翡翠が、またいつもの公園の、お気に入りの水辺にやってきています。
ノンフィクション作家で、野鳥にお詳しい友人の作家・Kさんに、
「翡翠は夏の季語なのに、なぜ今ごろ飛んでくるのですか?」
と尋ねたところ、
「翡翠は一年中、飛んでいる鳥ですよ」と。
それで納得です。
縄張りなのかわかりませんが、四季折々、翡翠はいつも同じ場所の、同じ枝にとまっています。
写真は、うしろすがたの翡翠と、横向きの翡翠。
うしろすがたは、瑠璃色のうつくしい色をしています。
さすがに、鮮やかな羽をふるわせ、飛び立つ瞬間は撮れませんでした。
同じ名前をした石の「翡翠」(ひすい)。
「翡翠」(ひすい)はカワセミとは違って、もう少し深いみどりのいろをしています。
台湾の故宮博物院で、白菜の形に彫刻した翡翠をみたことがあります。
拙作『勾玉伝説』シリーズ(岩崎書店・フォア文庫)を書いたとき、糸魚川で翡翠の勾玉を買ってきてもらったことがあります。細い革紐に吊されたその勾玉は、いまでもお守りに机の横に下げています。
いずれも、ふかいみどりのいろをしています。
それなのに「カワセミ」のことを、なぜ「翡翠」(ひすい)と書くのでしょう。
謎です。
(白菜の翡翠の写真は、台湾国立故宮博物院よりお借りしました)