スターアライアンスNote

世界を旅するために働く、Architectによる旅日記

’10 夏 アンダルシア 82

2010年11月13日 | ’10 アンダルシア

 

ナスル朝

 

イベリア半島最南部に13世紀から15世紀末まで存在していたイスラム王朝。

1237年、ムハンマド1世が都を正式にグラナダに定めました。

その後レコンキスタが完了する1492年1月、スペイン帝国によるグラナダの無血開城まで続きました。

最後のナスル朝君主であったムハンマド12世は亡命し、ナスル朝は滅亡したそうです。

 

 

中庭部分 です。

木製の長めの軒が出されています。

開口部廻りには細かな細工が施されています。

 

 

中央部分には、 水場 がありました。

この部分には他とは違う、白い大理石が貼られています。

今と違ってポンプなどありませんから、サイファンなどを利用してここまで水を運んでいたのでしょう。

やはり涼しげに感じられます。

 

 

開口部のある面とそうでない面の、軒は上下に重ねられていました。

二つが対になった窓のデザインは、随所に見られます。

アーチにつながる細い柱のデザインは、イスラム独特のものなのでしょう。

メスキータではこの形状の連続でした。

 

 

この細かな細工、いかがですか? 

まさしく魔法を使って作られたかのようです。

しばらく立ち尽くしていました。

 

 

回廊部分の天井面です。

壁と天井との対比がなんともいえません。

この宮殿は奥へと進むにつれ、細工が細かく複雑になっていきます。

このようなデザインを見ていると、 エッシャーが影響を受けた のがよく理解できます。

 

 

見事と言うほかありません。

よく見ると規則性のあるデザインの連続です。

CADなどの無い時代に、これだけのものがデザインされたことに驚きを感じます。

驚嘆しつつ先へと進んでいくこといします。



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