南部鉄瓶の急須が欲しくてたまりません。
でも、持ち上げると、重い。
それでなくても肩凝りの私には、お茶を注ぐたびに肩が凝るのは、願い下げです。
それで買えずにいます。
友人で南部鉄瓶の急須を持っている人がいます。
彼女のお宅にお邪魔すると、シュンシュンと湯気をたてた鉄瓶を持って来て、それでお茶を煎れてくれます。
「これでお茶を煎れると、鉄分が入っているから女の人には、うれしい急須なのよ」
と、笑いながら。
それを見ながら、いつも「いいな、いいな」・・・と。
だいいち、鉄瓶の急須なんて風流です。
デパートに行くたび、鉄瓶を持ち上げてみるのですが、やっぱりだめ。
腕っ節の強い男に片思いしてしまったような、そんな苦い思いを噛みしめ、このあいだもやはり横目で鉄瓶を見ただけで、売り場を通りすぎました。