20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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おひなさま

2017年02月08日 | Weblog

         

 立春を過ぎた、大安。

 きのうの夜、今年も、和室に娘のおひなさまを飾りました。

 

 マンションのエントランスを入ったところには、2月1日からおひなさまが飾られています。

 節分は、季節を分ける節目の日です。その翌日は立春。その日から春になるのです。

 ですから2月1日は、まだ冬のカテゴリーの内。・・ということは早く飾りすぎ・・・?

 と、クレーマー住民みたいなことを書いて(笑)。関係者のみなさま、すみません。気になったものですから。

 

 おひなさまの季節に読みたくなる本といえば、石井桃子さんの『三月ひなのつき』でした。

 でも、今年からはそこに、新しいご本が加わりました。

『ひいな』(いとうみく作・小学館)です。

「由良」という少女と、女雛の「濃姫」。その二人の交互の視点で、物語は進んでいきます。

         

 『三月ひなのつき』の主人公も、雛人形を持っていません。

 『ひいな』の由良も雛人形を持っていません。

 『ひいな』では、なぜ由良は自分のおひなさまを持っていないのか。

 そうした家族の関係性が語られていきます。

 そして根っこにあるのは、作家・いとうみくらしい、他者を信じる気持ち、他者を大切に思う気持ちです。

 

 「濃姫」が「由良」に思う、この気持ち。

 「そなたの厄、わらわがひきうける」

 

 おひなさまを和室の天袋から出しながら、このフレーズを、何度も繰り返していました。

 眠っていたおひなさまが、目を覚まして、こちらを見て微笑んでくれています。

コメント (2)
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