ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

三徳山に登る(10.23)

2007-10-26 11:29:09 | 山日記
<今回も時間の経過に随ってレポートを並べます>

家を出てから4時間、三朝温泉を過ぎて約10分で三佛寺前の駐車場に着きました。



車の通る道から、すぐこの急勾配の石段が始まります。
実は歩き始めてすぐのこの石段が、私にはいちばんシンドかったです。



さらにもう一つ石段を登ると参詣者受付所があり、入山料400円を納めます。
「投入堂へ登られますか」と訊ねられ、「靴の裏を見せて下さい」と言われました。



道の両側に皆成院、正善院、輪光院の宿坊と宝物殿が並んでいます。



最後の石段を登るとやっと三佛寺本堂です。この石段は永年、大勢の参詣者に踏まれてすり減り、波打っています。



残念ながら本堂は修復中でした。ここから遙か頭上に文殊堂の屋根が小さく望めます。

横に登山事務所があります。ここで住所・氏名・年齢などを届け、入山時間を記入します。
登拝料200円を納め、「六根清浄」と書かれた輪袈裟(たすき)を借りて肩にかけます。
ここでも靴の裏のチェックがあります。



赤い門をくぐり、宿入橋と呼ばれる橋を渡るといよいよ登山道が始まります。

三徳山に登る(2)

2007-10-26 11:19:37 | 山日記


役行者石像に手を合わせ山道に入ると、



すぐに「かずら坂」が始まります。
急勾配の道を、浮き上がった木の根を手がかり足がかりにして登っていきます。



しばらくの間、スギやハリギリやブナの大木が混じる林を登ると、大きな岩の上に立つお堂が見えてきます。文殊堂です。
ギョッ!手前の岩上には大蛇そっくりな木の根がくねっています。



文殊堂の横は「クサリ坂」と呼ばれる難所ですが、ホールド、スタンス共にしっかりしていて快適に登れます。



文殊堂は断崖の上に立てられた舞台造になっています。回廊を一巡りして紅葉の始まった周囲の山々の展望を楽しみました。(ここで標高約440m)

次に「平岩」という大きな岩を越していきますが、バランスを崩さない限り何ということもありません。
ただし両側は深い谷で「転落現場」の立て札もありました。



平岩を過ぎると地蔵堂。文殊堂とともに国の重要文化財です。
ここも回廊から景色を楽しむことが出来ますが、帰りに寄ることにしました。

三徳山に登る(3)

2007-10-26 11:15:20 | 山日記


次の建物は鐘楼堂です。大きな岩の重なった上に立てられています。
鐘は自由につくことが出来、冴えた音色が山肌に消えていきました。



鐘楼堂からは「馬の背・牛の背」と呼ばれる狭い岩稜の道が続きます。





足下をのぞき込むと、断崖に縋り付くようなダイモンジソウの大群落がありました。



納経堂に続いて岩窟の中に観音堂が建っています。ここも前は断崖。
写真の右手から左へ、お堂後ろの真っ暗な道を抜けて行きます。

さらに元結掛堂、不動堂と山上のお堂が続き、目の前に待望の投入堂が姿を現しました。



三徳山三佛寺の奥の院であり、世界遺産登録の動きがある貴重な建造物です。
こんな垂直の絶壁の中に、どのようにして建立したのか、見る人すべてが不思議で神秘的な思いにふけり、そこから役行者が投げ入れたという伝説が生まれたのでしょう。

帰りに宝物殿で勉強したところでは、平成13年、奈良文化財研究所の「年輪年代法」の測定で、平安時代末期の木材が使われていることが判明したということです。

はるばる大和の国から訪ねてきて、本当に良かったとおもいました。
これも役行者様のお導きだったのかも知れません。