新刊3冊、ご紹介いたします。
『忍剣花百姫伝(一)』(越水利江子・ポプラ文庫)
2005年にポプラ社のDreamスマッシュからスタートした『忍剣花百姫伝』シリーズがこのたび、ポプラ文庫ピュアフルから出版されました。
これからひと月おきに、各巻が出版されるそうです。
劇画のようなテンポのいい文体で、戦国乱世の時代を生きる、「花百姫」(かおひめ)や「火海姫」(ひあまひめ)など、多彩な人びとの生き様を活写しています。
4歳で行方不明となった八剣城の姫君である「花百姫」は、父の形見である天竜剣を腰に差しています。
その刀の威力、そして多彩な登場人物による、このロマン溢れる物語はいま、大きく動き出しました。
迫力ある描写と、叙情的な描写。
確かな筆力で、ぐいぐいと物語を読まされます。
戦国の世の忍びのものたちや、そこに生きる人たちがうつくしく切なく、そして力強く描かれています。
「捨て丸」と呼ばれ,拾われた男の子として育った「花百姫」は、いったいどんな人生を送るのでしょう。
そして八剣城の人びとは・・・。
『学校にはナイショ♂逆転美少女花緒』(吉田純子・ポプラ カラフル文庫)
吉田純子さんの人気の『学校にはナイショ♂・・・』シリーズの第三弾です。
今回の物語の縦糸は主人公「花緒」のクラスメートで、すっかり自身をなくしている「七海」へのどっきりパーティ。
横糸は、花緒と同じ華桜学園高等部に在籍している、人気俳優の「北神旬」と、歌舞伎役者でもある「花緒」との演劇の舞台競演です。
そこには次の映画への主演がかかっています。
今回も吉田さんは、読者を飽きさせない仕掛けを、物語にたくさん仕込んでいます。
このシリーズに、仕掛けられたそのおもしろさが、ますます拍車をかけています。
この吉田さんのサービス精神が、このシリーズを飽きさせないものにしています。
それも、ひとつふたつではなく、縦横無尽に。
さて、どっきりパーティはどうなったでしょうか?
また人気俳優「北神旬」との舞台で、どちらが次の映画の主演に選ばれたのでしょうか?
ぜひお読みになって確かめてください。
『あしたもきっとチョウ日和』(高田桂子・ぶんけい)
お店を出すことが夢のお母さんは、毎日必死に働いています。保育園児の妹「ミチル」を「奈美」に任せて。その「ミチル」は、ときどき保育園から「ケープ」してしまいます。「奈美」自身も保育園のころ、「ケープ」の常習犯でした。
でもいまは面倒をみなくてはいけない「ミチル」が、「奈美」の自由を奪っています。
そんな不満をなかなか両親には言えません。
このお話のおもしろいところは、虫の言葉がなんとなくわかったり、「虫愛ずる姫君」の幻聴が聞こえたり・・・。
そこから読者は、いろいろなことを考えさせられます。
「いとをさなきなり」って、どういうこと?
「耳にタコ」って、こういうことだったの?
さなぎがチョウになるときは、こんなふうに羽を広げていくんだ。
多摩湖の堤防をどれほど歩くと、スカイツリーにのぼったことと同じ長さになるのか・・・。などなど。
そして、ラスト、「奈美」がその昔保育園を「ケープ」した理由に辿り着くあたりは、胸がじんとします。
リアリズムであっても、どこかファンタジー。そういったしなやかさで描いているこのお話には、いろいろな「なぜ?」が詰まっています。これを読んで知ったとき、子ども読者はきっと、自分がちょっとだけ大人になったような気がすると思います。
皆さま、どうぞこの3冊お読みになってください。
『忍剣花百姫伝(一)』(越水利江子・ポプラ文庫)
2005年にポプラ社のDreamスマッシュからスタートした『忍剣花百姫伝』シリーズがこのたび、ポプラ文庫ピュアフルから出版されました。
これからひと月おきに、各巻が出版されるそうです。
劇画のようなテンポのいい文体で、戦国乱世の時代を生きる、「花百姫」(かおひめ)や「火海姫」(ひあまひめ)など、多彩な人びとの生き様を活写しています。
4歳で行方不明となった八剣城の姫君である「花百姫」は、父の形見である天竜剣を腰に差しています。
その刀の威力、そして多彩な登場人物による、このロマン溢れる物語はいま、大きく動き出しました。
迫力ある描写と、叙情的な描写。
確かな筆力で、ぐいぐいと物語を読まされます。
戦国の世の忍びのものたちや、そこに生きる人たちがうつくしく切なく、そして力強く描かれています。
「捨て丸」と呼ばれ,拾われた男の子として育った「花百姫」は、いったいどんな人生を送るのでしょう。
そして八剣城の人びとは・・・。
『学校にはナイショ♂逆転美少女花緒』(吉田純子・ポプラ カラフル文庫)
吉田純子さんの人気の『学校にはナイショ♂・・・』シリーズの第三弾です。
今回の物語の縦糸は主人公「花緒」のクラスメートで、すっかり自身をなくしている「七海」へのどっきりパーティ。
横糸は、花緒と同じ華桜学園高等部に在籍している、人気俳優の「北神旬」と、歌舞伎役者でもある「花緒」との演劇の舞台競演です。
そこには次の映画への主演がかかっています。
今回も吉田さんは、読者を飽きさせない仕掛けを、物語にたくさん仕込んでいます。
このシリーズに、仕掛けられたそのおもしろさが、ますます拍車をかけています。
この吉田さんのサービス精神が、このシリーズを飽きさせないものにしています。
それも、ひとつふたつではなく、縦横無尽に。
さて、どっきりパーティはどうなったでしょうか?
また人気俳優「北神旬」との舞台で、どちらが次の映画の主演に選ばれたのでしょうか?
ぜひお読みになって確かめてください。
『あしたもきっとチョウ日和』(高田桂子・ぶんけい)
お店を出すことが夢のお母さんは、毎日必死に働いています。保育園児の妹「ミチル」を「奈美」に任せて。その「ミチル」は、ときどき保育園から「ケープ」してしまいます。「奈美」自身も保育園のころ、「ケープ」の常習犯でした。
でもいまは面倒をみなくてはいけない「ミチル」が、「奈美」の自由を奪っています。
そんな不満をなかなか両親には言えません。
このお話のおもしろいところは、虫の言葉がなんとなくわかったり、「虫愛ずる姫君」の幻聴が聞こえたり・・・。
そこから読者は、いろいろなことを考えさせられます。
「いとをさなきなり」って、どういうこと?
「耳にタコ」って、こういうことだったの?
さなぎがチョウになるときは、こんなふうに羽を広げていくんだ。
多摩湖の堤防をどれほど歩くと、スカイツリーにのぼったことと同じ長さになるのか・・・。などなど。
そして、ラスト、「奈美」がその昔保育園を「ケープ」した理由に辿り着くあたりは、胸がじんとします。
リアリズムであっても、どこかファンタジー。そういったしなやかさで描いているこのお話には、いろいろな「なぜ?」が詰まっています。これを読んで知ったとき、子ども読者はきっと、自分がちょっとだけ大人になったような気がすると思います。
皆さま、どうぞこの3冊お読みになってください。