ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

里山の花だより(2014.04.19)

2014-04-19 18:01:23 | 矢田だより

春ウララ。じっとしていられず9時半から矢田山へ行きました。

今日の一番のお目当ては、このオドリコソウ。ようやく咲き始めました。

最近は外来種のヒメオドリコソウに押されて、めっきり数が減りました。
純粋の日本の舞姫。清楚な美しさです。

こちらはヒメオドリコソウ。花はホトケノザに似ていて踊り子らしさはあまりなく、葉が美しいのが特徴です。

東明寺には、いろんな種類のツバキが咲きますが、その一種です。

やっと顔を出したギンリョウソウが数株ありました。

尾根道に群落して咲いていたチゴユリ。

ガマズミ

ツバキ散り敷く道を山頂へ向かいます。

いつもとは違う場所で♀ペンがウワミズザクラを見つけました。少し下にある樹をズームアップ…

いったん尾根を下り、すぐ近くまで行って花を見上げます。白い花が青空に映えてそよ風に揺れていました。

山畑に植えられていた花梨(カリン)の花。他にもいろいろな野の花、山の花に出会いました。ゆっくりと花を愛でながらの矢田歩きを、ちょうど正午に終えました。


私の関西百山(53)白鬚岳

2014-04-19 08:52:10 | 私の関西百山

53 白鬚岳(1378m)<台高山脈>

(しらひげたけ)別称・朝倉山 吉野郡川上村のほぼ中央、池木屋山北西野赤倉山から南西に延びる稜線上にある。山頂に白髭大明神の祠があったことで山の名がついた。西側山麓の神之谷にある金剛寺には南朝の遺跡がある。

柏木で吉野川を渡り、神之谷集落から峠を一つ越した東谷出合(530m)まで車で入る。地道の東谷林道を10分ほど歩くと終点となり、ここが登山口である。右手の谷へ下り、3度ほど沢を渡り返す。薄暗い谷の奥に細長い滝を見上げ、左の山腹の道に入る。右手下の谷にかかる滝と壊れた小屋を見て、道が谷に近づくところで水流がなくなった谷を離れる。ジグザグの登りから、手入れの行き届いたヒノキの美林の中を急登する。やがて頭上が開け、ホトトギスやウグイスの声を聞きながら、コアジサイの花の中を行く。思ったより楽に登り切って稜線に出ると、神の谷コースとの分岐である。腰を下ろすと、涼しい風が頬をなで、降るようなセミの声に包まれ、恐ろしいほど山深い感じがする。

尾根通しに雑木林の中を登り、コル状になった処で右手が開け、真下に不動窟の赤い屋根と幟が見えた。静まりかえった中で突然、激しい物音がして大型の鳥が羽ばたきの音高く飛び立って、斜面沿いに滑空して行った。タカのように思えた。大きな岩を捲き、露岩混じりの痩せ尾根を行く。

やがて北側のヒノキ植林の切り開きから薊岳から明神岳、桧塚、迷岳へと続く稜線が一望されるようになる。行く手には鋭い頂を天に突き上げた白髭岳が見える。

緩く登って低い笹原の中の明るい小台地、小白髭に着く。北側の集落では、ここを白髭岳とか粉尾(そぎお)峠、これから登る白髭岳をアサクラ山と呼ぶそうだ。

小うるさいほどの痩せ尾根のアップダウンがあり、目立つピークだけでも4つを越していく。50m近く下るところもあるが、ブナやヒメシャラなどの木影を行くので思ったより涼しい。三つ目のピークは大きな岩の右手を捲いて、まだらロープが取り付けてある急坂を登る。四つ目のピークに立つと、目の前にすっくと白髭岳が立ちはだかっている。緑の山肌に一群の真っ赤なヤマツツジが鮮やかである。



最後の急登を終えて白髭岳山頂に立つ。山名の由来となった白髭大明神の祠は今はなく、三角点の前に「今西錦司先生1500山目の山」の小さい石柱がある。側面には「一山一峯に偏らず。一覚一私に偏らず。錦司」とある。展望は南側が日出ヶ岳から三津河落山と続く大台ヶ原、その右(南西)に孔雀岳から弥山、大普賢、山上ヶ岳へと続く大峰の山々。その右に丸い小白髭のピークが低く見える。展望を楽しみながらのランチタイムを終え、東へ少し下ると、露岩が散在し、迷岳、赤山、池木屋山など東から南にかけての展望が大きく開ける。ゆっくり展望を楽しんで、元の道を帰った。

天候に恵まれ、誰一人にも出会わない静かな山を楽しむことができたが、流石に登り応えがあった。帰り道で白屋岳の登山口を探しに行って、そこの小母さんに「白髭岳には白い鷹がいる」と聞いた。私たちが小白髭の手前で見た大きい鳥は、白ではなく茶色だったが、やはりタカだったのだろうか。

【コースタイム】東谷出合(530m)8:15…水場8:55…神の谷コース分岐(1080m)9:55~10:05…小白髭(1282m)10:30~10:40…白髭岳(1378m)11:35~12:20…小白髭13:15~13:25…東谷出合14:55