立春を過ぎた、大安。
きのうの夜、今年も、和室に娘のおひなさまを飾りました。
マンションのエントランスを入ったところには、2月1日からおひなさまが飾られています。
節分は、季節を分ける節目の日です。その翌日は立春。その日から春になるのです。
ですから2月1日は、まだ冬のカテゴリーの内。・・ということは早く飾りすぎ・・・?
と、クレーマー住民みたいなことを書いて(笑)。関係者のみなさま、すみません。気になったものですから。
おひなさまの季節に読みたくなる本といえば、石井桃子さんの『三月ひなのつき』でした。
でも、今年からはそこに、新しいご本が加わりました。
『ひいな』(いとうみく作・小学館)です。
「由良」という少女と、女雛の「濃姫」。その二人の交互の視点で、物語は進んでいきます。
『三月ひなのつき』の主人公も、雛人形を持っていません。
『ひいな』の由良も雛人形を持っていません。
『ひいな』では、なぜ由良は自分のおひなさまを持っていないのか。
そうした家族の関係性が語られていきます。
そして根っこにあるのは、作家・いとうみくらしい、他者を信じる気持ち、他者を大切に思う気持ちです。
「濃姫」が「由良」に思う、この気持ち。
「そなたの厄、わらわがひきうける」
おひなさまを和室の天袋から出しながら、このフレーズを、何度も繰り返していました。
眠っていたおひなさまが、目を覚まして、こちらを見て微笑んでくれています。