ある寒い夜
時刻は午後9時になろうかという頃
日本橋で安田巡査が見たのは
ひどく酔った男だった
しばらくすると
男は
日本橋の中程
二体の麒麟像が置かれた装飾柱の台座あたりにもたれかかり
そのまま動かなくなった
寝てしまったようだ
安田は
舌打ちし
男に近づいていった
そして安田が
男の胸を捉えた
そこには
ナイフが突き刺さっていた
同日
午後11時10分頃
日本橋人形町にある
浜町緑公園で
不審な男が潜んでいるのを
緊急配備で付近をパトロール中の警官が発見
声をかけ
職務質問をしようとしたところ
男が逃走
新大橋通りを横断しようとして
通りかかったトラックに接触
跳ね飛ばされた勢いで頭部を強打
昏睡状態のまま病院に搬送された
男の名は
八島冬樹26歳
彼が所持していた財布
浜町緑道で見つかった書類鞄が
被害者・青柳武明の所持品と判明する
八島冬樹による
青柳武明殺害の線が有力視される中
日本橋署・警部補・加賀恭一郎が
この真相に挑む!
小生の中では
加賀恭一郎と言えば阿部寛
阿部寛と言えば加賀恭一郎
と言っても
過言ではない程
強烈なインパクトを残した「新参者」
ピッタリのハマリ役でした
そして
小説→ドラマ化→映画化のパターン
例に漏れることなく…
作家が文字で描いた世界を
読み手である読者が
更に個々の想像力をプラスさせ
より深みのある世界観を築くわけです
そこが
小説の良いところ!
なので
その世界観を表現しきれないと
凹むわけです
実写化と言うのは
なかなか難しい
ですが
良作品で
しかも
演じる役者も
見ごたえある方々であれば
それも宜しいのではと思う次第であります
この「麒麟の翼」
東野圭吾定番
絡み合った様々な伏線が
加賀恭一郎によって
少しずつ紐解かれて参ります
殺害された青柳武明が
何故
日本橋の麒麟像生き絶えたのか
父親として
人としての行き方を
あんな形で残したとは…
その事実を知った時の
息子・悠人の心中は
凄まじく揺れ動き悔恨の念に駆られた事でしょう
事件とは
一見
関係なさそうな恭一郎の父・隆正の
三回忌法要を巡って
看護師をしていた金森登紀子に
やり込められるエピソードあるのですが
何気に
青柳親子の関係と
リンクするところがあったりします
映画公開
楽しみにしております