ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(52) 日出ヶ岳

2014-04-14 09:35:27 | 私の関西百山

日出ヶ岳(1695m)<台高山脈>

(ひでがたけ) 別称 秀ヶ岳。 三津河落山、巴岳なども含めた総称・大台ヶ原山の最高点である。熊野灘に臨み、日の出を見るのに相応しい山としての名を持つ。大台ケ原周辺は年間雨量500ミリを超える日本有数の豪雨地帯で、そのためトウヒ、ブナなどの鬱蒼とした原生林に緑のササやコケが生育し、美しい自然の宝庫である。春のシャクナゲ、秋の紅葉、黄葉の素晴らしさでもよく知られている。

  正木ヶ峯より日出ヶ岳

私たちにとっての大台ケ原山は、マイカーで気軽にアプローチできることもあって、非常に馴染み深い山である。子供たちが小学生の頃は夏休みにバンガローで泊まったり(1972年8月)、大迫ダムの下の河原でテントを張って満点の星空に花火を打ち上げたりもした(1973年8月)。二人で、また山仲間たちとの様々な山行の想い出は尽きない。殆どの場合、最高点の日出ヶ岳山頂に立っているので、以下では大台ヶ原山全域の想い出を振り返ってみる。

山頂駐車場からコンクリートの展望台が建つ山頂までは、コンクリートの階段道や木道を登って40分で到着できる。



山頂からは大峰山脈の主要な山々を一望にし、冬季の晴れた日には富士山や御岳も見えるという。

山頂から東に下ると、冠松次郎が「関西の黒部」と絶賛した大杉谷がある。

大杉谷・七ツ釜滝

大小の瀑布と深い淵を連ねた9キロにわたる美しい渓谷である。しばらく登山路の崩壊で通行不能となっていたが、昨2013年秋から再び通れるようになった。1967年9月中旬、職場の同僚二人と東大台を周遊して大台山の家で泊り、大杉谷を下ったのが、私の初めての大台行きでもあった。その後も数度訪れたが、もっとも印象に残っているのは近所の山仲間との92年11月の山行である。



山の家で泊まった夜に降雪があり、翌朝は思わぬ雪景色の中を大杉谷へ下った。

 雪景色の日出ヶ岳山頂

紅葉と白い世界の両方が楽しめた贅沢な山だった。

山頂から大杉谷に向かって10分ほど下ると、シャクナゲ平という処がある。1995 年、東大台周遊の前に義父母をここへ案内した。思えばこのとき、義父84歳、義母80歳。(ちなみに現在は103歳と98歳で健在である。)私たちもまだまだ負けていられない。

2011年6月、二人でここへ往復してみた。花期には遅いかと思っていたが、待っていてくれたような花に出会えて満足して山頂に帰り、周回コースへ入った。

東大台周遊は元の道を少し下り、登ってきた道を右に分けて直進する。



以前は山頂から正木ヶ原にかけて、立ち枯れたトウヒの白骨林が特異な景観を見せ、イトザサのなかにシカが遊ぶ楽しい道だったが、

鹿による食害と登山道保護を名目に木の階段道が設置され、人工的な空中回廊の様相に一変している。

美しい笹原の正木ヶ原から神武天皇の銅像が建つ牛石ヶ原(写真)を経て大蛇クラに向かい、

切り立った岩頭で展望を楽しむ。ここからシオカラ谷に降りる道もシャクナゲ林の中である。

シオカラ谷吊橋から急登で駐車場へ帰る。4時間半ほどで一周できる。 (この項続きます)