ある本を読んでいたら、そこにこんなことが書かれてありました。
「宵の愉しみを極め、黄昏時のセンチメンタルを理解する」
どうやら夜の情趣は深いようです。
また、そこには朝色・昼色・夕色図鑑なるものも記されていました。
それにしても夕暮れ色ひとつとっても、日本語のなんて豊穣なこと!
茜色。思ひ色。紅色。唐紅。鬱金色。琥珀色。朽葉色。雀色時。紺瑠璃。藤鼠・・・・。
色合いをひとつひとつ説明しないと、おわかりいただけないと思いますが、字面から想像するのも
楽しいかもしれません。
こうしたものは、日本語が繊細であるからこそ生まれてきたことばです。
木枯らしのふく日は、こんなことばを思いうかべながら、初冬の夕べを愉しみたいものです。