たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

ヴェニスの商人と ジョニデ2本

2006年07月26日 19時30分33秒 | 観る
私よりも ずぅ~~っと ずぅ~~っと以前から ジョニデに嵌っている そのさんに敬意を払いつつ、邁進しております ジョニデ祭 です。

『ドンファン(1995)』(VHS 7/20)
原題:Don Juan DeMarco(1995)
制作国:アメリカ(1995年)
監督:ジェレミー・レヴィン
出演:マーロン・ブランド、
   ジョニー・デップ
   フェイ・ダナウェイ、
   ジェラルディン・ペラス、
   ボブ・ディシー 他

伝説の伊達男ドンファンの物語...と思いきや、現代のニューヨークでのお話し。。。
引退を間近に控えた優秀な精神科医ジャック(マーロン・ブランド)の元に現れた自殺願望の青年...自称「ドンファン・デマルコ 愛の貴公子」。おやおや...!

自称...というと 自称異星人と精神科医の物語、ケビン・スペイシー主演の『光の旅人 K-PAX』を思い出すのですが...あちらは 終盤ダダダッと雰囲気が変わっちゃって、主人公の過去が けっこう複雑だったりなんかして、「本当に宇宙人であります様に...」なんていう私の願いは もろくも崩れ去ってしまったのでした。がっかり...。

一方『ドンファン(1995)』(DVDのタイトルは『ドンファン』)の場合は、この映画が Don Juan の物語でない以上 ジョニデが虚言癖なのは分かり切っているので、変な期待を持たされることはありません。『光の旅人...』と大きく異なるのは、このドンファンを語る男が 精神科医ジャックに多大な影響を与えるということなのです。ドンファンの語る身の上話は、社会生活の上では リタイヤ間近の喪失感に襲われ、家庭生活では 妻との仲も年齢なりの落ち着き方をしていたジャックにとって 胸躍る物語であり、ある意味 人生に於ける「真実」でもあったのです。

なかなか面白い構成の作品です。
ドンファンの語る「愛の世界」に、おいでませ♪


そして、フェイ・ダナウェイ繋がり...?
『アリゾナ・ドリーム』(VHS 7/25)
原題:ARIZONA DREAM
制作国:フランス(1992年)
監督:エミール・クストリッツァ
出演:ジョニー・デップ
   ジェリー・ルイス 、
   フェイ・ダナウェイ、
   リリ・テイラー 、
   ヴィンセント・ギャロ、
   ポーリーナ・ポリスコワ 他

勝手に ロードムービーと思い込んでいました。それに、英語の作品だったので 途中までフランス映画だということを忘れていました。おまけに“第43回ベルリン国際映画祭”で、銀熊賞受賞ということですから かなり玄人好みの作品です。夢や空想のシーンと現実が 折り混ざった映像は、時にアリゾナの埃っぽく乾いた空気の中で 青年アクセルの心の揺れを描きつつ、時に幻想的...総じて シュールな作品に仕上がっています。ちょっと 小栗康平作品を彷彿とします。

ジョニー・デップは これまた見事に 迷える青年を演じていますが、作品中の出来事を あまり一つひとつ深読みする様な見方は しない方がいいと思います。全体として 雰囲気を感じ取る様な見方がお薦め。それから、コンディションを整えて観ましょう。ちょっと まったりとした雰囲気なので、観始めてすぐ意識が遠のき掛けた私は 10分程の仮眠を取って出直しました。

そういえば、作品中 象徴的にオヒョウ(ヒラメ科ヒラメ目)が出てきて 空中を泳いでいたりしますが、あの魚...あの泳ぎ方でいいのかな...???
アクセルの従兄弟(ヴィンセント・ギャロ)のセリフに‘ジョニー・デップ’が出てくるという遊びあり。


賢すぎる妻ってのも大変だなもし
『ヴェニスの商人』(DVD 7/26)
原題 : The Merchant of Venice
制作国:アメリカ、イタリア、
   ルクセンブルグ、イギリス(2004年)
監督/脚本:マイケル・ラドフォード
出演:アル・パチーノ(Shylock)
   ジェレミー・アイアンズ(Antonio)
   ジョセフ・ファインズ(Bassanio)
   リン・コリンズ (Portia)
   ズレイカ・ロビンソン(Jessica)

よく知っているはずの『ヴェニスの商人』ですが、この映画の価値は シェイクスピアとその時代背景に 実に忠実に描いているというところにあるのではないでしょうか。これまで、どうしても「悪徳高利貸し」というところにおいて「悪者」扱いされていたシャイロックですが、この映画を観ていると 如何にユダヤ人が理不尽な扱いを受けていたか、その中でどう凌いでいたかということを 肌で感じることが出来ます。そして、未だになくならない差別があるとしたら(ユダヤ人以外でも)それが どれだけ謂われのない不当なものであるかということを 思い抱かずにいられません。改宗までさせられちゃうシャイロック...かわいそ...。ラストシーンで、シャイロックの娘ジェシカが 実は母親の形見の指輪を手放してはいなかったことが分かるのですが、あの指輪を持っていつかシャイロックに会いに行ってあげて欲しいな...と 思うのです。

そして、アントーニオの救いの神 ポーシャですが、彼女の様な賢明な女性は 夫となる男性にとって素晴らしい財産であると共に脅威の存在となることでしょうね。彼女は、シャイロックをギャフンと叩きのめしたのはもちろんのこと、同時に まだベッドも共にしていない夫の頭までもおさえつけてしまったわけです。そして、あの有名な名裁きでは じらしてじらしてじらし抜いたことによって アントーニオさえも一生の恩を着せられちゃったわけなんです。凄いよねぇ~~~☆ でもまぁ、わたしらですね...お互い少しスキがあるくらいじゃないといけないなぁ...なんて 改めて思った次第です。ついつい、ギャフンと言わせたくなっちゃいますけどね

誰が主役...? って感じの登場人物の使い方は、シェイクスピアの特徴だったりするわけで...そこが ちょっと分かりづらかったりするかも知れませんが、舞台で入れ替わり立ち替わりすると これがまた面白いのです。因みに、『恋に落ちたシェイクスピア』で、シェイクスピアを演っていたのが、バッサーニオ役のジョセフ・ファインズだっていうんだけど...そうなんだ...。私は、シェイクスピアの方が好っき ゃ けどね...。

それにしても、アル・パチーノの迫害されっぷりは なかなかのものです。表情がなんとも言えません。
次は、アル・パチーノ繋がりで『フェイク』を観たいと思っています。
‘マフィアもの’で ついに我が家の殿を ジョニデ・ワールドに誘うことが出来るや否や...!??
コメント (9)
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