黒い漆の上に白い茶の花を描いた井野文絵さんの「茶の花」です。 前回の白い磁器とはまた雰囲気の違う和風な作品です。しっとりと落ち着いた感じが素敵ですね。
蒔絵の技法で描かれた花や葉は、渋い輝きと陰影があり、漆の光沢の上で静かな存在感を見せています。
下の木部が二重になっているようにみえますが、オブジェクトセルを包み込む部分で、先端が回転する仕組みになっています。
背景が半透明で、先端部から光を取り込みます。 重なり合うガラスの陰影が独特の色合いを生み出します。
赤やオレンジ、グリーン、パープル、それぞれのガラスの表情が違うので、映像としても表現の幅が広くなっている気がします。
落ち着いたピンクとグリーンを中心に豊かな色の組み合わせで優雅な雰囲気に。 オブジェクトのガラスに色の濃淡をつけることで、映像の中にも色をぼかしたような面白さを生み出します。
リボンで飾ったような可愛らしい映像も見えました。
高さ14cmほどの作品で、オブジェクトセルの大きさもそんなに大きくないのですが、ドライタイプならではの小気味よい感覚で、多彩な映像の変化を楽しめます。
優雅で高品質な漆の万華鏡は、インテリアのアクセントにもふさわしい存在感があり、美しい姿が目を惹くことでしょう。 そして 内部に展開する千変万“華”の世界に驚かれることでしょう。