福井県でデイケア施設に入りこんだ熊が射殺されました。その雌熊は人間との争いを好んでしたのではないでしょう。思いがけず人を傷つけることになり、追いつめられた末に、不安と恐怖と孤独の中で死んでいったことと思います。
去年は熊の食料になるどんぐりの実が豊富だったそうです。そして、前回のどんぐり類の不足による熊の大量出没年は平成18年度だったそうです。
日本史をかえりみれば、飢饉もまた2年や3年の周期でくり返した時代があります。天候不順と飢饉のために「ヒト」が餓死を重ねてきた歴史があります。食料採集のために命を落とした熊のニュースを知って、身につまされます。私たち「ヒト」も天候不順や気候変動に左右される存在です。
■クマ:建物内で射殺…デイケア施設に入り込む 福井・勝山
毎日新聞 2010年10月13日 13時11分(最終更新 10月13日 13時22分)
福井県勝山市野向町聖丸、たけとう病院の併設デイケア施設「野向(のむき)の舎(いえ)」に入り込んだクマは13日午前9時ごろ、施設内で射殺された。ツキノワグマの雌3歳で、体長120センチ、体重58キロだった。12日午前7時すぎ、施設玄関で女性看護師(56)を襲い、けがを負わせていた。
■クマ目撃件数急増 天候不順でエサ少なく 滋賀県まとめ
産経新聞 2010/07/29 14:08
今年4月以降県内で目撃されたツキノワグマの頭数は28頭で、「大量出没年」とされた平成18年度同時期の13頭をはるかに上回っていたことが28日、県のまとめでわかった。春先の天候不順でエサが少なくなっていることなどが原因とみられる。27日には大津市内で男性作業員が襲われ、軽傷を負う事件も起きており、県では山間部に近い住宅地などでは警戒するよう呼びかけている。
県によると、18年度の1年間で目撃されたクマは229頭で、計4人が襲われけがをした。今年のペース増加は、昨年秋、ブナ、ナラのどんぐりなど山間部のエサが豊富で、食物を摂取しない冬眠中に死ぬ頭数が少なかった一方、春以降は逆に天候不順でエサが減ったため、集落の近くに出没しているとみられるという。