今夜は、隔月の水曜日に行われている読書会です。
今月のテキストは『僕は小説が書けない』です。
F Bでこの本は、中村航の母校、芝浦工大で、作られたソフトを基に作られているというお話をうかがいました。
中村航と、中田永一(乙一)が「小説の書き方」について、物語仕立てにしながら読者を導きます。
読みながら思い出したのが、もう20年以上前に読んだ『創作入門』(偕成社・・もう絶版になっています)です。
『僕は・・』は読み始めて、どうも中村航の文章が気に入らなくて、読み進めるのに苦労しましたが、まとめ方はさすがです。
ラストまで読むと、こうしたテーマでの執筆の意図と、彼の思いがわかった気がしました。
芝浦工大で作られたソフトの機能は、↓のとおり。
機能は大きく分けて3つある。
1「あらすじ」を短いセンテンスでまとめる機能。
2「キャラクター」のデータベースを作る機能。
3 具体的な「シーン」を配置して保存する機能。
ソフトが投げかけてくる質問に答えることで、物語の設計図が完成する仕組みだ。その設計図作りから、二人の合作は始まった。
お二人は、設計図があったから、自由に書けたとおっしゃっているそうです。
ライト感覚の時代小説の台頭や、オレンジ文庫など、かつてのコバルト文庫復活などのニュースを聞くと、こうした遊びを取り入れながら物語を作っていくというゲーム(?)を、一度は体験してみたいものだと思いました。
エンターテインメントを書く、トレーニングにはなりそうです。