川本ちょっとメモ

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<安倍政府> は「法令私物化」「官僚私物化」の点で戦後最悪ではないのか

2018-11-26 23:03:59 | Weblog

2018-11-27
国会審議の重要さを示す「法規の間の順位」 法律 → 政令(施行令) → 省令・府令(施行規則) → 告示・通達……このうち「政令」以下のすべては政府の専権事項


政治は、法律を新たに作ったり、条文内容の変更・新たな条文の追加・既存の条文の廃止を行います。これら法律の新設・追加・変更・廃止の案文、すなわち「法案」の大方は、政府が作成して国会に提出します。国会議員には立法権があるので、議員作成になる「法案」も国会に提出されます。

こうした法案を審議し、採決するのが、国会の仕事です。しかしながら、安倍政府に際立っている強権政治では、次に書くような国会運営が行われて、なかなか審議が進みません。

それでいて、形ばかりの審議の最後には強行採決で、法案が安倍政府お望みどおりの「法律」になります。「安倍政府の法令私物化」と呼ぶゆえんです。

安倍政府は、「憲法9条の解釈変更は政府の行為として合憲である」という理屈を通すために、最初の作業として、政府内部の法案解釈機関である内閣法制局長官を更迭しました。

内閣法制局というのは政府が作る法案のお目付け役で、時の政権に対して公正な立法や法解釈を提言する役割があります。ところが、新しい内閣法制局長官はそんなことを意に介さず、安倍首相の小間使いとして、十二分な働きをしました。

自民党議員の口ぐせである「国家国民のために」働くべき高級官僚であるはずが、法制局長官「安倍首相個人の下僕」である立場を忠実に実行しました。

「森友学園・国有地ほぼ無償払下げ問題」では、財務省理財局の局ぐるみ「森友関連公文書改ざん問題」が発覚しました。これは多くの公文書を組織的に書き換えるもので、実質は「公文書変造」または「公文書偽造」であり、本来は「犯罪」です。

自民党議員の口ぐせである「国家国民のために」働くべき高級官僚であるはずが、財務省理財局長もまた、自らの地位を犠牲にし、国会で幾重にも恥をさらし、部下の自殺をも顧みない冷血ぶりを露わにしてまで、「安倍首相個人の私利」に尽くしました。加計学園問題における首相秘書官も同類です。2、3年過ぎてほとぼりをさました後に、両人とも、「安倍様御奉公」の賜物として良い天下り先を与えられるでしょう。

前国会では、政府自称「働き方改革法案」の国会審議資料として、厚生労働省が提出したデータにとんでもないまちがいがありました。政府にとって「有利な方向へのまちがい」なので、「意図的なもの」と受け取られてもしかたありません。

「働き方改革法案」経団連御用達法案と言えます。労働者派遣法の制度化が定着して、正規社員減少=非正規社員増加への転換が進み、経済界全体としての人件費切り下げが完了しました。第2弾は正規社員の全体的な人件費切り下げを狙う法案でした。

今国会では目下の争点になっている「外国人労働力輸入法案」でも、外国人労働者の労働実態調査の報告書にまちがいが発覚しました。これも政府にとって「有利な方向へのまちがい」なので、「意図的なもの」と受け取られてもしかたありません。「安倍政府の官僚私物化」が招いた政府組織の荒廃です。

目下の争点である外国人労働の規制緩和は、日本人非正規社員と同様か、実態としてはもっと安い給与で外国人労働者を使おうとするものです。これまでの出稼ぎ外国人に対する日本政府の取り扱い方を見る限り、給与以外の点の職場環境や労働環境に非正規社員と同様の、あるいはそれ以上の課題がのこされたままになっています。

「外国人労働力輸入拡大法案」は、英国のEC脱退の引き金にもなり、仏・伊で選挙結果に影響を与えるほどにもなった移民問題をわが日本国内でも醸成していくきっかけになるでしょう。この法案の乱暴さ、粗雑さは、まったく信用ならないデータをもとにして国会質疑が行われ、そのことについて担当大臣が陳謝するという事態を引き起こしました。

国会質疑では時間制限があって、時間はたいへん貴重なものです。大臣や政府側委員は質問趣旨に的確に応じた答弁をしなければいけません。

ところが安倍首相答弁に顕著な特色は、ときには質問議員をせせら笑い、ときには説教を交えて質問趣旨とは関係のない事柄を「関係ある」こととして長々しゃべって、答弁時間を潰してしまいます。

安倍首相の国会答弁のこうした流儀は意図的なもので、実質的には野党議員の質問潰しであり「答弁拒否」です。悪質です。それでも安倍政府を応援する人々の良心はどうなっているのでしょう。生活上の利害や仕事上の利害でつながりがあるというのなら、浮世の人情として気持ちはわかりますが…。



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