パレード 36

小生の場合
大概
原作を読んでから映画を見るのだが
今回は逆でした

ですが

なかなか…

です

原作をほぼ
そのまま映画化しておりました

原作では
大河内琴美って
絶世とまでは言わないが
かなりの美人
その上
家事一般もそつなくこなす女性
貫地谷しほりさん…
確かに
綺麗だけど
原作に登場する
…貫地谷しほり琴ちゃん
ちょいと違ったかも

千歳烏山の一室に
共に住んでいるようで
実は
それぞれが
自分の部屋を持っているんじゃないか

そんなことを想像しながら
向側のビルから
自分達の部屋を眺める直樹

時に流され
周囲に流され
実体があるようでない
透明人間になったような自分
その現実に気づく瞬間…

怖い

あえて見ないようにして
生きているのに

フッ

と
我に返って
気づいてしまうになる瞬間

恐い

良介・琴ちゃん・未来・サトル・直輝
生身の人であるにも関らず
異世界の
‘ナニカ’に擬態されているような…

虚構と現実をゆらゆらと彷徨い
それぞれは
とても不安定な分子なのに
集まることによって
妙な安定性を生み出している

何だか解らない
‘安らぎ’‘安定感’‘居心地の良さ’
それが何なのか
一瞬
突き詰めようとするんだけど

そう思った突端
その気持までもが
ゆらゆらと
蜃気楼のように
陽炎のように
薄らいでいく

自分が気づかないうちに…

伊原直樹が語る最終章
これは
かなりリアル

知らず知らず
己の内なるモノが抑圧され
何に抑圧されているのかも解らず
気づきもしない
ただ
突然に
衝動的な行動となって
外界に向って暴走する

そして
それすらも
蜃気楼のように
陽炎のように
薄らいでいく

エンドレス…

恐い