時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

日輪の遺産 27

2011-09-21 | 読書
1992年12月
メジロパーマーが逃げ切り勝ちで
大穴を開けた有馬記念を府中競馬場で
奇妙な老人とともに観戦した地上げ屋の丹羽は
不思議な縁により
老人から一冊の古い手帳を託されることになった

その手帳に書き留められていた内容は
驚くべきものであった
府中競馬場から多摩川を隔てて見える山林に
莫大な財宝が隠されているというのだ

老人の死を知って現れた
地元の大地主の金原は
何かを知っているようだが…

丹羽は
同じく老人から秘密を託された
福祉活動家の海老沢と共に
旧日本軍とマッカーサー将軍が
終戦前後に
壮絶な奪い合いを演じた財宝の恐るべき秘密に迫っていく


映画化された日輪の遺産(2011-09-02)の原作
読み終えました

映画では描かれる事のなかった
真柴司郎の最期が判明

映画で
余りにも軽く陳腐
いらないな~と思っていた
余りにも下手くそな演技だった
かつて
マッカーサーの通訳として
登場したイガラシ(元在日アメリカ軍司令)と
日系新聞記者・ニシオカの
インタビューシーン(現代)は
原作にはございませんでした


浅田次郎氏の作品に
あんなチンケなシーンが
ある訳がない!

そして
タイトルである‘日輪’
その意図する所が
遅ればせながら小生なりに理解出来ました

この作品は
21世紀をリアルに生きている
我々日本人にとって
必要な‘日輪の遺産’が何なのか
問われている気がしました