未来社から発行されたものを底本としています。
宮本常一は有名な民俗学者ですが、恥ずかしながら私はこの本を手にするまで知りませんでした。
民俗学では柳田國男がずば抜けて有名で、宮本常一は同世代人でありながら、柳田が好まないテーマの性、漂流民、被差別民、西日本と東日本の違いなどに注目したため、あまり高く評価されてこなかったそうです。しかし、1981年に亡くなった後、再評価されています。この岩波文庫も1984年に第1刷が発行されています。
彼は、村を歩き回って、フィールドワークで、いろいろな人から聞きためた事柄をまとめています。昭和の戦前から戦後にかけて、そのフィールドワークは行なわれているのですが、聞いている話は、明治から大正、そして昭和の戦争後までにわたり、その間、農村や漁村がどのように変化していったかがよくわかります。
この頃は、文字を読み書きできる人は少なく、語りによってのみ、ふつうの民の姿が伝えられうるのです。そして、その語りを文字にして残す、民俗学者は貴重な存在でした。現在は、みんなブロクなど書いて、自分の生活を残していますから、後世において、この時代にどんな生活を人々がしていたか知るのはたやすいことでしょう。
本の語り口から、著者が名誉などとは頓着せずに、ただただ歩き回り、人と合い、話をきき、地に足を着け、土地を愛し、村を愛し、骨身を惜しまず、かっといって献身しているなんて意識はもたずに生きている人々を愛し、敬意を持ちながら接していることを感じます。
この本では、東日本の話も少しでてきますが、大半は西日本、対馬、土佐、伊予、山口県などの話です。そこで出会った老人の話を、著者がその語り口のまま書いているのですが、時折、方言か何かでわかりにくいところはカッコ書きで標準語が補ってあります。私の祖父母は中部地方の田舎に住んでいましたが、そこで聞き覚えた言い回しと類似するものがかなり多く、昔の田舎の人の言葉って似ていたのかなと思いました。
それにしても、明治の頃の粟や稗を食べなくてはいけなかったり、食べ物がないために子どもを農家にあずけたりしなくてはいけない時代から、この現代まで、ほんとうにすごく変化したものです。村に道が通るようになって、道がどんどん良くなって、馬が通り、車が通り…となっていくにつれて、どんどん村が変化し、良くなっていったと村人が語る部分がありますが、現在では、その道がまたインターネットの道となって、変化を呼び込んでいるのでしょう。
この本は、友達が送ってくれた本でした。ふつう自分からは選ばないタイプの本ですが、とても興味深い本で、出会えてよかったです。
体調は良好。