今日ご紹介するのは、松宮真理子さんの小ぶりな万華鏡です。 小ぶりでも細部にわたって個性が表れている素敵な作品です。 このブログを「秋の雅」というタイトルにしたのは、この作品でアクセントに使われているガラスが、5月の万華鏡世界大会での発表作品「雅」に使われたものと同じで、まさに雅な美しいガラスであるからです。
内部映像も色づく秋の気配を感じさせて、今の季節にぴったりだなあと感じました。これは私の勝手な解釈ですが、季節感やそれに通じる想いは、日本人ならではの共有される文化があるからこそ、いろいろ極められて奥深いものがあるように思います。落ち着いた色合いのガラスと、小さなオブジェクトセルに詰まった秋の色、輝きが手に取った人の心に届くだろうなと思わされた万華鏡です。
松宮さんの万華鏡はアシンメトリーなものも多いです。 この作品も筒、オブジェクトセル、アクセントのガラスのそれぞれがちょっと枠を外れている感じですが、そこがまた作家さんの個性だし、同じものはないだろうなあと思います。
オブジェクトは黄色、オレンジ、赤い、グリーンなどのガラスと金色の細かいビーズです。外から入ってくる光によってその表情が変わります。
長さ15㎝ほどの小さな筒の中に広がる大きな世界。 オブジェクトセルが固定されているので、筒全体を回します。
ガラスの柱とそれを囲むマンダラ映像という見え方、立体感を生み出す鏡のマジックの一つです。