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オプジーボ半額

2017年02月01日 | 時事
来月から「オプジーボ」薬価半額に 製薬業界は反発「新薬開発の意欲がそがれる」
というわけで、今日から安くなった模様です。

このオプジーボはいわゆる抗がん剤なのですがその仕組みが全く違って、がん細胞を直接殺すのではなく、体内の免疫細胞をがん細胞から守る働きをしているそうです。つまり自己免疫機能でがん細胞と戦えるようにする、言わば漢方薬のような発想なのですね。当然ながらこれまでになかった画期的な薬であり、一部ではもうノーベル賞待ったなしという声もあるようです。
がんという病気は細胞の異常であり、実は毎日体の中で生まれているのですが、免疫によって大抵は大きくなる前に消滅してしまっているようです。ストレスや外的要因、高齢化などでこの免疫細胞の動きが弱くなると増殖を抑えきれなくなり、いわゆるがんの症状が出始めてしまいます。転移する前ならその部分を切り取ってしまう手術はできますが、体中に回ってしまうくらい末期になると、もう抗がん剤くらいしか方法がないのが現状です。しかし直接殺す薬は正常な細胞まで傷つけてしまい、副作用も強く思うように効かない人も多いのが難点。何より困るのが、がん細胞自身がこの免疫細胞の働きを弱くさせてしまうようなので、治りきらないということです。増殖を抑える、増殖を遅くするという効果しか期待できず、副作用やがん自身の痛み、段々弱っていく体に耐えないといけません。

で、この薬は免疫細胞を弱くする働きを抑える効果があるらしく、体内の免疫細胞が正常に働くようになり、従来よりもがんを抑制どころか消滅させる割合まで格段に増えたのだとか。そんな画期的な薬ですけど、何と価格が1回100万円以上するようです。年間にすると1人当たり約3500万円。それが今日から半額になるということのようです。まあ高額の薬は当然健康保険がありますから、患者の実費負担では元々73万円だったのが69万円と、僅か4万円ほど安くなるだけのようです。つまり健康保険側の負担を減らすのが主目的なのですね。ただし、薬の価格は基本的に2年に1回見直されるのですけど、そのサイクルを逸脱して急に安くさせられたので、製薬会社にしてみれば利益見込みが大幅にへってしまったということです。

個人的には、これはエコカー減税と同じで、安くすることで市場に出回る量を大量に増やし、臨床研究を一気に進める効果の方がでかいのではないかと思っています。調べてみると、まだ重症患者にしか治験が進んでおらず、どの段階でどれくらいの期間投与すればいいのかも正確には分かっていない段階なのだとか。重症者に効くのなら、それこそ手術で治るレベルの患者にも使えば手術の必要すらなくなるかもしれませんし、それこそ「心配だから飲んでおくかー」レベルの使用法も考えられます。それには余りにも高額だと中々手が出せませんし、そのうち他の企業にさらに効果的な薬を開発されてしまうかもしれません。薬も商売なので、頭痛といえばバファリン、半分は優しさ(胃薬)というような(笑)メジャー化させる目的で、多少損でも大量に使用実績を作ることにメリットがあると思います。

うちも祖父ががんで亡くなっていますが、最後は本当に起き上がることすらできなくなっていました。自分も最近謎の腹痛とだるさが続いていたので医者に診てもらい、幸い違ったようでしたがその間色々調べたので詳しくなり(笑)いつなってもおかしくない身近な病気なのだと感じるようになりました。その時にはさらに医療が進んでいてほしいので、このオプジーボもどんどん市場に出周り研究が進んでいくことを期待したいと思います。

ところで、教員はがん検診とか人間ドックが40歳にならないと始まらないのですが、それで本当に大丈夫なのかなあ。