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数字当てゲームの考察 その1

2015年12月28日 | 重禾
5年前にやったネタですが、今年再び教室で流行らせたので(笑)マジメに考察してみようと思います。
先に断っておきますが、この更新では答えは出ていませんし、今後出る保証もありません(笑)

ちなみにルールは以下の通りです。
①親が0~9の中から4桁の数字を予め決める。(同じ数字はなし、千の位0もあり)
②子がその数字を予想して当てる。
③親は、数字があっていればヒット、数字と場所があっていればペアと言う。
④10回目までに4ペアにできれば子の勝ち。


最初は15回ぐらいかかっていた子ども達も、慣れてきたのか結構早く当てられるようになってきました。10種類の中から順列組み合わせて4桁ですから、これ無作為にやると最悪5040手もかかるのですよね(笑)しかし、1回1回ヒントを吟味にしていくことで、体感で10手ぐらいなら5分5分の勝率になるようです。運が良いと5040分の1の確率で1手で4ペア揃い終了となるわけですが、もし運が最悪の場合でも、ちゃんと考えて最善を尽くしたら理論上何手までで終了できるか、その上限はおそらく存在するはずです。この場合の上限とは、期待値ではなく「最も答えにくい評価を与えられ続けた場合に最善を尽くした最短手」なので、ひょっとしたら10手よりも相当かかってしまうのかもしれません。

例えば正解が0123の時、子が1230と言ったとします。
これは4ヒットとなり、1手目としては最上位級のラッキーな現象です。
しかし、場所の手がかりが「今の場所ではない」という情報しかないので、場所を確定させるのにはどうしてもあと3つの場所を1つずつ試す必要があり、初手も合わせて上限は4手と言うことになります。期待値で言うと平均3手で当たりますが、いくら理詰めでやっても運が悪いと4手かかる場合は、やはり上限は4手だと言わざるを得ません。ちなみに1手目4ヒットが起きる確率は千に一つ程度ですから、そんなラッキーが起きても4手はかかってしまうわけです。このゲームを4手で終了できた場合は「よく考えたね」と褒めるより宝くじを買いに行くことをお勧めするでしょう(笑)ましてや初手が「1ヒット」だとしたら、その後かなり苦戦を強いられることは経験上誰もが思うところですね。もしかしたら最悪で15手くらいかかってしまうのかもしれません。5040通りの数を15回も選ぶ作業の検証なんて、コンピューターでも使わない限り無理ですね(笑)まあ、上限が4手だと確認できたので、もし1手目に4ヒットが出たのに5手もかかるのは「あなたは最善を尽くしていない」と断言できるわけですけど。
そこで、何か良い方法はないか、この冬休みに少しずつ最短手数を考えてみることにしました。
まずはゲーム性を整理してみることにします。

<ゲーム性の理解>
・選ばれる数の種類・・・10通り(0123456789)
・正解の数の桁・・・4桁
・同じ数字は使わない。千の位が0もアリ。
・1手目の順列組み合わせ・・・10P4(パーミテーション10の4)=5040通り
・1手ごとに選んだ4桁の数に対して、数字と場所が合えば1ペア、場所は違うが数字が使用されていれば1ヒットとし、「1ペア1ヒット」などの評価が与えられる。(言い方は一様でなく、地域によってイート、バイトなどと表現することもあるが評価の意味は同じ)
・最終的に、最短で4ペアを目指すゲームである。
・この場合の最短とは「運が最悪を辿った場合、最善を尽くした手数の上限」である。
・無作為に行くと5040手かかるが、これは上限ではない。
・与えられた評価を参考にし、次の手に最善を尽くすことが重要であると考える。
・例えば1手目で4ヒットなら、2手目以降に他の数字を試す必要はなく、上限は4手である。ただしこれはかなりラッキーで、早い部類だと考えられる。
・0を使わない9種類、3桁の場合でも初手504通りもあり、検証が難しい。
・半分の5種類、2桁なら初手20通りなのでいけるかも?
・とりあえず、もっと極端に減らして法則をつかむことを優先する。

<例1>
2種類(01)、正解2桁、「01」の場合(ゲーム性が存在する最もシンプルな条件での検証)
◎1手目の組み合わせは、01か10の2通りしかない。
(1)運が良く1手目01ならば2ペアとなり、1手で終了。
(2)運が悪く1手目10ならば2ヒットとなり、次の2手目で01が導ける。
即ち、組み合わせが2通りの場合の上限は2手である。

<例2>
3種類(012)、正解2桁、「01」の場合(総当りで検証)
◎1手目の組み合わせは、01 10 02 21 12 20 の6通り 
(1)1手目01ならば2ペアとなり、1手で終了。
(2)1手目10ならば2ヒットとなり、2は使用しないことが分かり、次の2手目で01が導ける。
(3)1手目02ならば1ペアとなり、残った1の使用が確定する。
 また0か2のどちらかの場所は確定しているので、2手目は01か12の2通りとなる。
 即ち、3手かかる。※<例1>より
(4)1手目21ならば1ペアとなり、残った0の使用が確定する。
 また2か1のどちらかの場所は確定しているので、2手目は01か20の2通りとなる。
 即ち、3手かかる。
(5)1手目12ならば1ヒットとなり、その瞬間0の使用が確定する。
 また1か2のどちらかが逆なので、2手目は01か20の2通り。
 即ち、3手かかる。
(6)1手目20ならば1ヒットとなり、その瞬間1の使用が確定する。
 また2か0のどちらかが逆なので、2手目は01か10の2通り。
 即ち、3手かかる。
 よって、上限は3手である。


1手目はどうしても無作為に行くしかありませんが、その結果を踏まえて2手目からは任意に数字を選ぶことで、どんな場合でも少なくとも3手で終われる事が分かりました。
しかも、1手目の結果が同じ評価の場合、2手目は数字が違うだけでその考え方は全く一緒であることも分かりました。
これは、数をA、B、Cとし、正解の1桁目をM、2桁目をNとした場合、例えばM=A(1ペア評価)ならばM≠B、Cなので、BもCも差がないためだと考えられます。
そこで、次はもう1種類だけ増やし、評価ごとに場合分けして考えることにします。

<例3>
4種類(0123)、正解2桁、「01」の場合(評価ごとの場合分けで検証)
◎1手目の組み合わせ・・・12通り
01 2ペア(1手で終了)
10 2ヒット・・・(1)で検証
23  なし・・・(2)で検証
32  なし
02 1ペア・・・(3)で検証 
03 1ペア
21 1ペア
31 1ペア
12 1ヒット・・・(4)で検証
13 1ヒット
20 1ヒット
30 1ヒット
(1)2ヒットの場合
 並び方が違うだけなので、2手目で2ペアが確定する。即ち2手。
(2)なしの場合
 その瞬間残った2数字の使用が確定するが場所が不明なので、2手目は01か10の2通りとなり、3手。
(3)1ペアの場合・・・1手目は「02」とし、評価1ペアを踏まえての2手目は次の11通り
01 2ペア(2手で終了)
10 2ヒット・・・正解の逆並びだと分かるので、次の3手目で01が導ける。
03 1ペア・・・0の場所が確定する。何故なら、1手目の1ペアが2の方だった場合0は使わないことになり、03も1ペアの結果に矛盾する。同時に2と3は使わないことが分かるので、次の3手目で01が導ける。
21 1ペア・・・同様に考えて1の場所が確定し、3手
31 1ペア・・・同じ1ペアでも、今度は02、13のそれぞれどちらの場所を使用するか分からないので、4手。
23  なし・・・0と1の使用が確定する。同時に0の場所も確定するので、次の3手目で01が導ける。
32  なし・・・同様に考えて3手
12 1ヒット・・・0の場所が確定する。また1の使用も確定するので、次の3手目で01が導ける。
13 1ヒット・・・0の場所が確定する。しかし1と3のどちらを使用するか分からないので、4手。
20 1ヒット・・・結局0か2のどちらが使われているか分からないので、3手目は他の数字で試すしかない。例えば21なら4手、31なら5手となり、明らかに手が遅くなる。
30 1ヒット・・・0の場所が正しいと仮定すると2、3は使わないことになるので01しかない。2の場所が正しいと仮定すると0は使わないことになり、2と3が1桁目に来てしまい矛盾。よって3手。


・・・ここまでやって、そろそろ心が折れてきました(笑)
1手目で1ペアだった数字はあと3つありますが、それぞれに対して2手目の11通りをぶつけていくのは大変すぎます。そもそも、1手目02の時点で1ペアが確定しているのに、それを無視して2手目に20を選ぶ手は明らかに最善から遠ざかっていますよね。また、1手目に使わなかった2数(13、31)を2手目に選ぶ場合は4手かかり、これも全体で見ると1手マイナスとなっています。これらは囲碁・将棋で言う悪手ということになりますね。
 以上から、2手目は無作為でなく、最善の手を任意で選ぶ必要があることが分かります。
 まとめると、1手目に1場所が確定した場合は、そのどちらかの数を2手目に組み込むことで、最短3手で分かると言えるでしょう。遭えて遠回りする必要はないのですから。
というわけで、残りの03、21、31の場合も、同様に考えれば全て3手以内であると考えられ、「1手目1ペアだった場合の上限は3手」だといえるでしょう。

(4)1ヒットの場合・・・1手目を「12」とし、評価1ヒットを踏まえての2手目は次の11通り
しかし、(3)の結果を踏まえ、いくつかの候補は手数が確定できる。
01 2ペア(2手で終了)
10 2ヒット(3手)
23  なし(3手)
32  なし(3手)
02 1ペア(3手)
31 1ペア(3手)
そして、次の3つの候補は手を遅らせることが確定なので、選ばないことで対処する。
03 1ペア(4手)・・・初手で選ばなかった2数字は使用しない
30 1ヒット(4手)・・・初手で選ばなかった2数字は使用しない
21 1ペア(6手)・・・初手を並び替えただけの2数字は使用しない
そこで、残った2つについて検証する。
13 1ヒット・・・初手1の数字を正しいと仮定すると、1の場所が決まり3と2は使わないことになるので01しかない。初手2の数字を正しいと仮定すると、1は使わないことになり、2と3が2桁目に来てしまい矛盾。2手目3の数字を正しいと仮定すると、同様に矛盾。よって3手。
20 1ヒット・・・2は使用しないことが分かるので、01が確定する。よって3手。
以上から、最短3手であると言える。


13、20、30の場合も、同様に考えれば3手であると言えるでしょう。
まとめると、1手目の結果を踏まえて明らかに手が遅くなる組み合わせを避けることで、この条件下での上限は3手であると言えます。手が遅くなる組み合わせとは以下の2つ。
・2手目に初手を並び替えただけの手
・2手目に初手で選ばなかった2数字を使った手

これら2つの悪手に共通する要素は、いずれも「2手目に正解の可能性が0の手」であると言えます。
ちなみに、この「悪手の法則」を無視し、例えば以下のような最悪を辿ると6手となってしまいます。
20(1ヒット)→02(1ペア)→13(1ヒット)→31(1ペア)→32(なし)→01(2ペア)
それでも無作為に選ぶ場合の最悪の12手よりは早いですけど、こんな答え方をしていた子どもがいたら、流石に遠回りだろうと言わざるを得ません。まあ、数の種類や桁が増えると悪手だとはまだ断定できないので、一応現段階では「悪手の仮説」としておきますが、やはりゲームですから2手目も「当てに行く」姿勢が大切なのは直感的にも正しいのではないかと思います。
また、<例2>から数字の種類を1つ増やしたので上限は4手に増えるのかと思っていましたが、いつでも3手以内で答えられると分かったのは予想外でした。上限は種類に比例しているわけではなさそうです。残念・・・

次はもう少し種類増やすか、そろそろ桁を増やすか・・・どちらも大変そうだ(笑)
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