<2018.5.19.追記> 19日、日大・内田監督が監督辞任を表明。問題の焦点である「暴力タックルを生んだ指示の有無」については、「調査があるので」という理由で報道陣の質問に答えなかった。
■日大アメフト選手が暴力タックル、関学被害選手は全治3週間
■アメフトのスポーツ特性…フォーメンション展開
5月6日、アメリカンフットボール(アメフト)の関西学院大学(関学)と日本大学の試合がありました。その試合で、日大選手が関学のスター選手にとんでもない暴力タックルをしかけました。被害選手は全治3週間の負傷を受けました。日大選手は反則行為を3回もくり返して退場を命じられました。反則行為とはいうものの、試合後にビデオ見ると、関学の選手を潰すだけの目的でタックルをしかけたとしか考えようがない映像でした。「反則」を超えて明らかに「暴力行為」です。
しかけた日大選手はディフェンスライン(DL)というポジションで、DLには重量級の選手が配置されます。やられた関学選手はクォーターバック(QB)というポジションです。味方オフェンスラインのすぐ後ろに1人いて、味方選手にパスを投げます。俗に司令塔と呼ばれています。
アメフト、アメリカンフットボールはプレイが勇壮でしかも華やか。なかでも華やかなのはクォーターバックが投げるロングパスが決まったときです。野球に例えるならホームランに相当する華やかさでしょうか。
アメフトの全日本大学選手権の決勝戦は「甲子園ボウル」というネーミングで、阪神甲子園球場で行われます。全国の最強豪大学は関西学院大学で、それにつづくのが日本大学です。
関西では関学に続くのが立命館大学ですが、1980年代から1990年代に京都大学が6回、甲子園ボウルの覇者になっています。その時代の関西の大学アメフトでは、関学・京大カードが一番人気でした。部員数が少なく、体格も軽量級が主体の京大ギャングスターズが強いのでファンの喝采を浴びました。私は立命が敗れて脱落したあとは京大を応援したものです。
なぜ京大アメフトが強いのか、当時、テレビでもたびたび放送されました。アメフトは若いころから好きなので、よく覚えています。京大アメフトはなぜ強いのか。解答は「フォーメーション」でした。フォーメーションというのは選手配置とその形のことで、陣形といって良いと思います。
いくつものフォーメーションと、試合の展開に応じて変化する数々のフォーメーションの組み合わせを、徹底的に頭に入れます。フォーメーションは試合の展開に応じて次々に変化していきます。こういうときはこのようにと、試合展開を映像でよくよく理解して頭に染みつかせているのだろうと思いました。それもチーム全員が各個に、です。将棋のプロ棋士がものすごい数の棋譜をそらんじているのに似た訓練でしょうか。
そのうえで、たとえば攻勢のときには、監督やコーチから司令塔であるクォーターバックを通じてチーム全体に指示が伝えられ、フォーメーションを俊敏に変化させながら試合を展開しています。日大選手が暴力タックルをしかけたのはこのクォーターバックです。被害選手が負傷途中退場したことで、関学側のチーム運用に変更が生じてフォーメーション展開も変わったことでしょう。
監督・コーチ → クォーターバック → チームメンバー。攻撃のときにはこのルートで指示が伝えられ、フォーメーション学習に則ってチームが一体となって動きます。アメフトでは個人的なパフォーマンスは許されません。監督・コーチの指示に忠実に呼吸を合わせてプレイするのがアメフトの際立った特性です。
強豪チームとの体力差を克服して京大アメフトを優勝に導いたのが、フォーメーション学習でした。全盛期の京大アメフト、ギャングスターズには今でも忘れられない東海辰弥クォーターバックがいました。アメフト界にはこういう財産があり、関西学院大学にとっても暴力的根性論など考えられないことでした。
■5月6日試合後の日大アメフト指導部の状況
〇日大反則選手が自チームにもどったときの映像
反則退場を命じられた日大選手が駆け足でチームサイドに戻ってきたと
き、日大チームの固まりの中の一人が反則選手のヘルメットを軽く小突いて
いる映像が残っています。このヘルメットを軽く小突く行為は、軽く「お疲
れさま」というような仕草で、よくみられる風景です。
〇日本大学・内田監督の試合後コメント(日刊スポーツ 2018.5.6.19:48)
日大選手が関学クォーターバックを暴力タックルで負傷させ、さらに別の
関学選手を殴るなどして試合退場を命じられたことへの記者の問いかけに、
内田監督が答えました。
「力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。待ちでなく、攻めて戦
わないと。選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせてい
る私の責任。」
■5月10日、日大アメフトHPに謝罪文掲載
<本学選手による試合中の重大な反則行為について>
5月6日に行われた本学と関西学院大学の定期戦において,本学選手による反則行為により大きな混乱を招き,関西学院大学の選手・関係者の皆さま,関東学生アメリカンフットボール連盟,また国内外のアメリカンフットボールファンの方々に多大な御迷惑と御心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今回の事態を厳粛に受け止め,今後はこのようなことがないよう,これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります。このたびのこと,重ねてお詫び申し上げます。
日本大学アメリカンフットボール部
5月6日の内田監督のコメントでは、相手選手にけがをさせたり、反則をするくらいの闘魂でなきゃ勝てないだろう、という認識でした。ホームページ上の謝罪は、学生が悪いことをして申し訳ない、学生への指導を徹底します、というもので謝罪のかけらも感じられない。さらに、アメフト部指導陣の責任などまったく思っていない様子です。
■5月10日、日大のHP謝罪を受けて、関学から日大へ抗議文発送(関学アメフトHPには12日
付で掲載)
5月10日、日大アメフト部謝罪公表を受けて、関学アメフト部が5月12日記者会見を開いて、10日付で日大宛て抗議文を発送したと発表しました。この抗議文は12日付けで関学アメフト部HPに掲載されていて、このブログの文末にほかの関係文書とともに転載します。
関学から日大への抗議文では、① クォーターバック選手への反則タックルは試合の進行と関係のない意図的な暴力行為であると断じ、② 試合直後の日刊スポーツへの内田監督コメントは反則暴力行為を容認していると受け取れる、と指摘しました。
■5月15日付で、日大アメフト部から関学アメフト部抗議書に対する回答書
回答書(当記事文末に転載します)ではこう答えています。
日大アメフト部としては、アメリカンフットボール公式規則に掲げるフットボール綱領を尊重しており、意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えることは全くない。
弊部の指導方針はルールに基づいた「厳しさ」を求めるものだが、選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関して深く反省している。
5月6日試合終了後に内田監督は暴力タックルについての感想を記者から求められて、「あれぐらいやっていかないと勝てない」などと話した。これは選手に厳しさを求めているのであって、反則をしてもよいとするものではない。しかし、反則行為を容認する言葉と受け取られているので、試合終了後のコメントを撤回する。
■関学5月17日付、日大宛て要望書
■「日本大学からの回答および今後の対応について(当記事文末に転載します)
15日付日大回答書を受けて、関学は5月17日記者会見をしました。日大・内田監督を始め指導部に対する怒りを露わにして追求しました。そして新たに回答を求める文書の形で厳しく日大の姿勢を問い詰めていきます。
① これまで日大反則選手が5月6日試合で突然変異を起こし、1試合で3回も
暴力的反則をくり返したのか不可解である。
どのような指示・指導があり、本人がどのように理解・判断してこのような
行為に至ったのか、本件回答書が「問題の本質」とする、指導者による指導
と選手の受け取り方との間の乖離について真摯な調査に基づいた具体的な説
明をいただきたい。
② ア.極めて悪質な1プレー目が反則(アンネセサリーラフネス)とされた時
点で、指導者が当該選手の交代を指示し、当該選手を厳しく注意・指導
しなかった。
イ.2回目の反則行為の時点でも同様に指導者が当該選手の交代を指示し、
当該選手を厳しく注意・指導しなかった。
ウ.3回目の反則行為により当該選手が資格没収となってチームエリアに
戻るに至っても、指導者が当該選手を厳しく注意・指導する様子がうか
がえなかった。
エ.試合後に内田監督が「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせ
ている私の責任」(日刊スポーツ 5/6配信)とコメントしている。
これらのことを考え合わせて、ルールを逸脱した行為を監督・コーチが容
認していたのではないかと疑う。
③ 「監督に『責任はおれが取る』と言われていた」
「(日本大学)関係者は反則が内田正人監督の指示だったとも明かした」
「『試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい』と
指示した」
など多数のメディアで日本大学の指導者が反則行為を指示したと思われる報
道が相次いでいる。
これら報道が事実なら、5月10日付日大回答書にある「規則に違反し貴部選
手を負傷させる意図は全くなく,選手全員に『厳しさ』を求め,士気を上げ
るために行ったもの」という範疇を逸脱している。説明を求める。
日大側が、勝つためには少々の反則も恐れない暴れ方が必要、アメフトに多少の怪我はつきもの、という方針だろうと、関学側は見定めて猛反発しています。
日大アメフトの監督・コーチ陣の時代遅れな暴力的根性指導を疑わせる①~③までの事情を挙げて、改善と説明を求めています。
■日大アメフト暴力タックル問題と森友・加計問題に共通性を見た
この「日大暴力タックル問題」は、「森友・加計問題」にパターンがそっくりです。
内田監督は、反則を恐れずに相手選手を潰せ、壊せと日大選手をいつも追い詰めています。その指導方針がチームの空気になり、ついには今回の極端な反則暴力を生んでしまいました。
余りにひどい反則タックルも、試合退場を命じられて自陣サイドに戻ってきた反則選手を迎えている情景も、映像に残っています。
今、一般紙、スポーツ紙、テレビ報道など多くのメディアが日大アメフトを追いかけていて、日大部員に不満が鬱積しているありさまが漏れ伝わっています。
それでも、日大回答も、日大広報も、内田監督の指導が悪いのではなく、アメフト部員の受け取り方が悪いので、一層の指導を致しますというものでした。内田監督は日大の常務理事でもあり、大学の人事権を握っている実力者なんです。
森友学園の象徴的な「教育勅語」教育は、安倍首相の国民運動の母体になっている日本会議が大喜びするものだし、安倍首相夫妻もそうなのです。
加計学園は安倍首相の若いときからの親友です。うまくやってほしいと思うのは自然な友情です。
安倍首相はこれまでの年月経過の中で、森友・加計案件がうまく早く進んでほしいという気持ちを側近政治家に漏らしているでしょう。官邸官僚や内閣府官僚のうちで腹心と信頼できる者には、はっきりと胸の内を明かすか、俺の気持ちを分かれよという空気を強く出したでしょう。部下に空気を読ませるために。
私が指示したことはない、私から指示を受けたという者は未だ一人もいない。そう言って、安倍首相は胸を張っています。麻生副総理はその安倍首相を守ってきました。
(朝日新聞 2018年5月16日17時52分)
アメリカンフットボールの日大と関学大の定期戦(6日、東京)で日大の守備選手が相手選手に悪質な反則行為となるタックルを浴びせて負傷させた問題で、日大の内田正人監督が学内の聞き取り調査に、「反則行為を指示したことはない」と話していることが分かった。日大広報部が16日明らかにした。
日大は試合後、事実関係を把握するため、学内調査を実施。内田監督は聞き取り調査に「反則行為を指示したことはない」と答え、「(守備選手に)頑張れと言い、その受け止め方が、あのプレーにつながってしまったのかな」と話したという。また、守備選手も「監督から指示されたことはない」と答えたという。広報部によると、調査は続けていく。
安倍首相の意向に合わせようとがんばってきた近畿財務局がまず壊れました。自殺者が出ました。知らぬ存ぜぬの一点張りで国会を冒とくしてきた佐川理財局長を国税局長に昇進させ、国税局長としての仕事をまともにできぬままに辞任させた安倍首相と麻生財務大臣。森友・加計問題と関係のない財務次官セクハラ問題が露顕して辞任。森友・加計のおかげで財務省は内部的には壊れてしまいました。
防衛省でも財務省でも公文書や公文書未満の文書が無いない尽くしでしたが、今年になって、有りました有りましたという文書が出てきた。役人たちも大臣たちも、すみませんの一言で終わり。安倍・麻生コンビは、すみませんなんて言えるかというスタイルです。
指示していない、忖度をされる側の私にはそれが分からないのだからしようのないことだ。そんな安倍首相の下で、多くの役人たちが潰れていき、国の行政機構が安倍機構に変質しています。
日大アメフトの暴力反則問題の根と、安倍首相の森友・加計問題の根に共通性を見出して、我ながら情けなくなりました。昨年2月に始まって今もまだ、森友・加計です。安倍首相や取り巻きの役人たちが正直に話せば、すぐにも終わってしまう問題なんです。愛媛県の中村知事も記者会見でそう言ってました。
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(5月10日付日大のHP謝罪を受けて、関学から日大へ同日付抗議文発送)
日本大学との第51回定期戦における日本大学選手による反則行為に
ついて 2018/05/12
5月6日に行われました関西学院大学と日本大学の第51回定期戦において、関西学院大学の選手(以下、関学QB)に対する日本大学の選手(以下、日大DL)による反則行為が発生しました。試合後にビデオ映像で確認したところ、日大DLは関学QBがボールを投げ終わって約2秒後に背後からタックルをしております。
ボールには一切反応せず、QBだけを目掛けて突進し、明らかに力を抜いている状態の選手に背後から突き当たっており、さらに足を捻っており、競技プレーとはまったく関係なく当該選手を傷つけることだけを目的とした意図的で極めて危険かつ悪質な行為でした。
関学QBはこのプレーで負傷退場し、試合後に医師から全治3週間との診断を受けましたが、現在足に痺れが出ており、改めて精密検査を受ける予定です。生命にかかわる重篤な事故につながる可能性がある行為だったと考えます。
また、日大DLはその2プレー後および4プレー後にそれぞれパーソナルファウルの反則を犯し、3回目の反則で資格没収となりましたが、同日試合後の日本大学監督のメディアに対するコメントは、これらの反則行為を容認するとも受け取れる内容でありました。
日大DLの1回目のパーソナルファウルについては、その後関東学生アメリカンフットボール連盟において「ひどいパーソナルファウル」として認定されたことが5月10日付で発表されましたが、弊部として同日の5月10日付で日本大学アメリカンフットボール部に対して部長および監督宛で厳重に抗議する文書を送りました。申し入れた内容の概要については以下の通りです。
・日大DLの関学QBへの1回目のパーソナルファウルに対するチームとしての見
解を求めると同時に、関学QBおよび保護者へのチームからの正式な謝罪を
求める。
・日本大学監督が試合後にメディアに対して出したコメントの見解と、コメ
ントの撤回および前項の行為が発生したことについての指導者としての正
式な謝罪を求める。
日本大学からの回答について、弊部として誠意ある内容であると判断できない場合、次年度以降の定期戦は行いません。
加えて、5月11日付で関東学生連盟に対しても要望書を提出いたしました。関東学生連盟では「ひどいパーソナルファウル」について規律委員会を設けて詳細を調査するとのことであり、その調査の過程で弊部へのヒアリングを行うことを強く要望しております。
2018年5月12日
関西学院大学体育会アメリカンフットボール部
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(5月15日付、関学アメフト部抗議書に対する日大アメフト部の回答書)
平成30年5月15日
関西学院大学体育会アメリカンフットボール部
部 長 池 埜 聡 様
ディレクター 小 野 宏 様
監 督 鳥 内 英 晃 様
日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール部
部 長 加 藤 直 人
監 督 内 田 正 人
第51回定期戦における弊部選手による反則行為に係る貴部からの申し入れに対する回答について
平成30年5月6日に行われました定期戦において発生した弊部選手の反則行為について、負傷された貴部選手にお見舞い申し上げますとともに心より謝罪いたします。そして、一日も早い回復をお祈り申し上げます。また、ご迷惑をおかけしました貴部関係者の皆さまに深くおわび申し上げます。
平成30年5月10日付で送付いただきました貴部からの申し入れに対し、以下のとおり回答いたします。
1.弊部選手の前半第1攻撃シリーズ1プレー目の反則行為に対するチームと
しての見解および行為を受けた貴部選手ならびに保護者へのチームからの正
式な謝罪について
弊部としましては、アメリカンフットボール公式規則に掲げるフットボー
ル綱領を尊重しており、意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えるこ
とは全くございません。
弊部の指導方針は、ルールに基づいた「厳しさ」を求めるものであります
が、今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きて
いたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し、深く反省しており
ます。
弊部選手による反則行為を受けました貴部選手および保護者の方に心より
おわび申し上げます。
2.弊部監督が試合終了後にメディアに対して出したコメントに対する見解と
同コメントの撤回および指導者として当該事案が発生したことについての正
式な謝罪について
上記1.でご説明いたしましたとおり、弊部は規則に基づいた指導を行っ
ております。同コメントは、もとより規則に違反してもよいと意図するもの
ではなく、選手に「厳しさ」を求めていることから発したものでした。
しかし、真意が伝わらず反則行為を容認する発言と受け取られかねないも
のであり、本意ではありませんため、ここに、試合終了直後にメディアに対
して発した弊部監督のコメントは、撤回させていただきます。
当該事案が発生したことについて、ご迷惑をおかけしました関係者の皆さ
まに指導者として謝罪いたします。
また、一部メディアで報道されております、当日のミーティングにおける
弊部監督が選手に対して発した発言も、規則に違反し貴部選手を負傷させる
意図は全くなく、選手全員に「厳しさ」を求め、士気を上げるために行った
ものでした。
繰り返しになりますが、ご迷惑をおかけしました関係者の皆さまにおわび
いたします。
※「事実」「経緯」などのチームとしての見解について
弊部として把握する事実、当該プレーに至った経緯、それまでの指導内
容、試合後の対応などについてですが、速やかな回答が必要なことは十分に
認識しておりますが、弊部において現在、確認作業および再発防止策の策定
を行っております。恐縮ですがお時間をいただき、平成30年5月24日
(木)をめどに回答させていただければと存じます。何とぞ今しばらく猶予
をいただきますようお願い申し上げます。
重ねてではございますが、このたびの反則行為により負傷された貴部選手な
らびに保護者の方に対し、心より謝罪いたします。また、ご迷惑をおかけしま
した貴部関係者の皆さまに深くおわび申し上げます。
今後、二度とこのような行為が行われないよう、ルールおよびスポーツマン
シップ教育・指導の徹底を図ってまいりますことをお誓い申し上げます。
以上
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(関学5月17日付、日大宛て要望書)
日本大学からの回答よび今後の対応について
日本大学アメリカンフットボール部(以下、「日本大学」といいます。)からの5月15日付回答書(以下、「本件回答書」といいます。)に対する弊部としての現時点での見解は、以下のとおりです。
〇 まず、現在に至るまで日本大学の責任ある立場の方より、本件で被害に遭
った選手およびその保護者に対し、直接の謝罪の申入れがなかったことにつ
き、遺憾の意を表します。5月24日迄に追加の回答をいただく際には、日本
大学の部長および監督から弊部の被害選手・保護者へ直接謝罪していただく
ことを要望いたします。
〇 試合後1週間以上も経過しているにもかかわらず、本件回答書には本件に
関する具体的な事実・経緯などチームとしての見解が記されていません。
日本大学には、5月24日までに改めて1プレー目の反則行為に関して貴部が
把握する事実、当該プレーに至った経緯、それまでの指導内容、試合後の
対応等を具体的に回答していただきたく存じます。
弊部が特に疑問を抱いているのは、なぜ昨年の甲子園ボウルや今春の試
合ではルールの範囲内でプレーをしていた選手が、突然このような意図的
で危険かつ悪質な行為に及んだのかという点です。どのような指示・指導
があり、本人がどのように理解・判断してこのような行為に至ったのか、
本件回答書が「問題の本質」とする、指導者による指導と選手の受け取り
方との間の乖離について真摯な調査に基づいた具体的な説明をいただきた
く存じます。
〇 日本大学の指導者はルールに基づいた「厳しさ」を求めていたとのことで
すが、
① 極めて悪質な1プレー目が反則(アンネセサリーラフネス)とされた時点
で、指導者が当該選手の交代を指示し、当該選手を厳しく注意・指導しな
かったこと
② 2回目の反則行為の時点でも同様に指導者が当該選手の交代を指示し、
当該選手を厳しく注意・指導しなかったこと
③ 3回目の反則行為により当該選手が資格没収となってチームエリアに戻
るに至っても、指導者が当該選手を厳しく注意・指導する様子がうかがえ
ないこと
④ 試合後に内田監督が「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせて
いる私の責任」(日刊スポーツ 5/6配信)とコメントしていること等を勘
案すると、ルールを逸脱した行為を監督・コーチが容認していたと疑念を
抱かざるを得ません。
〇 「監督に『責任はおれが取る』と言われていた」(MBS)
「(日本大学)関係者は反則が内田正人監督の指示だったとも明かした」
(日刊スポーツ)
「『試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい』と
指示した」(ハドルマガジン)
など多数のメディアで日本大学の指導者が反則行為を指示したと思われる
報道が相次いでなされています。
仮にこれらの報道が事実とすると、本件回答書にある「規則に違反し貴部選手を負傷させる意図は全くなく,選手全員に『厳しさ』を求め,士気を上げるために行ったもの」という範疇を逸脱していると考えます。この点についても改めて真摯に事実確認を行っていただき、結果について5月24日の回答書において説明をしていただきますようお願いいたします。
以上のとおり、本件回答書によって、弊部の抱える疑問、疑念を解消できておらず、現時点では誠意のある回答とは判断しかねると考えております。
今後につきましては、本件回答書および5月24日までに届く回答書を踏まえ、対応を検討いたします。
なお、近日中に行われる関東学生アメリカンフットボール連盟規律委員会による弊部へのヒアリングにつきましては、当該選手および保護者とともにチームとして全面的に協力する所存です。
2018年5月17日
関西学院大学体育会アメリカンフットボール部