Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

Restaurant: De Veensteker(Vinkeveen:オランダ)

2011-05-29 10:19:43 | Restaurant/Cafe
今週の日曜日も天候はいまいち。どんよりとした曇り日で、風が強く冷たい。
どこにも出かけたくなく一日じゅう家にいて、午後はゆったりとF1モナコを見るのがいいかもと思う一方、先週も外出しなかったので、2週連続家にいるのもちょっと…って思う気持ちもあって思案した後、ランチに出かけることにしました。
私はなんか無性にハンバーグとポテトが食べたくて、そんなメニューがあるところで、アムステルダムだと駐車が面倒なので、郊外で探しました。そして見つけたのが、De Veenstekerというカフェ&レストランです。アムステルダムの南の水辺に面した小さな町Vinkeveen(フィンカフェーン)にあります。小さな町なので、駐車スペースがあるだろうと思って行ったのですが、確かにあってそこに停めたのですが、かなり小さめの道の路上パーキングなので、運が悪いと場所がないかもと思いました。
さて、このレストラン、外にもたくさん席があって、夏の良い日差しの中だとこういうテラス席も賑わうだろうけれど、小雨が振り出しそうな今日は、誰も座っていません。えー、もしかして私たちだけ??と思いながら、店内に入ったら、2組ほどお客さんがいたので安心しました。店内も広めで、カジュアルな雰囲気です。
ハンバーグではなくて、ハンバーガーだということはメニューをチェックして確認済みのHamburger XXLをアイスティーとともに注文しました。夫は、Salade Geitenkaas(羊のチーズのサラダ)を注文(ダイエット中なんです)。アイスティーはほどよい甘さで、ライムが一片入っており、爽快な味でよかったです。さて、ハンバーガー(写真)。てっきりポテト付きだと思っていたのですが、私の思い込みだったようて、ポテトなしで、がっくり。まあ小食なので、ボリューム的にはこの大きめなハンバーガーで十分です。ハンバーガーのミート自体は、ばりばりに焼いて黒味がかった感じではなく、ちょっと焼きが甘い感じの赤っぽい色。この自家製のハンバーグのお味は、とてもよかったです。おいしいと思いました。でも、入っているピクルスはちょっと多すぎと思いましたし、添えてある生オニオンやソースは使用しなかったし、なんかお値段(8.50ユーロ)から考えても、全体評価としてはいまひとつです。現在、北部ドイツでEHECバクテリアによる感染問題(千人以上の人が感染、10人死亡)で感染源がキュウリということで話題になっていて、トマトも問題視されていたせいか、このハンバーガーにはメニューにトマト入りだとありましたが、トマトが入っていませんでした。トマトのかわりにピクルスを入れたのかなあ。それにしてもピクルス多すぎでした。
羊のチーズのサラダもお味はよかったそうですが、ボリュームがいまひとつで、なんとなくもの足りない感じでした。
場所も場所なので、もう一度訪れることはなさそうです。が、もしたまたま近くにいて、何か食べたいと思ったら行くかも。雰囲気は悪くないです。
私たちが帰ることには、お客さんもぼつぼつと入ってきていて、中にはハイティーと頼んでる人たちもいました。
もしかしたら、ハイティーのほうがよかったのかも。
帰ってから、ゆっくりF1モナコを見ました。フェテルが連勝して、あまり序盤で勝ちすぎるとF1自体が面白くなくなってしまうので、ちょっと残念です。
体調は良好です。

alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour (Eindhoven)

2011-05-26 08:54:19 | Concert
坂本龍一のヨーロッパツアーがあると聞いて、すぐにインターネットでチェックし、チケットを取ったのはたった1ヶ月前のことでした。あっという間に日々が過ぎ、当日に。
コンサートは、alva notoことカールステン・ニコライとのコラボレーションで、alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour というタイトル。ロンドンを皮切りに、イタリア、ベルギー、オランダ、ドイツ、デンマーク、スペインを回ります。私の住んでいる所から近いのは、ベルギーのブリュッセルかオランダのアイントホーフェン。アイントホーフェンの会場が教会の中だということと、若干近いので、こちらのチケットを取りました。
会場は、聖カタリーナ教会(写真)。19世紀に建てられた新しい教会で、ステンドグラスが綺麗で、町の中心にあります。
アイントホーフェンに着いたのは6時頃。まずは夕食をと思い、広場近くのレストランで食べました。選んだメニューは、Zeewolf(オオカミウオ)のソテーとエビのリゾット、とても美味しかったです。
開場は7時半の予定でしたが、7時15分に扉が開きました。かなり前のほうのとても見やすい席に座ることができました。
8時15分の定刻通り、コンサートが始まりました。向かって左手にYAMAHAのピアノがあり、そこに坂本龍一が、そして右手のブースがあり、そこにalva noto(カールステン・ニコライ)が位置取り、すぐに曲が始まりました。ピアノの艶のある生音とalva notoのシンセ音の人工的な音と、そしてスクリーンに展開されるデジタルなパターン映像の共演です。
ステンドグラスから漏れてくる光は、最初はかなり明るい夕日でしたが、時の経過とともにだんだんと弱くなっていきます。
写真撮影は自由でした。1曲目から、前のほうの観客はほぼみんなケータイやデジカメでパチリ、パチリ。あまり落ち着いて曲に集中することができませんでした。シャッターの音とか、フォーカスの時の音とか、気になるんですよね。ケータイなどでシャッターを押すと音が出ますが、消音できるものは消音しておくべきだと思います。
MCは全くなしで、どんどん曲が披露されていきます。坂本龍一を見るのは初めてではないですが、こんな近くでじっくり見るのは初めてです。最初は特にオーラはないなあと思っていたのですが、途中からぐいぐい引き込まれていきました。鍵盤のタッチの独特な指遣いがはっきり見え、彼の精神の集中が感じとれます。最後のほうは、コラボレーションとはいえ、やはりメインは坂本龍一のピアノだなあと思いました。あまり曲には詳しくないのですが、ブルーの映像が出てくる曲とその次の「戦メリ」と本編の最後の曲は、素晴らしく感動しました。別世界に連れて行かれるような気分でした。
本編は1時間くらいで終わり、一度下がって、アンコールで再度登場、また下がり再々度登場などで、結局計1時間半くらいのステージでした。
ピアノを使用しているのですが、鍵盤をたたくだけではなくて、ピアノの弦に直接触れて音を出すなど、実験的な使用法もしていました。
私は最近クラシックを聞くことが多いせいか、曲が終わったあとの拍手が早すぎると感じました。音の余韻を楽しむ間もなく、曲が終了直後に拍手をするのはちょっといただけないなあと思います。また、カメラのフォーカスを知らせる「ピコッ」という電子音が、始終していたのには、いらいらしました。自分のカメラが音を立てていることはわかると思うので、最低限の撮影にしてほしいと思います。特に電子音を使ったコンサートなので、音楽の一部と紛らわしく、でも曲の一部とは思えないチープな電子音なので、耳が反応してしまい、ほんとうに煩わしかったです。
ちょっと文句はありましたが、全体としては、素敵な夜を過ごせた良いコンサートでした。とても特別な感じがしました。
体調は良好です。


歯科定期健診(歯科医が変わりました)

2011-05-25 11:33:38 | 医療・病気
今日は歯科の定期健診の日です。
実は数日前に歯科医院から手紙をもらいました。突然の通知だったのですが、6月15日から、この歯科医院はこれまでの歯科医と歯科衛生士がやめ、別の歯科医に移譲されますとのことでした。「えーっ...そんな」って感じです。だって、歯科医も歯科衛生士も私の病歴などわかってくれているし、感じも良かったので、安心してまかせることができていたからです。でもそんなことは関係なく、あちらの事情で、突然の変更です。こういうことは実はこの歯科医院、2回目です。この歯科医院に通い始めた当初にも同じようなことがありました。何かころころ医師が変わるのは嫌なので、別の歯科医院に移ろうかとも思ったのですが、カルテの移動などちょっと面倒だし、予約がすでに入れてあったので、とりあえず今日は、これまでの歯科医院の新しい医師のもとへ出かけました。
歯科医は感じのよい、30代後半か40代前半の男性でした。今日は、歯茎の状態のチェックが主な目的だったのですが、状態もOKということで、歯石をとってもらって、ホワイトニングをしてもらい、レントゲンを2枚撮りました。レントゲンはもう3年くらい撮ってなかったので、そろそろだと思っていました。これまでは、歯科衛生士が歯石とりなどは担当していたのですが、今回は歯科医が自らやってくれました。当分は歯科衛生士はいなくて、彼が全部するようです。これは、私にとってメリットです。というのは、歯科医の検診と歯科衛生士の検診がいつも別の日に尾しなければならなかったのですが、これからは一回で済みます。また、今日の治療の感じでは、技術的に問題なく、よい感じでした。手際もよいし、真剣な感じで。というわけで、歯科医院の変更はしない予定です。
次回の予約は、8月下旬です。
体調は良好です。血圧は低め。ときどき、上のほうが100を切るので、高血圧の薬をストップするように医師に相談しなくちゃと思っています。

本『ひかりの剣』

2011-05-23 10:00:01 | Book
海堂尊著『ひかりの剣』を読了。軽く読めました。
海堂尊の作品はそれぞれの登場人物がつながっていて一つのワールドを形成しているので、なるべく全作品を読もうと思っています。この『ひかりの剣』は、『ジェネラル・ルージュの凱旋』で活躍する速水晃一と『ジーン・ワルツ』で重要な役割をする清川吾郎が大学生時代の話です。剣道が中心テーマなのですが、私は剣道のことはまったくわかりません。それでも、剣道の奥深さがちょっと理解できた気がします。
この本は、『ジェネラル・ルージュの凱旋』や『ジーン・ワルツ』をすでに読んでいて、速水や清川の人となりを知っていたほうが面白く読めると思います。
また、田口・白鳥シリーズで必須のキャラクターである高階院長も登場し、その若き時代を読むことができます。
特に感動や考えさせられることなんてものはなかったですが、息抜きにさらっと読めてよかったです。
清川吾郎の弟として清川志郎がこの本では登場しており、この志郎がどう成長したのか、別の本でいつか読めるとよいなあと思っています。
それから、時代的に『ブラックペアン1988』とシンクロしており、『ブラックペアン1988』も先に読んでおくと、さらに『ひかりの剣』を楽しむことができます。
文庫本の解説を、元警察庁長官の国松孝次氏が書いていて、ちょっとびっくりしました。
体調は良好。昨日の日曜日は天候がいまいちで、身体もなんとなくだるい感じだったので、ホームセンターへ簡単な買い物へ行っただけで、ずっと家にいました。ちょっともったいない気もしましたが、まあこんな日曜日があってもよいかも。

ミデルブルグ(Zeeland)1泊旅行(後半)

2011-05-16 08:42:55 | 旅行(オランダ国内)
ミデルブルクに一泊し、朝はホテルでゆっくりと朝食です。その後、チェックアウトして、車で15分くらいのところにある港町Vlissingenへ。港には大きめのボートがいくつも停泊しており、海にはフェリーの姿も見えます。しかし、天候は小雨が降り出し、風が強く、寒さに弱い私としては、海沿いへ行く気も失せる状況です。それで散策は諦めて、muZEEumという海がテーマの博物館へ入りました。3つの古い建物が改装されて一つのミュージアムになっています。地図の展示が年代順になされていて、それを見ると、このゼーランド州がいくつもの島でできており、年代とともにどんどん大きくつながっていく様子が見て取れます。また、絵画の前にガラスがあり、それをタッチすると説明が写されるという仕掛けもあって、かなり充実したミュージアムでした。子どもが楽しめるようなゲームもところどころにありました。最上階には展望台もあり、Vlissingenの町が見渡せます。改装でPakhuisの棟が閉鎖されていて見れなかったのが少し残念です。それでも全体をゆっくり見て回ると、2時間が経っていました。
雨がやんでいたので、海の近くで、Kibbeling(魚フライ)を食べ、ゆっくりお茶をしました。海はかなり荒れ模様で、波が高く、うねっていました。町の中心のほうを少し散策して回りましたが、特にこれと言って見るものはなかったです。
そして、2時を目指して、ホテルへ戻りました。というのは、ハイティーを2時に予約していたからです。3段重ねのトレーとお湯が入ったサーバー、10種類以上の様々な紅茶が入った箱がテーブルに用意されました。トレーには、サンドイッチ、スコーン、キッシュ、タルト、ケーキ、ソーセージパンなどが、載っています。おしゃべりしながら、どんどん食べました。が、さすがにお腹がいっぱいになって、完食は無理でした。とびきり美味しいってわけじゃないけれど、1時間強くらい、ゆっくりとお茶の時間を過ごすのって、たまには良いですよね。
その後、Goesという町へ。Middelburgから車で20分くらいです。またまた寒かったので、Streekmuseum voor de Bevelandenという地方博物館へ。特にこれといった展示はなかったですが、ゼーランド地方の衣装の展示は良かったです。ここの土地の人は、地元の伝統的衣装のかなりこだわりがあるようです。女の人がかぶる白い帽子に付ける金色の頭飾りは、地方ごとに形に特徴があって、ゼーラントは正方形です。
Goesの町の散策へと思いましたが、もうかなり疲れていて、じっくり見たのはStadhuis(市庁舎;写真)だけです。このStadhuisは、右側の部分が1350年のもので、残りは18世紀のものです。見ると違いがわかりますね。
5時半ころGoesを後にして、帰路に着きました。
ゼーラントには小ぶりの良い町がいくつもあり、中世の雰囲気を髣髴とさせる建物がたくさん残っており、またミュージアムも充実しているので、観光にとても適していると思いました。月曜日にオープンしているミュージアムが多いのも驚きました。オランダでは月曜日は閉館というのがスタンダードですから。それから、レストランやカフェも私が経験した範囲ではオランダ平均に比べてレベルが高いかなと思いました。盛り付けなどひと工夫してあったり、ちょっと変わったコンビネーションだったり、ケーキの種類が多かったり。これは、観光に力を入れているからなのか、ベルギーが近いからなのか???
Domburgというモンドリアンやトーロップが過ごして絵を描いたという町にも行きたかったのですが、次回にゼーラントに行く時にということで。
体調は良好。さすがに疲れました。軽い筋肉痛。血液が酸性の傾向があるとのことで調整中。カルシウムは正常値に戻りました。

ミデルブルグ(Zeeland)1泊旅行(前半)

2011-05-15 09:50:38 | 旅行(オランダ国内)
行楽シーズンが始まっています。この時期こそお出かけに適しているのでどこかへ行こうと予定を立てました。場所はまだ私が一度も行ったことがないゼーラント州(zeeland)です。名前の通り海(zee)に面した場所で、ベルギーに隣接しています。
ホテルを予約したのは4月の始め。ゼーラントでいちばん大きな町ミデルブルグ(Middelburg)にホテルをとりました。この頃はとても暖かくて初夏の趣きだったのに、残念なことにこの週末は曇りがちで気温も20度以下に下がり、冷たい風が吹いていて、秋のようです。かんかん照りも嫌ですが、寒いのも身体がこわばってしまうので、アクティブになれず、嫌です。でも仕様がないですよね。天候ばっかりは思うようにはいきません。
朝9時頃自宅を出発し、まずはZierikzeeへ。Zierikzeeは9世紀からあるゼーラントの重要な町です。中世にハーリング漁などで栄え、栄華を極めました。16世紀に建てられた立派な港の門や、町のところどころに残っている洒落たファサードの建物がとてもチャーミングです。1時間強くらいで歩いて回れる小さな町ですが、とても良い雰囲気で、気に入りました。
ゆっくりと見たあとは、車で15分くらいのところにあるWaternoodmuseum(水難博物館?)へ。ゼーラントといえば、1953年に大嵐が満潮と重なり、堤防が決壊して、海水がなだれ込み、10万人もが家を失うなど、大きな水害に見舞われました。Zierikzeeもこの折に大きな被害に遭いました。決壊した堤防の場所に、ケーソン(巨大なコンクリート製の箱)を沈めて、水が流れ込まないように早急に処置をしたのですが、そのケーソン3つが現在内部を使った博物館となっています。博物館自体は教育的要素が強く、社会化見学に良さそうな内容です。最初のフィルムで全体を掴んで、あとは早足に見るだけにしました。博物館の外に出て、水際沿いに歩くこともでき、少し高いところに昇って見る見晴台からは、対岸の町が見え、良い景色でした。
そして、ミデルブルクへ。ホテルにチェックインしたあと、徒歩で町を散策しました。写真はStadhuis(市庁舎)です。天気がいまいちでした。寒かったので、コーヒー休憩も兼ねて、Zeeuws Museum(ゼーラント博物館)へ。この博物館とてもよかったです。八十年戦争を扱ったとても大きなタペストリーがいくつもあり、豪華で美しく、見ごたえがありました。このテーマのフィルムも良くできていました。また、ゼーラント州独特の衣装についてのアーティスティックなフィルムもとても素敵でした。女性はスカートだけで5枚も重ねて着ているのですね。また、白い帽子をみんなかぶっていて、これは今ではなくなっていますけれど、100年ほど前は普通だったんですね。
ゼーラントは航海に秀でていますから、もちろんVOC(オランダ東インド会社)の拠点、海軍の拠点などで栄えました。VOCの建物や倉庫などがところどころに残っています。夜はその倉庫の一つがレストランとなっている場所で夕食を取りました。この記録はまた別のところでします。
夕食を終えたのは9時すぎ。まだ外は明るいです。この時期はほんとに夜が遅くまで明るいので、知らない町でも安心です。ゆっくり歩いてホテルに帰りました。
体調は良好。

本『1Q84 Book3』

2011-05-11 07:57:26 | Book
村上春樹著『1Q84 Book3』を読了。
じっくり時間をかけて少しずつ読みました。書評家の大森望さんがBook3についてあまり良い評価をしていなかったので、つまんないのかなあと思いながら読みましたが、後半あたりからかなり面白かったです。
でも最後まで読み終わって、なんか憮然としてしまいました。青豆と天吾のストーリーラインはいいんだけど、牛河が…。Book3で章を持つキャラクターに格上げされたと思ったら、こんなことになってしまって。親近感を持てない、人から目を顰められる類の人物として描かれているけれど、それってこの人自身の容姿に大きな問題があるわけで、それはこの人にはどうしようもないことで、それはそれで受け入れて、この人なりに人の迷惑にならないように生きているわけで…、なんかかわいそうな気がしました。
パラレルワールドという設定はわかるし、そういうのが少しトレンドなんだとも思いますが、作者が何を伝えたいのかという点で、それがどういう意味を持つのかと考えると、難しくてよくわかりません。
村上春樹独特のワールド感はとてもよくでていて、登場人物が誰も彼もちょっと面倒な修辞を使いがちなところなど、読みながらニヤリとしてしまいます。でも、「…みたいな」という表現が目に付きだすと、またか…と思うこともあって。
この本を読んでいる途中で大震災があって、その後1ヶ月くらいは本をじっくり読む気になれませんでした。最近また読書を再開しています。村上春樹が大震災後にどんな小説を書くのか興味があります。
体調は良好です。

レナリドミド+デキサメタゾン 第15サイクル開始

2011-05-06 08:41:00 | 医療・病気
レナリドミド10mgとデキサメタゾン2mgを週3回服用を3週間、次の1週間はデキサメタゾンのみを週3回服用するというサイクルの15回目が始まりました。随分長く、この服薬パターンで安定した生活ができており、うれしいです。
しかし一方で、レナリドミドを服用しているとがんなど悪性の疾病に罹患する確率が高くなるというレポートも出ており、不安もあります。とはいっても、他の薬にする気はさらさらありません。何にしろ、リスクがゼロなんて状況はないですから。
オランダのMM患者向けの連絡会のサイトにもこのことについてのレポートが載っており、EMEA(欧州医薬品審査庁)がこの件について正式に調査を開始したとしています。また、別の研究では悪性疾病のリスク上昇が見られておらず、オランダのレナリドミド服用患者を対象とした初の分析でも別の形のがんの発生率の上昇は見られないとしています。そして、このわずかながんになる確率の上昇の疑いによって、多くの患者が現在恩恵を受けているこの薬による治療をストップしなければならないような事態になると、それこそ多くの害を与えることになるとしています。最後に、レナリドミドは、現在のところ、オランダのMMの治療薬として、維持治療も含め、安全であるとアナウンスしています。ただし自家幹細胞移植後の患者については、データの収集中なので、EMEAの分析結果が出るまで、待ちたいとのことです。(ソース(オランダ語):http://www.cmwp.nl/Actueel/Nieuws/lenalidomide-en-het-risico-op-een-tweede-kwaadaardige-ziekte/)
さて、オランダでは徐々にバカンスシーズンが始まっています。医師も2週間ぐらいの長さで休暇をとるのはふつうです。そうなると現場は手薄になって、やたら若い、いわゆるインターンクラスの医師が電話片手に奮闘する状況に。まあ、ちゃんとバックアップ体制はとっているんでしょうけど、ちょっとこの時期、突然の大病にはなりたくないです。
体調は良好。

映画「Never Let Me Go」

2011-05-01 11:41:31 | Movie
晴天の日曜日、映画「Never Let Me Go」(わたしを離さないで)を観に行きました。
今年のロッテルダム映画祭で上映されていて、観たかったのですが、スケジュールが合わずに観ることができませんでした。この映画の原作者カズオ・イシグロ氏の作品が好きで、原作本も数年前に読んでいました。原書だったと思います。とても良い印象があって、映画化されるということも知っていたので、いつ出来上がるのかと楽しみにしていました。
映画は1970年代のノスタルジックな雰囲気のイギリスにある寄宿舎から始まります。そこに暮らすキャシーとルス、そしてトミー。友情や愛情の感情を育みながら、ちょっと不思議なその寄宿舎生活を18歳まで過ごし、また別の場所に移っていきます。この3人を人生を描くドラマです。
小説はとても美しい印象を受けたのですが、映画も美しかったです。イギリスの美しい風景をうまく挟み込んでいく感じは、ハリー・ポッターの最新作や「ノルウェイの森」を思い出させました。
キャシー役のキャリー・マリガンは役にぴったりでとても良い演技でした。ルス役のキーラ・ナイトレイもうまくはまっていました。私として、残念だったのはトミー役のアレックス・ガーランド。原作の印象と違うんですよね。トミーの子ども時代を演じていた子役は、雰囲気的にぴったりだったのですが、青年になったとたんにまったく違った雰囲気になってしまって、びっくりしました。私の中では、トミーって、もっと控えめな雰囲気の容姿で、朴訥さのある不器用なイメージなんですよね。例えば、ハリーポッターのロンのような。
映画だけ観て、内容が十分伝わるのかどうかは、私にはわかりません。寄宿舎での子ども時代についてのエピソードがもっとあってもよかったかなあ。小説では独特な雰囲気がびしばし伝わってきました。映画では、どうかなあ。
すごくかわいそうな運命を負った人たちだけれども、文句を言わずに、その人生をまっすぐに引き受け、完遂していくところに崇高さを感じました。
別の世界観をふわっと見せてくれる、こういうタイプの映画、好きです。
体調は良好。