公園もいまや、すっかり灰色の世界です。
でも私は、この冬枯れの雑木林がとても好きです。
ときどき小鳥たちがやってきて、さえずり、あたりを見回します。
もう木の実もないし、小鳥たちはなにを食べているのでしょう。
すべてが眠りについてしまったような、冬枯れの雑木林を見ていると、ふと、ルース・クラウスの『はなをくんくん』〔福音館書店)を思い出します。
雪がふり、あたり一面は、雪・雪・雪・・・。
雪解けがおわると、木の芽吹きがはじまります。そして土の下からは、小さな花々が顔をのぞかせます。
冬枯れの雑木林の向こうには、そんな心待ちする世界が、春にむけてちゃくちゃくと準備されているんだと思うと、それだけで胸がわくわくします。
野ねずみやクマやリスのように、はなをくんくん、させたくなります。