桜を意識した作品ではありませんが、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻のミスティックラプチャーで、筒が薄いピンクと白の混じりあった色のステンドガラスで作られた万華鏡があります。内部もオブジェクトにピンクの濃淡をたくさん使っていて、桜や桃の花盛りを思わせる映像展開だなあと思いましたので、ご紹介します。
見ていただきたいのは色だけではなくて、ひとつひとつのオブジェクトの表情が豊かなところです。バーナーワークによるガラス細工には定評のあるペギーさんは、いろいろな種類のガラスを使って陰影や透明感、きらめきを映像に演出します。そこに流れるような動きが加わるのですから、見ていると本当にうっとりとさせられる万華鏡です。
ほとんどがピンク系と白のオブジェクトの中で使われている唯一強い色は黒です。外からオブジェクトの中の黒を見たとき、これはどうかな?と思ったのですが、黒い背景に映りこむと全く違和感がありません。しかも、その黒はアクセントとしてふさわしく、映像を引き締めるのにとても効果的です。オブジェクトの組み合わせ方にも作家さんの個性が出て、面白いですね。