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算数の力

2012年08月09日 | 時事
観察・実験の分析苦手=初の理科、小中で課題―順位は固定化傾向・学力テスト
データが上がっていたので、とりあえず岐阜の順位を調べてみました。

結果は、算数Aが36位、算数Bが24位でした。2年前も確かA問題は悪かったので、岐阜県の算数科の課題は「基礎・基本問題」にあると言えるでしょう。算数教育に携わる者として、この結果は承服し兼ねるものがありますが、原因も何となく分かる気がします。

一般的に算数で評価する窓は「関心・意欲・態度」を除けば3つあります。「数学的な考え方」「技能」「知識・理解」です。岐阜県では、昔からこの中の1つ、「考え方」に重きを置く課題解決型学習と言うものを進めています。1つの問題に対して「計算の仕方を考えよう」という課題の下、自分の考えをもち、交流してまとめるやり方です。計算原理を追究し「分かる」ことで「できる」ようにしようという発想です。しかし、この授業スタイルの欠点は、1問に重きを置き過ぎる結果、まとめに至るかどうかの時点で授業時間がほとんど残らず、練習問題までしっかりやりきれないことが多くなる点にあります。「できる」に重きを置くなら、「この問題はこうやってやるんだよ。」と知識を教えて、ひたすら類題を練習させる習得型学習の方が、A問題の点数は高くなるかもしれません。現にこの学力調査の結果を踏まえて、そういう授業が岐阜でも少しずつ増えてきている印象はあります。

ただ、自分はこの「考える授業」は、即効薬にはならなくとも、長期的に見れば非常に有効なのではないかと思っています。「何か分からないけどこうすればできる」程度の理解では、所詮本当の力にはなりません。その時はできていてもすぐに忘れてしまい、「分数のできない大学生」に成り下がってしまうのではないかと思うのです。そうでなく、「なぜこうなるのか」「他の方法でもできないか」「考え方の共通点は何か」と考えていくことが、日本人に苦手とされる応用力を育てていくことになるのではないでしょうか。ちなみに中学では、数学A6位、数学B5位と、毎回岐阜は信じられないくらい上位にいます。中学からは専科なので、岐阜の数学教師が優秀であるという見方もできますが、このように小学校で「考え方」に重きを置いて繰り返し学習をしてきた結果が中学校で開花しているのではないかと捉えています。要は義務教育レベルの基礎基本と応用力を15歳までに兼ね揃えていれば良いわけで、16歳が対象のPISAの調査でも善戦できるのではと思います。

4年後の日数教全国大会では、そうした岐阜県の算数数学の良さがアピールされることでしょう・・・だといいなあ(笑)

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