20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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出版お祝い会

2019年12月05日 | Weblog

                   

 今夜は、講談社元取締役の大竹永介さんが、編集者としての体験をお書きになった、『出版文化と編集者の仕事』(社会評論社)の、出版お祝い会です。

 神保町の出版クラブで行われます。

 このご本を読んでいると、編集者の胃の痛くなるような思いや、ご苦労がよくわかります。

 特に原稿の遅い作家に、原稿をもらいに行くことの大変さ。

 井上ひさしさんの、『子どもにつたえる日本国憲法』をおつくりになった時の、ご苦労。

 読みながら、この粘り強さが、大竹さんなのだなと思いました。

 

 「フォーラム・子どもたちの未来のために」の実行委員会でも、もうすでに、5年目のお付き合いです。

 大竹さんのイメージというと、静かに、日本酒の熱燗をお猪口に注いでいるお姿です。

 でも仕事の速さ、正確さは、さすがです。

 

 編集者としてのスタートは、少女漫画。

 そのお話は、飲み会などで、時々伺っていました。

 もちろん、そのくだりも、このご本にはたくさん、漫画家の固有名詞をあげて、出てきます。

 そのおつきあいの臨場感が、面白い。

 編集者も人間。

 好き、嫌いもあるでしょう。

 いつも紳士である、大竹さんが、右往左往しながらも、人間関係を作り上げていかれるプロセスも面白かったです。

 

 取締役を退職され、何ヶ月か、パリに独学の旅に出られたことがありました。

 それを一冊にまとめられたご本もあります。

 落語と、ジャズとお酒がお好きとおっしゃっていますが、英語は仕事上、必須ですが、フランス語を学ぶために、パリでは、フランス語の学校にも通われました。

 「自分が作りたいものをどうしたら実現できるか」、編集者はその苦悩と戦いながら編集し、書き手は「何を、どう表現したら、本になるか」と苦悩しながら書き続ける。

 向かっている対象は「子ども」と、同じなのに、編集者と作家の関係は、なかなかミステリアスだと、拝読しながら思いました。

 

 今夜はたくさんの皆さんがお集まりになるそうです。

 どんな大竹評が、ご挨拶で出てくるか、楽しみです。

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