
ひとつは原爆投下から10数年後の広島を舞台に
いつ原爆症が発病するかもしれない恐怖を抱えながら生きる
女性・平野皆実が
同僚の打越(吉沢悠)から愛を打ち明けられたときに
幸せの一方で被爆した心の傷が再び痛み出していく『タ凪の街』

もうひとつの時代は現代
ある日
皆実の弟顧旭が家族に内緒で東京から広島へと向い
娘の石川七波が彼の後をつけていくうちに
七波が自分の家族のルーツを見つめなおしていく『桜の国』
皆実の忘れられない被爆体験と
父の行動から伯母の残した思いを知っていく七波という二人の女性を通して
'家族愛、兄弟愛、男女の恋愛など様々な形の愛が映し出されてます

62年の月日を経ても、癒える事のない心がある
子々孫々まで見えない偏見と原爆の後遺
症に不安を抱いて生きて行かなきゃいけないは…
そういう人達がいる
「広島に原爆が落ちた」のではなく
「広島に原爆が落とされたんだよ。原爆を落とした人は
私達が死ぬのが嬉しいんだよ
死んでしまえと思ってる。なのに私は生きている」
「綺麗な花を見ても、あ~楽しいな~と思っても
誰かのお前の居る場所はそこじゃないって声が聞こえて
くる。だから幸せにはなれない…」

これは
被害妄想と軽く言えるものではないと思うんだ
皆実さんが26才で亡くなる時の心の声で
「あ~原爆を落とした人は私が死ぬの喜んでいるかしら…」
というシーンがありました
何とも辛く重い台詞でした



