小嶌淳さん、喜多里加さんの万華鏡、「アルケミスト」をご紹介します。 このシリーズは筒型の基本的な形の万華鏡シリーズですが、喜多さんの手作りの筒は同じものはなく、大きさも3種類ほどあり、またミラーシステムやオブジェクトの種類(ドライ、オイル)など、いろいろなバリエーションがあります。 木製の台に載って飾られています。
喜多さんの陶器は削られた模様に釉薬や金彩が施されていて、手触りもざらざらした感じ、独特の表情が魅力的です。
アルケミストというのは錬金術師のことで、卑金属から金や銀など貴金属を生み出す技術を持った人のことです。 種々の小さな物体から、美しい模様を創りだす小嶌さんが創る作品にふさわしい名前ですね。 映像の不思議な輝きはどうしてでしょう? 特に光を当てているわけではないのですが、なぜか輝きを見せる映像展開です。
いろいろな種類がある中で、今回の作品はドライセル、3ミラーの万華鏡です。 長方形に組んだミラーシステムの1枚をミラーでないものにすることで、このようなライン状の映像になります。横に連なる模様から、「コーラスライン」と呼ばれる映像です。
長方形に組んだ3枚のミラーと1枚の反射のない素材を組み合わせると、ラインだけがくっきりと見えますが、小嶌さんのこの作品は1枚の少しだけ反射する素材を使っています。 そのためにオブジェクトの色を反射して、景色を映す水鏡のような効果があります。 とてもきれいですね。
万華鏡の面白さと美しさを楽しむことができる作品、いろいろなものを組み合わせることで、リズムを感じさせる映像展開・・・小嶌さん、喜多さんの作品は、飾っても覗いてもその魅力を楽しめると思います。