(株)カプロラクタム-blog

果たしてココは何処なのだろうか・・・
否!ココは(株)カプロラクタム代表取締役兼社員αのweblogである!

井山五冠に後退

2018年11月02日 | 時事
張栩九段がタイトル奪取、井山名人「今の実力」
うーん、今年は調子悪いのですかねえ・・・

ついこの間も碁聖戦を落として六冠に後退しましたが、その時の相手の許八段は井山より9つ年下で若手のナンバー1,2を争う人物ですし、新しい波に押されたのかなと思っていました。しかし今回の相手の張栩九段は今から10年ほど前に全盛期を迎え、一時は五冠王だったこともある実力者ですが、当の井山に次々とタイトルを奪われ、それこそ大スランプに陥ってしまった、失礼を承知で言えば「終わった棋士」だと思っていました。いわゆる平成四天王と呼ばれた井山より10ほど上の世代の1人ですし、それでもこうして挑戦手合いに出てくること自体が凄いことですけど、流石にタイトル奪取までは難しいのでは・・・という下馬評を見事覆しての名人位再獲得。本当に見事な返り咲きでしたね。

AIの台頭で、プロ棋士の間でも棋譜をAIで解析し学ぶ手法が主流になっており、若手であろうが古参であろうがトップ棋士であろうが「学べる土台」がイーブンになっているのが現在の囲碁界なわけです。とは言え当然頭の柔らかい若い世代の方に有利に働くと思っていたのですけど、ネット碁界では古株も積極的にAIと打って研究しているようですし、囲碁界全体によい刺激としてAIが受け入れられている様子が感じられますね。まだまだ今後「え?この人が挑戦者?」という人の返り咲きの可能性もあるのかもしれません。まあファンとしては若手に頑張って欲しいのですが(笑)

ところで、井山五冠自身にもスランプが訪れているのかと言うと、どうやら対局日程の過密化による疲れが影響している感じのようです。日本のトップ棋士は、昔から日本国内の対局で十分稼げてしまうので(笑)スケジュール調整などの関係でこれまで中々海外の棋戦(世界戦)に参加ができない事情がありました。しかし、井山さんが7冠を取ってから、挑戦手合いに駆け上がる時間が削減されたためにやはり世界の棋士と対局すべきという声が上がり、少しずつ参加できるように棋戦の時期をずらすなどの調整を進めてきていたようなのです。たった1人が独占する状況なら、その人を中心にスケジュールを組めば国内はまあ融通がききますからね。ただ、その結果タイトル戦同時の間隔が過密になってしまっている副作用がある模様です。今回やっていた名人戦も東京愛知鹿児島兵庫山梨静岡で行われ、2日制ということは前日に壮行会や記念行事等もあるので、3日強は拘束されるわけで、ただでさえハードなのに実は他の棋戦も平行して行われており、静岡入りする2日前には北海道で天元戦を打っていたのです。しかもその対局も300手を超える熱戦で結果は半目負け・・・十分頭を切り替える余裕もなかったのでしょうね。この後続く天元戦も1勝1敗ですし、王座戦は0勝1敗と苦しい立ち上がり。どちらも1日制の5番勝負なので、次の1敗でカド番になってしまいます。名誉称号のためにも、せめてこの2つは堅守してもらいたいのですが、天元戦の山下九段は上記に挙げた平成四天王の1人(あとは高尾九段と羽根九段)ですし、王座戦の一力八段は若手トップと、楽な相手ではありません。まあ相手が強いのは当たり前なのですが(笑)できれば連続5期保持で達成できる棋戦(天元・王座・十段いずれもあと2期)は早めに名誉称号資格を得て欲しいのですよねー。

名人戦はそもそも高尾九段に一度敗れているので、これで現時点で通算6期のまま、あと4期獲得することが最短となりました。やはり名誉(永世)七冠は勢いだけではムリなのか・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿