Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Harmonium(淵に立つ)」@ロッテルダム国際映画祭2017

2017-01-31 13:27:29 | Movie
日曜日の二本目の映画は「淵に立つ(Harmonium)」でした。深田晃司監督の作品で、昨年もこの映画祭で彼の「さようなら」という映画を観ています。
主演は浅野忠信で、彼が居候することになる家族の父親役は古館寛治がやっています。
なんか近未来的な「さようなら」とはまったくちがって、舞台は現代で日本のふつうの家族に起こる怖い話です。話のテンポがよく、ぐいぐいと引き込まれみてしまいます。しかし、最後がちょっと。どう解釈していいのかよくわからず、とまどいました。
オルガンの音がうまく使われていました。ちょっとノスタルジックなオルガンの音です。
字幕がオランダ語でどうしてかな(ほとんどの映画の字幕は英語)と思ったのですが、もう少ししたら普通のオランダの映画館でも上映されるそうです。
この作品の前に、ショートフィルム「鳥(仮)」の上映もありました。これはアイフォンで撮影したそうです。



映画「The Silent Eye」@ロッテルダム国際映画祭2017

2017-01-29 14:05:36 | Movie
日曜日、ロッテルダムで「The Silent Eye」という映画を観ました。
ダンサーの田中泯とジャズピアニストのCecil Taylor(セシル・テイラー)のコラボレーションの様子を撮った映画です。3日間の撮影で、場所はテイラーのアトリエだと思います。ピアノは見かけがぼろぼろの(鍵盤はすりきれている)YAMAHAのグランドピアノで、それがとても良い音を出します。途中でほんの短い語りが入りますが、それ以外は、この二人のセッションが長々と映し出されます。映画の長さは70分間。
田中泯は70歳すぎで、セシル・テイラーは80歳半ばです。
上映中、つまらなかったのか席を立つ人もぱらぱらといましたが、ピアノの音がとても良くて、ダンスも独特で、魂がこもっていて、なんかトランスを感じるような映画でした。
監督はオーストラリアのAmiel Courtin-Wilson。オーストラリア人です。

映画「Light Thereafter」@ロッテルダム国際映画祭2017

2017-01-28 13:43:58 | Movie
1月27日の金曜日に 映画「Light Thereafter」を見てきました。ブルガリア出身のKonstantin Bojanov監督、脚本作品です。
絵が得意なアスペルガー症候群の16歳の少年が一人でロンドンから旅をし、彼が尊敬する画家Arnaudのアトリエを訪ねる物語です。この少年Pavel役のBarry Keoghanはすごく良い演技で、ぱっと見ではドキュメンタリーかと思うほどでした。また画家Arnaud役のKim Bodniaは、スウェーデンとデンマークの合作TVドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」でメインの一人を演じているので見慣れた顔でした。
道中に起こることはよくあるクリシェ的出来事ばかりで、映画的には特に良いなとは思いませんでした。最初がアトリエに着いた後のことを描き、だんだんと時間的に遡って、シーンを描いていく手法は面白いけれど、特に新しい感じはしませんでした。



映画「Out There」@ロッテルダム国際映画祭2017

2017-01-27 12:40:16 | Movie
今年もロッテルダム国際映画祭(IFFR)のシーズンがやってきました。今年もいくつかの映画を観に行くつもりです。
まずは金曜日に行き、「Out There」という映画を観ました。台湾で生まれ、一人で日本に暮らす青年が主人公です。インタビューと、白黒の日本が舞台のパートとカラーの台湾が舞台のパートが混ぜこぜになって話が展開します。インタビューは映画監督が配役探しのためのインタビューをするという設定で行われていて、主人公の馬(マ)が実際に考えて受け答えしていて、リアルさがあります。彼の日本語は95%以上自然な感じの日本語です。台湾がふるさととして自分が生きる場所という気持ちがせず、日本もやはり違うと感じる、自分がフィットしない感じがよく表現されていました。
台湾のパートでは、台湾の歴史にふれ、彼の両親が中国から台湾に渡ってきて、米国に移住しようというプランがあったことなどが明かされます。
良い映画だなあ、工夫もたくさんあっていいなあと思っていたのですが、いかんせんこの映画、ちょっと長すぎます。第二部では、台湾の廃墟となった映画館やプール、住宅、野原などが長く移されて、バックグランドはピアノの音だけというシーンがいくつもありました。監督は記憶の旅のようなことを表現したかったのかもしれませんが、退屈な印象が強かったです。
また、幻想の女性がちょこちょこと出てきますが、それもいまひとつ意味が分かりにくかったです。ここら辺を整理して、1時間半強くらいの映画にすればすごく良かったのではと思いました。
伊藤丈紘監督がロッテルダムにいらしていて、この映画のあとで質疑応答などに答えていました。

夕食:Kimmade@ユトレヒト

2017-01-26 12:23:49 | Restaurant/Cafe
夕食を簡単に済ませたかったので、ベトナムのストリートフードのお店「Kimmade」へ。以前に一度行ったことがあり、口にあう味で気に入りました。
すごく小さなお店で、テーブルは4つほどしかありません。ゆっくりディナーするという場所ではなくて、さっさと食べて出ていくという感じです。まあ急いでいるときにはいいですよね。人気があるので、満員で入れないことも多いです。
さて、今回は運よくテーブルが空いていました。
揚げ春巻き(チキン)と生春巻き(エビ、ポーク)を注文(写真)。おいしいです。
そして、フォー(ビーフ)を注文。ベトナムのライスヌードルです。ピリリとしたスープで香草が入っていて、好きなのです。
飲み物はアイスティー。コーラなどソフトドリンクは、缶で出てきます。
夫は、蜂蜜ポーク入りのライスでしたが、おいしかったそうです。
ライスもフォーも、ビーフ、蜂蜜ポーク、チキンなど、トッピングを選ぶことができます。

クラシックコンサート:Nationaal Jeugd Orkest@Vredenburg(ユトレヒト)

2017-01-22 08:13:17 | Concert
日曜日、午後のコンサートのため、ユトレヒトのVredenburgへ。
まずは、14:15から始まる解説を聞きます。今回はNationaal Jeugd Orkest(オランダ・ユース・オーケストラ)に関わっている二人に解説者がインタビューする形で前半が行われ、その後、マーラーの交響曲第六番についての説明がありました。全部で30分です。
休憩をはさんで、15時のコンサートがスタート。
指揮は、Antony Hermus。プログラムは、マーラー交響曲第六番だけ。
このオーケストラは、オランダとベルギー(アントワープ、ゲント、ブリュッセル)の音楽学校の学生からなっています。そのせいで、観客もいつもより年齢層が若かったです。
オーケストラがよく見える席だったので、若い人たちの演奏をとても楽しむことができました。
この交響曲に特徴的な打楽器系がよかったです。カウベルや、ハンマー(大きな木槌を大きな木の箱に向かって打ち下ろす)など印象的でした。
コンサートが終わったのは16時半でした。


本「テロリストのパラソル」

2017-01-18 09:31:54 | Book
藤原伊織著「テロリストのパラソル」を読了。
1995年の作品で、乱歩賞と直木賞のW受賞作ということで、おもしろいのかなと思って読みだしました。ハードボイルド小説であっという間に読めました。
主人公は全共闘世代で当時東大生で闘争に関わっていたため、大学を中退して、今はしがない小さなバーの店主。アル中で独り身でひっそりと身を隠すように暮らしていたが、ある日新宿の中央公園で爆発事件があり、その場近くにいたことで、その惨劇現場を目にします。そして、事件の犠牲者に、学生運動を共にした女友達がいたこと、また親友で長い間行方不明だった男がいたことから、自分との関係性を感じ、この爆破事件の真相究明に乗り出すという物語。
どうなるのか先が読めず、以外な展開で、いろいろ小道具も斬新で面白かったです。
この作家の作品は以前に「シリウスの道」を読んだことがあります。そのときのブログを読むと、「機会があれば、処女作『テロリストのパラソル』も読んでみようかなと思います」と書いていましたが、それからもう6年も経っていました。

クラシックコンサート:Janine Jansen(ヴァイオリン)+Gatti(指揮)+RCO@Amsterdam

2017-01-13 09:46:03 | Concert
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)、首席指揮者Daniele Gatti(ダニエレ・ガッティ)、オランダが誇るバイオリニストJanine Jansen(ジャニーヌ・ヤンセン)の組み合わせのコンサートがあり、行ってきました。場所はアムステルダムのコンセルトヘボウです。
プログラムは、
Berg - バイオリン協奏曲 'Dem Andenken eines Engels'
Bruckner - 交響曲第四番 'Romantische'
でした。
Bergのバイオリン協奏曲はとても難しそうな曲でした。音がいろいろと飛び交い、最後のハイトーンの天使の声を思わせるような響きはすばらしかったです。ジャニーヌ・ヤンセンは、黒に一筆書きの金色の線が入ったドレスで、見栄えも素敵でした。オランダ人でオランダのクラシック界ではスーパースターなので、観客の受けもよかったです。バイオリンの音色もいい音でした。
休憩後はBrucknerの交響曲第四番。これ、去年の8月にもロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とDaniele Gattiの組み合わせで同じここコンセルトヘボウで聞いていました。このときは前のほうに座ったのですが、今回はバルコニー席の後ろのほうだったので、オーケストラの音がとてもよく楽しめました。特徴的なメロディが頭に残ります。
第一楽章のソロ的な音がきれいで、ところどころの大音響でのダイナミックな音も良かったです。
Gattiの指揮は好き嫌いあると思いますけど、私は彼の大きなシンフォニーの音はいいなと思っています。

The Fountainhead@Stadsschouwburg(Amsterdam)

2017-01-08 09:42:09 | 演劇/ミュージカル
日曜日、アムステルダムのStadsschouwburg(市劇場)にToneelgroep Amsterdamの「The Fountainhead」という演劇を見に行きました。Toneelgroep Amsterdamというのはアムステルダムにある劇団で、世界的に有名なIvo Van Hove(イヴォ・ヴァン・ホーヴェ)が芸術監督をしています。
今回の「The Fountainhead」もイヴォ・ヴァン・ホーヴェの監督作品です。以前に彼の作品「Kings of War」を見たことがあります。「Kings of War」も長い作品ですが、今回も開始が午後4時で休憩をはさんで終わったのが午後8時15分という長いものでした。
また、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ作品の特徴でもありますが、舞台の一部に液晶スクリーンがあってそこにライブ映像が映し出されます。今回は、建築家の設計スケッチや、役者の演技を上方から映した映像などが流れます。舞台は通常観客側からの視点しかないですが、そこに生のカメラ映像をスクリーンに映すことで複数の視点が得られます。
ストーリーは、Ayn Rand(アイン・ランド)というロシア系アメリカ人の小説家が1943年に出版したベストセラー小説『The Fountainhead(水源)』が原作です。自分の独創的な建築に固執して理想を曲げないために建築家として成功できない主人公のハワード・ロークと、商業主義におもねて言われるままに建築デザインを信念なく変え建築家として名声を得るピーター・キーティングを中心に、就職先の大手建築会社の経営者の娘ドミニクとの恋愛も絡んで、その人生の顛末が描かれます。
理想をつらぬく個人主義か、大衆の意見を聞き実際には二流のものを作り続ける成功者かという選択の問題がテーマです。
俳優は、主役のハワード役がRamsey Nasr、ドミニク役はHalina Reijnでした。この二人がヌード姿で現れるシーンがあり、ほんとうに真っ裸だったのでびっくりしました。
テーマは主人公に同意できるかちょっと疑問でしたが、演劇としては面白かったです。また音楽は舞台奥で演奏されていて、よい演出でした。
この劇が始まる前に、建物内の別の場所で、このアムステルダム市劇場のあるモザイク画「Gysbreght van Aemstel」に関する短編フィルムが上映されていたので見ました。



ランチ:SORA(ラーメン)@アムステルダム

2017-01-07 10:27:48 | Restaurant/Cafe
アムステルダムに新しい本格派ラーメン店ができたと聞いたので行ってきました。「SORA」と言います。
札幌ラーメンが食べられるお店です。もちろんそれ以外のメニューもあります。
私はいちばんおすすめの極上黒味噌札幌ラーメンにしました。ギョーザも注文しました。
まずはギョーザですが、パリッとした焼き加減で美味しかったです。
そしてラーメン、器が小ぶりかなと思ったのですが、実際は具たくさんですごいボリューム。全部いただくとお腹一杯すぎるくらいになりました。
コーン、バター、野菜たっぷり、チャーシューと食べがいがありました。とっても美味しかったです。卵はトッピングで付けることができ、夫が食べていましたが、美味しそうでした。
日曜の午後一時半頃に行ったのですが、ほぼ満席でした。小さなお店です。注文からお会計まで日本語で大丈夫でした。
極上札幌醤油ラーメンも美味しそうだったので、次はこれにしようかなと思っています。
ウィークデーのランチはお得なセットメニューがあるそうです。
アムステルダムには、RAMENYAFou Fow Ramenなど日本のラーメンが食べられるお店があります。このSORAはどちらかというとホテルオークラの近くにあります。この方面に来たなら、是非一度は試してみると良いお店だと思います。