2009年に廃刊された、日本橋三越の「お帳場通信」が2013年夏、復刊され、昨日届きました。
私はこの「お帳場通信」のなんともいえない豊かさがすきでした。
ですからうれしくなって、さっそくページを繰りました。
極上なエッセイや、季節感を感じさせる品物。
全部はこちらで紹介できないくらい、「夏支度」とそれに思いを寄せる文学が、そこには広がっています。
物質的にではなく、精神的に豊かに生きるということがどういうことなのか、目くるめく展開されています。
秩父の実家では、梅雨がおわると毎年、家の中も夏支度になります。
秩父は盆地で夏は暑く、冬は寒いのです。
夏支度のはじまりは、襖が外され、葭(よし)の簾戸(すど)に変わることです。
夏を涼しく過ごすための、先人の知恵です。
簾戸を通して流れてくる風は、なんとも心地いいものでした。
学校から帰ってきて、襖が簾戸に変わっていると、靴下を脱いで素足になって畳に寝ころびます。
エアコンがいまのように普及していなかった時代です。
そんな郷愁が、この雑誌にはいつもあります。
また、バイタミックスを使った「元気の出る朝ジュース」のレシピも載っています。
暑い夏に向かう前、保存しておきたい一冊になりそうです。