20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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第16回「絵本テキスト大賞」入選発表

2023年11月10日 | Weblog
              

児文協の HPに載せていただいたおりました。
私は雑誌「日本児童文学」11〜12月号に載せていただくための原稿の(下に貼り付けてある文章)締め切りに滑り込むことだけが頭にあり、HPやblogのことは放念しておりました。

事務局で、お気遣いいただき、HPに載せていただいておりました。
事務局の、次良丸さん、はらさん、いつもありがとうございます。

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日本児童文学者協会と童心社は、昨年に引き続き「第16回絵本テキスト大賞」の作品募集をいたしました。

応募総数は1088編(Aグレード 468編、Bグレード 620編)でした。
たくさんのご応募をありがとうございました。応募作品は7月から8月末にかけて1次選考を行いました。1次選考通過作品としてAグレード28編、Bグレード37編を選びました。

10月6日、童心社にて2次通過作品を選び、そこから最終選考に向けて議論いたしました。最終選考に残った作品は、Aグレード「こんなくるまいかがですか」(根木美沙枝)、「カモメの町」(さのみずほ)、「かがみのかがみ」(はらだみなこ)の3編でした。Bグレードは「ハルおばあさんのひみつのたなだ」(土筆あさ)、「ゆびさきトントン」(鬼頭瑞希)、「どっかーさん」(稲葉友樹)の3編でした。
毎回議論に上がるのが、AグレードとBグレードのグレードを意識せずに書いている作品が多いということです。絵本の文体について、言葉選びが考慮されていない作品が多く、子どもたちにどう語りかけるかという視点をもっと深めていただけたらと思います。一方、発想は面白いがそこに寄りかかるだけではなくその発想を生かすためには、日常をしっかり描き、その上でのファンタジックな出来事になるのではないかという議論もされました。とにかく絵本をもっとたくさん読んで、そこから絵本の作り方を学んでいただけたらと思いました。
議論の結果、最優秀賞は今回は残念ながら見送りとなりました。

優秀賞 Aグレード「こんなくるまいかがですか」(根木美沙枝)
優秀賞 Bグレード「ハルおばあさんのひみつのたなだ」(土筆あさ)

A 、Bグレード共に、優秀賞一点ずつでした。
Aグレード優秀賞の「こんなくるまいかがですか」は、ナンセンス的持ち味の作品で、発想も面白い。車好きの子に興味を持たれそう。だが作品としてまとまりきれていませんでした。またBグレード優秀賞の「ハルおばあさんのひみつのたなだ」は、昔話的でシュール。樽の中のたなだという作りは面白かったのですがもっと子どもたちに語りかける言葉を意識して欲しいと思いました。この賞は未来へ向けて、新人作家の登竜門として書き手を応援しています。なお一層、絵本も言葉にこだわり絵本そのものをもっと学んでいただけたらと思いました。
次回もご応募くださいますよう、選考委員一同、新しい書き手の誕生を心待ちにしております。

◆主催 日本児童文学者協会/童心社
第16回「絵本テキスト大賞」選考委員
内田麟太郎、加藤純子、浜田桂子、橋口英二郎(童心社取締役 編集長)
コメント (2)
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