時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

しあわせの隠れ場所 13

2010-03-09 | 映画
夫と子供たちと裕福に暮らすリー・アンは
真冬の夜
雨が降る中
Tシャツ姿であるく黒人少年ビック・マイクこと
マイケル・オーア
を見かける

学校の体育館で夜を過ごすと言うマイクに
一夜の寝床を提供すべく
自宅に連れ帰るアン
1階のソファーを仮のベッドとして与えたものの
何か盗まれないかと疑心暗鬼

だが翌日
ソファーにキチンと畳まれた
寝具類をみたアンは
自分の浅はかさを思い知る



感謝祭の日
思い思いのおかずを皿に載せ
テレビでフットボール観戦を始めた夫と子供達
そんな中
マイクだけは
ダイニングの椅子につき
食事を取っていた

テレビのスイッチを消したアンは
抗議をする家族を尻目に
ダイニングテーブルに料理を並べ
全員揃って感謝祭を過ごした

そして…

ビック・マイク
あなたは
これからどうしたいの
この家を出たいの
嫌なこととかないの?

ビック・マイクは嫌だ
僕の名前はマイケル


解ったわ!マイケル

こうして
マイケルの
リー一家の一員として
新たな生活が始まる



第82回アカデミー賞の発表の数日前
「しあわせの隠れ場所」
見てたんですσ(^^;)

高校で実施した職業適性検査で
‘保護本能’の数値が高い
マイケルの性質を知ったアンは
高校のアメフト部に
マイケルを入部させた

潜在能力開花…

マイケルは
生まれ持った体格と性格
身体能力で
全米の名立たる大学からスカウトがやってくる

リー一家は
ミシシッピー大学・アメフト部の大ファン
アンも夫・ショーンもミシシッピー卒
何としてもマイケルを
ミシシッピー大に入れたいと
孤軍奮闘
マイケルも
ミシシッピー卒の
スー夫人を専任家庭教師のもと
なんとか奨学金を受けれるまでになる

だが…



ミシシッピー大の監査担当者から
故意にマイケルを大学に入学させようとする
アン夫妻の邪まな思惑があるのでは?
事実
高校のアメフトコーチが
大学の専属コーチになったり
大学に多額の寄付金を夫妻がしていると云う
予想もしなかった出来事を聞かされたマイケルは
改めて自分に問う

自分は
何のためにあの家に居たのか
何のためにアメフトをやってきたのか
どうしてミシシッピー大に入るのかと…

一方
アンやショーンも
自分達の自己満足のために
マイケルを利用したのだろうか
マイケルにとって
何が一番大切なことは何なのか

黒人仲間の家で
騒動を起したマイケルは
アンの携帯に連絡を入れる

コインランドリーの入り口付近
道端に座り込んだ二人は
それぞれの思いを語りだす

そして…



2009年に
ボルチモア・イレブンスに入団した
マイケル・オアー選手の実話に基づいた
ノンフィクション小説を映画化だそうです

マイケルの生きる姿勢を通して
リー一家の生き方にも変化が見られる

正に
人の振りして我が不利振り直せ

偽善映画だなぁ~
と思いつつ
単なる‘慈善’と
一言で片付けるもんでもなし
誰でも出来るもんじゃありません
勿論
十分な経済力があったんでしょうが
真の意味での‘救済’とは何なのか
それを教えてくれる
気づかせてくれる作品であると思います

冒頭
マイケルを高校に入学させようと翻弄する
自動車修理工場のおじさんが登場しますが
彼は
アン以上に人間出来てます
残念ながら話のメインは
アン一家とマイケルなので
多くは語られておりません

また
マイケルの実の母親その後
黒人街にいた仲間たちとの関係も
あまり触れていないのが
ちょっと残念



マイケルが
悪劣な環境で育ちながらも
まっすぐな心を失わなかったこと
リー一家と出会えたこと
これは
本当にラッキーだったと思います

それは
黒人街の仲間達のその後を知れば
一目瞭然

少しでも多くのチャンスとキッカケが
必要なんだと言うことを
改めて思いました

アンを演じた
サンドラ・ブロックが演じたアンは
‘肝っ玉かあさん’みたいでした
それに
リー一家の面々は
何だかとても良い人たちでした

見終わって
気持ちが穏かになる作品でした

サンドラ・ブロック
チャーミングな方ですね~