政権交代から1年が過ぎました。民主党政権に失望している人は多いでしょう。民主党は分裂して、出直した方がいいと思います。
甘チャン
民主党連立政権の新大臣や副大臣たちは昨年末の通常国会で、野党の質問に対して「自公政権の失政のツケだ」、「アナタに言われたくはない」と連発しました。居直りです。
昨年9月に政権交代したのですから、12月ごろの問題は自公政権時代の政治のツケだというのは正しい。けれども「それを正す」という旗印で政権を取ったのですから、「ツケ」とか、「言われたくない」とかの口上は卑怯です。私はこのありさまを見て、民主党の大臣たちの人間性を信頼できないと思いました。
政治家には力強さが求められます。口ばかり達者で、アンタが悪いとばかり言い募る甘チャン揃いでは頼りにできません。
身勝手で口先勝負
2007年参院選で、民主党は夢のようなマニフェスト(政策)を掲げて大勝しました。当時の与党が、財源批判をしました。政策には実現のための根拠が必要です。利害や意見の対立と、良い政策のためには常に不足している財源と、これらを調整し妥協させて政策が実現できます。100%の実現はあり得ないでしょう。しかし、野党時代の民主党は実行可能性への批判を一蹴して、「でき得る」として国民に約束しました。この一年の民主党政治を見れば、それらが詐欺的な約束だったことは明らかです。
野党時代の民主党は、政府を追いつめるためには日銀総裁を空席にすることを厭いませんでした。ガソリン税を短日月の間、失効せしめました。すぐに復活するのがわかっていながら、無用な混乱を引き起こしました。力を見せつけるためです。政権与党になった後の国会運営においても、前例のない独断・強行を連発して身勝手な強引さを見せました。
政権を取るために掲げた公務員改革は、実質的なところで何も進んでいません。みんなの党が批判をくりかえしている通りです。年金も保険も、政権交代1年になっても、手をつける気配がありません。ガソリン税はパーになりました。高速道路無料化も社会実験の名の下にパーになりそうです。
私はもともと、財源確保と温暖化対策の観点で、ガソリン税維持、高速道路有料維持の意見です。
恩知らず
小沢一郎は民主党にとって政権奪取の大功労者です。私にとっては闇の独裁者です。かばうべき理由がありません。しかし民主党有力者の多くが大功労者を足蹴にする姿は、私には「恩知らず」とうつります。カネの黒い疑惑で世間が小沢批判一辺倒であることを、小沢排除権力闘争に利用しています。要職に置けずとも、功労者として党内で尊重する形が、菅首相一派の有力者にあるべきでしょう。恩知らずの人は人間的に信頼できません。
国家運営方針がわからない
鳩山前首相は「友愛政治」を掲げました。安倍元首相が「美しい日本」を掲げたときと同じように私は落胆しました。ことばだけで具体的な裏づけがなにもありません。名家の子には世俗の生活がわからないのでしょう。
平成に入ってからというもの、私たちふつうの人々の生活はきつくなるばかりなんです。友愛に満ちた暮らしも、美しい暮らしも、夢の向こうのかげろうなんです。
菅首相に変わりました。その第一声、消費税増税10%! 生活にパンチです。ほかにはまだ何もわかりません。きょうのニュースで小沢への激しい闘志を見せる菅首相を見ました。菅首相も、ふつうの人々にとって味方になってくれそうにありません。
どちらにしても、民主党が話題になるときはいつでも、小沢流か非小沢流かが軸になります。一日も早く小沢流人脈と非小沢流人脈が分裂して、民主党が一から出直すことを期待します。そして、もっと議員本人の人間性の厚みを鍛えてほしい。総体として軽薄で信頼性に欠ける印象が強い。私のようなふつうの人々は「自助の力」が弱いものですから、政治を頼りにしたいのです。