昨年オープンした現代・近代美術の美術館
「Museum Voorlinden」に行ってきました。
デンハーグの近くのワッセナーという町にあります。ワッセナーは現在のオランダ国王が家族と住む家がある場所で、邸宅が多くある場所です。
Museum Voorlindenの敷地も広いです。まず門を抜けるとすぐに駐車場があります。そこからまた少し行ったところにも駐車場があります。
大きな池と緑豊かな庭が広がっており、レストランとして使用されている邸宅と、現代的デザインの美術館があります。
まずは美術館へ。館内は大きく三つの展示スペースに別れており、FULL MOONというコーナーでは約40の作品が展示されています。ウォーホルのCamouflage(1986)、Yves Klein「PR2, Martial Raysse」、Olafur Eliasson「Lake fades」、Ai Weiwei「Table with three legs」など面白い作品がいくつもありました。次はMartin Creed(マーティン・クリード)の展示コーナーです。1968年生まれのイギリスのアーティストです。明るいイメージの心がうきうきするような作品群でした。風船がぎゅうぎゅうに詰まった部屋を通り抜ける体験アートは人気で、列ができていました。
最後は、常設展示のコーナーで、Richard Serraの「Open Ended」という巨大な鉄のアート作品は、迷路のように鉄版の壁の間を通り抜けることができ、閉塞感と鉄の圧迫感と恒久たる時間の流れのようなものを感じることができます。Richard Serraの同様の作品は
ビルバオのグッゲンハイム美術館でも見たことがありますが、ビルバオのほうが長くて巨大ですが、VoorlindenのSerraの作品のほうが体感としては楽しいかなと思いました。あと、Leandro Erlichの「Swimming Pool」、Ron Mueckの「Couple under an Umbrella」は現代美術が好きな人には必見の作品です。現代美術のことなど関心がない人でも、作品の面白さは絶対わかるだろうと思います。どれも大きくて、面白い作品なので。
それから、Tuinzaalに展示されていた、山小屋ような木でできた小屋の作品はとても印象的でした。小屋の中には木のテーブルがあり、その上に丸電球一つと傘がついた電灯があり、それが唯一の照明で、小屋の中を照らしています。展示室自体は暗く、小屋の窓の部分はガラスがなく、中を覗くことができます。そして、小屋の中ではかなり激しい雨が途切れることなく降り続けています。小屋の中でだけです。雨がたてる音が響き、なんとなく清浄される感覚と、木の小屋という昔の営みからか、自然に身をまかせるようなリラックスした気持ちになり、ずっと見ていたい、そこにいたいという思いに駆られました。
日曜で良い天気だったからか、かなりの人出で、レストランは満席に近かったです。レストランといってもサンドイッチがメインのいわゆるカフェです。
遅いランチのあと、敷地内を散策しました。鳥のさえずりが聞こえ、とても気持ちよかったです。散策路から、自然保護区のウォーキングルートへ繋がっており、そちらのほうへ長いウォーキングを楽しむこともできるようです。
ゆっくりと楽しめるとても良い美術館です。