Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「Het Puttertje」

2014-07-30 10:28:20 | Book
Donna Tartt(ドナ・タート)著「Het Puttertje」を読了。
ドナ・タートはアメリカの作家で、この「Het Puttertje」が第三作目。処女作の「The Secret History」(オランダ語では「De Verborgen Geschiedenis」)を読んで、とてもよく感動したので、この作家のことが気になっていました。三作ともかなりの長編で、この「Het Puttertje」(英題「The Goldfinch」)も925ページあります。重い本なので外で読めず、家で暇を見つけて読んでいたら、かなり時間がかかってしまいました。
この本、最初のシーンがアムステルダムから始まります。主人公がアムステルダムのホテルの部屋にいる場面です。このままアムステルダムを舞台とするのかなと思いきや、すぐに場面はニューヨークへ。
「Het Puttertje」は、Carel Fabritius(カレル・ファブリティウス)が1654年に描いた絵のタイトルです。足を鎖でつながれた小鳥の絵で、B4サイズくらいの小さな絵です。ファブリティウスはレンブラントの弟子で、フェルメールの先生だった人物ですが、この絵が描かれたのと同じ年1654年にデルフトの弾薬庫の大爆発の巻き添えで32歳で亡くなっています。この爆発でアトリエも全滅し、彼の作品は約14作ほどしか現存していません。その中でも代表作と言われるのが、この「Het Puttertje」(英題「The Goldfinch」)です。日本語では、「ゴシキヒワ」という名がついています。
本の中では、この絵が大きな役割を果たします。ところどころオランダ絵画の話も出てきて、興味深いです。
ニューヨークに住んでいた主人公のテオは、13歳の時に母親と美術館でこの絵を見ます。そのときに、大きな事件が起こり、彼の人生が転機を迎えます。彼がその後移り住むラスベガス郊外の荒涼とした雰囲気やニューヨークの雑踏と活気など、町の雰囲気がよく伝わってきました。
しっかりとした小説で、心理描写も多く、話がなかなか先に進まなくてつまらなく思う人もいるでしょうが、私は楽しめました。
この作品は、2014年のフィクション部門のピューリッツァー賞を受賞しました。過去の2作の小説は日本語版が出ているので、この本も近いうちに翻訳されると思います。
絵の「Het Puttertje」は、デンハーグにあるマウリッツハイス美術館が所蔵しています。この美術館は最近改装増設オープンしたばかりです。そのうちに一度訪れて、生でこの絵を見たいと思っています。
体調は良好です。


Restaurant:'t Amsterdammertje@Loenen aan de Vecht(オランダ)

2014-07-25 22:43:57 | Restaurant/Cafe
最近夏バテか少し体重が減ってので、レストランでじっくり食事がしたいと思い、お気に入りのレストラン「't Amsterdammertje」に行ってきました。シーズンに一度は行きたいと思いながら、実は前回は一年前でした。
今回も5コースメニューにしました。
まずはアミューズ。くりぬいた卵の中にいろいろ入ったもの、夏らしい果物を使った一品、一口ピザ、モロッコ風のパイと4種類。いつも世界旅行のイメージで、地域の特色を出した一口サイズのものです。これがけっこう楽しみです。卵のと、メロン系のがとても美味しかったです。
さて、前菜1は、鯖のたたき風のもので、小さな鯖が一匹、お皿にどーん。ほのかに火が通っており、中心は少し生という絶妙な感じで、鯖の炙りのようでとても美味しかったです。ネギやわさびムースなどもついており、和風の味を感じました。鯖の刺身に近いものをこんなに一回に食べたのは初めてかも。満足しました。
前菜2は、北海カニのサラダで、リンゴやアボカドが入っており、緑のボトルに入っていて、夏らしい外見の一品でした。でも、マヨネーズ系の味が強く、カニもあまり存在感がなく、これは私としてはいまひとつでした。
メインの1は、鯛のような白身魚の切り身のグリル(写真)で、皮の部分がパリパリで美味しかったです。グリーンアスパラなどの野菜が添えてあり、65度で調理した卵の黄身がとても柔らかく濃厚なお味でした。
メインの2は、ビーフ・ウェリントンで、これから切り分けますと切る前の焼きあがった状態を見せてくれます。一切れだけなので、肉好きの人には物足りないかもしれませんが、私はもうほぼお腹いっぱいだったのでちょうどよかったです。焼き具合はよく、満足しました。
お口直しのアミューズは、自家製のローリーアイスでした。
デザートは、フランボワーズのアイス、自家製チョコ菓子などで、甘いのが少し苦手でお腹がいっぱいだったので少し残してしまいました。
最後は紅茶をいただいて、お土産のチョコの箱をもらって終了。
今回、オーナーシェフのアンドレは休暇中でいませんでした。でも他の従業員たちがテキパキと気持ちよく動いていて、何も問題を感じませんでした。
お店は9割方の入りで、活気が感じられよかったです。
また行きたいですけれど、今度は冬になってしまうかなと思います。
体調は良好ですが、夏バテか少し疲労感があります。



レナリドミド+デキサメタゾン 第57サイクル開始

2014-07-25 11:55:51 | 医療・病気
レナリドミド(レブラミド)10mg、デキサメタゾン0.5mgを週3回3週間服用、4週目はデキサメタゾンのみ週3回服用というサイクルの57回目が始まりました。
4週間ってほんとうにあっという間ですね。何も意義あることをしていないからかもしれません。夏はスポーツイベントが多くて、テレビで観戦したりしているとどんどんと日にちが過ぎていきます。
何か実のあることをしなくちゃという気持ちもある半面、もうあと何年生きられるかわからないのだから、気楽に楽しまなきゃという気持ちもあり、ずるずると過ごしてしまっています。
先日看護師さんにお願いして、血液検査結果をプリントアウトしてもらいました。それによると前回のフリーライトのκは49.1mg/lで、λが79.5mg/l。共に基準値外ですが、ずっとこんな感じなのであまり気にしていません。そして、比は0.6で、基準内です。
また、アルカリホスファターゼ(ALP)も169U/lで基準外です。これも半年以上、このくらいの値で上下しています。γ‐GTは基準値内になっています。
他に、HDLコレステロールが基準より低く、もう何年もそういう状態です。パラトルモンなど、まだいくつか異常値があり、健康体からはやはり遠い状態ですね。
でも、普通に生活できており、年々少しずつ体力が戻り、気分的にはよい感じです。
できるだけこれが長く続くように願っています。
あまり無理をしないようにと思っています。

本「サヴァイヴ」

2014-07-24 09:40:10 | Book
近藤史恵著「サヴァイヴ」を読了。
ロードレースを題材にしたシリーズの外伝的な短編集です。
「サクリファイス」「エデン」の登場人物に焦点を当てた短編で、主役の白石の話はもちろん、脇役の存在だった赤城と石尾の出会いの話など、前二作を読んでいる人には物語世界を豊かにする話ばかりで、とても楽しめます。
ツール・ド・フランスなどを見ていてもなかなか選手の心理はわからないもので、これらの連作を読むと選手の心持ちが少し理解でき、この過酷なレースの裏模様が見て、興味深いです。
確かに、ヨーロッパではロードレースは人気スポーツで、オランダでもヨーロッパの主要なレースはNOSという日本でいうNHKに近い放送局でテレビ中継されますし、とても人気があります。一般の人が、選手と同じような服装でロード用の自転車で走っている姿をよく見かけます。実際に私の行っている病院のよく見かける医師たちが帰りに自転車競技のような服装にばっちり着替えて帰っていくのを何度か見かけました。
運動不足解消のために自転車で通勤しているようです。
オランダは自転車専用の通路が確保されているし、平坦なので、走りやすいというのもあると思います。
EPOのようなドラッグの問題がこのスポーツでは特に深刻で、過去に良い成績を上げた何人もの選手が使用を告白しています。チームがらみのものもあります。優勝したい、良い成績を上げないと来年の契約が微妙だなどと、心理的なジレンマがあるのだと思います。この問題についても選手の側からの心理が、このシリーズでは度々描かれています。
ずいぶん前に読んだ「サクリファイス」が記憶から薄れているので、もう一度読み返そうと思いました。
体調は良好です。


Cafe:Barbeton@ユトレヒト

2014-07-21 09:53:54 | Restaurant/Cafe
週末は暑くてバテ気味だったので近くに買い物に行ったくらいで、あとは家でゆっくり。
なので、今日はずいぶん前にユトレヒトに行ったときのカフェについて書きます。その日はサクッとランチを済ませたかったので、Barbetonというカフェに行きました。
コーヒーとサンドイッチがメインのお店で、コンピュータを使用してもよい席があって、学生が多いようでした。
アイスコーヒーが飲みたかったので、オランダではなかなかないと思いながら店員さんに尋ねたら、あるというので注文しました。
運ばれてきたのは、コーヒーフラペチーノでした。思っていたのとは違ったけど、おいしかったです。
サンドイッチは、サーモンとクリームチーズのもの(写真)。パンが独特でこれもおいしかったです。
Barbetonという店名、バーべトンさんという名前からきているのかなと思ったのですが、Bar Betonを引っ付けたみたいです。ショーケースにBetonサンドイッチというのもありましたから。Betonってオランダ語でコンクリートのことなんですけれど、そう考えると、とても固いサンドイッチを連想してしまいますよね。
サンドイッチも飲み物もおいしかったので、また機会があれば行きたいです。
体調は良好です。日中暑いのですが、夜には気温が下がるので、風邪をひかないように気をつけなきゃ。あと、お腹をこわさないようにも気をつけて、無理しないようにしています。


クラシックコンサート:Ronald Brautigam & Isabelle van Keulen@コンセルトヘバウ(アムステルダム)

2014-07-16 08:10:12 | Concert
夏になりコンセルトヘバウはRobco Summer Nightsのシーズンです。Robecoという会社がスポンサーになっている夏のプログラムで、様々なコンサートがいつものコンセルトヘバウ料金よりは少し安めに見ることができます。
通常は8時15分開演ですが、この期間は8時なので、要注意。私も今回忘れていて、少し急ぎました。
夏の観光客を見込んでいるところもあって、客層も少し変わります。
さて、プログラムは、
Britten - Simple Symphony, op. 4
Mendelssohn - Concert in d
Tsjaikovski - Serenade in C, op. 48
でした。
メンデルスゾーンで、ピアノがRonald Brautigam、バイオリンがIsabelle van Keulen(イザベル・ファン・クーレン)でした。どちらもオランダ人です。
オーケストラは、ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団(Württembergisches Kammerorchesters Heilbronn)でした。ドイツの弦楽器だけのオーケストラで、すてきな音でした。
チャイコフスキーのセレナーデなど、私の好きなチェロの深い音色にうっとりと聞き入りました。
しかし、近くの席の人が始終ざわざわと身動きして、カチャカチャとした音を立てたり、舌打ちのような音を立てたりして、それが気になって音楽にあまり集中できませんでした。それと、アルコール臭さも気になりました。残念でした。
体調は良好です。





本「エデン」

2014-07-15 15:34:46 | Book
近藤史恵著「エデン」を読了。
ツール・ド・フランスの時期にこの本を読むのは最高の気分です。
この著者が自転車ロードレースをテーマにした小説を書いていて、最初の作品「サクリファイス」もとてもよかったです。
今回は、ロードレースの中でも最高峰といえるツール・ド・フランスが舞台です。
ツール・ド・フランスはよく見ているのですが、中々スポーツ内の駆け引きや、チームスポーツなのでそれぞれの選手の役割などがわかりにくいのですが、これらの本を読むとその世界を垣間見ることができ、実際にテレビを見ていて想像力が広がります。
主人公は前回同様チカこと白石誓(しらいし ちかし)。彼はツール・ド・フランスで総合優勝できるような選手ではありませんが、アシストという重要な役割に誇りをもって挑んでいます。彼の視点からの、最強選手たちの姿、チームの動向などが、新鮮です。
前回の「サクリファイス」での出来事がチカの心に大きな楔となっているような記述がところどころあるので、順番に読んでいくことをおすすめします。
3週間の長丁場のレースで、山岳コースが強いクライマーたちと、平坦なコースでのスピードレースが得意なスプリンターたちが、どのようにスケジュールの中で強弱をつけてたたかうのか、作戦が大切なスポーツなのですね。
また、マイヨ・ジョーヌを着た選手のいるチームは全体をまとめて曳いていく役割があり、それにかなりエネルギーを使うので、力のないチームが早い段階でマイヨ・ジョーヌを得ると、意識的に手放したりもするというような話も、知らなかったので、驚きました。
第3作の「サヴァイヴ」もすでに手元にあるので、読むのが楽しみです。
体調は良好です。今週は週末に向けて少しずつ気温が上がり、オランダも30度くらいになるそうです。真夏です。


プリンセンホフ博物館@デルフト

2014-07-13 09:55:20 | Wblog:お出かけMuseum
日曜日、デルフトにあるMuseum Prinsenhof(プリンセンホフ博物館)に行ってきました。
修道院だった建物が博物館になっています。
この建物はオラニエ公ウィレム一世が執務兼住居として使っており、また敵対するカトリック教徒によってこの中で暗殺されました。銃で2発撃たれたのですが、その弾丸の痕が今でも壁に残っています。
ウィレム一世はスペインと戦いオランダ王国の基礎を作った人物で、その功績がこの博物館では主に展示されています。
激しい戦いで、ライデンやデルフトなど町々で籠城して人々はスペインと戦ったのですが、餓死者がたくさん出て、かなりの苦戦でした。その頃、商業で栄えていたアムステルダムは参戦せず、のうのうとスペインと貿易を行なっていたそうです。
最後のほうで、アムステルダムも加担し、オランダ側が勝利を得て、自由を得ます。16世紀後半の出来事です。
このウィレムの家系が現在のオランダ王室となっています。
この博物館には、多くの肖像画、デルフトブルーの陶器類、デルフトの風景画、デルフトの現代芸術家Jan Schoonhoven(ヤン・スコーンホーヴェン)の作品などが展示されています。
小さな教会が併設されており、こじんまりとしたよい雰囲気でした。
中庭がカフェになっています。
ウィレム一世やオランダの独立の歴史などに興味のある人にはおすすめの博物館です。しかしそれ以外では、絵画など第一級のものはなく、いまひとつかもしれません。私はけっこう楽しめました。
体調は良好です。


本「ジェネラル・ルージュの伝説」

2014-07-11 16:01:18 | Book
海堂尊著「ジェネラル・ルージュの伝説」を読了。
この本は、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の主人公である救命救急医速水晃一の新人時代の様子を描く一話、また事務長の視点から「ジェネラル・ルージュの凱旋」の頃の出来事を語った話、速水が去った後に後任を任された部長代理の佐藤と救命救急室の様子の話と、3つの関係した話がおさめられています。
この著者の物語は一つのワールドを構成しており、本を読めば読むほど、登場人物のことが深くわかるようになり、また時代や出来事の結びつきがよく理解できるようになり、それがとても面白いです。
この本にはさらに、著者の簡単な生い立ちと成長の年表や、自作解説、登場人物リストなど、海堂尊の本をたくさん読んでいる人には頭を整理するのによい資料が付いています。
それにしても2005年のデビューから続々と本を出していて、すごいなあとあらためて感じました。
この本は、この著者のファンじゃない人にはおすすめしません。他の本から読んだほうがいいです。
体調は良好です。

Restaurant:Yamazato@アムステルダム

2014-07-10 08:59:40 | Restaurant/Cafe
先月のことですが日曜日にアムステルダムへ行った日、久しぶりにホテルオークラの山里(Yamazato)でランチをしました。
夫がここのシーズンメニュー(四季の昼膳)が好きで、今回もそれにしました。
前菜(写真)が、白身魚の西京焼き、アスパラの合鴨ロース巻&エビ芝煮、生ニシンの蕪巻、トマトとゴマだれで、どれも美味しかったです。特に合鴨ロースがもちっとした食感があってよかったです。
次は、お刺身で、マグロ、炙りホタテ、スズキで、ホタテが甘くて絶品でした。
メインは、牛フィレ照り焼きか、中トロ串揚げのどちらかを選ぶのですが、私は串揚げにしました。トロが口の中ふわっととろけて、美味でした。
4品目は、お寿司で、炙りサケ、マグロ、ブリ、鯖でした。サケが美味しかったです。お椀がついており、卵、豆腐、カニのすまし汁でした。
最後はデザート。抹茶アイス、イチゴ淡雪、フルーツでした。
ゆっくりいただいて、2時間くらいでした。
お腹はとてもいっぱいになりました。
窓越しに見える日本庭園の緑がとてもきれいでした。
体調は良好です。