2018.10.8.11:30 朝日新聞が、免疫療法に関していま知っておきたいことについて、国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長に聞きました。この記事のメモ書きをします。
(1)オプジーボは手術が受けられるような状態の方は対象になりません。
手術ができればそれによってがんが治る可能性があるためです。
(2)いま標準的とされている抗がん剤がある場合は、まずはそちらを先に使
うことになります。
(3)オプジーボの対象になったとしても、すべての患者さんに効果があると
は限らず、受けた方の2割ほどとされています。
(4)オプジーボが「効いた」としても、がんそのものが「治る」ことを意味
するわけではありません。
いま確認されている効果はあくまで生存期間の延長で、がんそのものが
治癒したということではありません。
(5)副作用について。従来の抗がん剤によくみられる吐き気や白血球減少と
いった副作用は多くありません。
しかし、間質性肺炎や重症筋無力症、1型糖尿病といった、このタイプ
の薬に特有の副作用が起こり得ます。
こうしたケースにきちんと対応できる体制の整った医療機関で受けてい
ただくことが大切です。
(6)(※一般社団法人 全国がん患者団体連合会による注意喚起)免疫チェッ
クポイント阻害剤では、致死的又は重篤な副作用、従来の治療薬ではみら
れなかった新しい副作用もあることがわかっています。
(7)免疫療法で「効果がある」のは、オプジーボなど「免疫チェックポイン
ト阻害剤」と呼ばれる薬による治療が中心です。
効果が明らかにされた結果、国が承認して保険が適用されたのに加え
て、国内の診療ガイドラインでも推奨されています。
(8)「免疫チェックポイント阻害剤」以外の免疫療法は、学会で承認される
ほどの臨床研究が成されておりません。
<参考サイト>
① 免疫チェックポイント阻害剤を含む免疫療法に関する注意喚起
(全国がん患者団体連合会 更新2018.10.5.)
② 免疫療法 まず、知っておきたいこと (国立がん研究センター 更新2018.3.29.)
③ 免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ (国立がん研究センター 更新2018.7.31.)
④ 研究段階の医療(臨床試験、治験など)基礎知識 (国立がん研究センター 更新2018.3.23.)
⑤ がん相談支援センターを探す (更新2018.3.23.)