あんまり使う気がしなかったデカ板の良いところを少しはつかんでおきたいなぁ・・・と4~5mの風で1時間10kmほど走った。幅広・薄めでノーロッカーのこの板は、やはり平水向きで、ちょっと波が立つとスプレー激しくなり、簡単にキャビテーションを起こしたりしてコントロールに難儀する。

今日くらいのコンディションだとちょうど良い感じで、ちょっとしたジャンプができなくもない。体重だけでロッカー量が変化するから、特に板をスイッチする時は体重移動に気をつけた方が良いなぁ・・・などと思いながら、外海の端から端まで何往復か楽しんだ。
潮の引いた「水たまり」では、今日も多くの水鳥が食餌(しょくじ)を楽しんでいる。ほんのり静かな午後だった。
煙草の味が戻ってきた。「その日の体調は朝一服のタバコの味で分かる」という愛煙家の通説はどうやら本当のようだ。私の場合、朝食後のパイプ煙草の数呼吸で、自分の体調が本来のものか否かが大体分かる。
健康のバロメーターが、「百害あって一利なし」などと遠い昔デート中の彼女に言わしめ、近頃日増しに風当たりの強い煙草だなんて、なんと逆説的な事実だろう・・・と笑いたくなるが、私はタバコに一利もないとはツユほども思っていない。
ある日、マーク・トウェインを読んでいたら、”To cease smoking is the easiest thing I ever did. I ought to know because I've done it a thousand times.” 「タバコを止めるなんてこれまで私がしたことで最も簡単なことだ。そんなこと充分わかってるはずだ、1000回も止めたんだから」・・・という一文に当たって腹を抱えそうになったことがある。
私も過去何度か止めたことがあって、20年ほど前の最後の禁煙は半年間も続いた。しかし、空関係の大会で立山連山に1週間キャンプ生活をすることになった時、雨続きの退屈さに負けて「ちょっとだけ一服^^;」・・・これでもとの木阿弥。同じものに手を出すのはあんまりシャクなものだから、紙巻からパイプに切り替えることにした。紙巻と違ってパイプ煙草には幾つもの「利点」があるので、気が向いた時にまた触れる。
なんでこんなことを書くことになったか・・・この数日の静かな「もの読み」でバートランド・ラッセルに浸っていたら、なんと彼も相当なパイプスモーカーであることを知ったからだ。日本屈指のラッセル研究家である三浦先生のHPで見つけた、これも思わずニンマリしてしまったラッセルのインタビュー動画。70年以上もパイプ煙草を愛し97歳まで活動した彼は、煙草から一利を得るどころか生命を救われているのである^^。この敬愛すべき巨人については、これからここにも時々登場することになるだろう。