川本ちょっとメモ

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検察に白旗シグナル――2020年8月安倍首相(当時)辞任表明の真の理由を元法相河井克行被告の最終陳述に見た

2021-07-24 23:06:21 | Weblog






■2020年8月、安倍首相(当時)辞意表明の理由は真の理由ではない 

〇 2020年8月17日と24日
安倍首相(当時)は2020年8月17日と24日、慶応大学病院行きを予告したうえで車列を組んで病院に入り、その日のうちにまた戻って行った。

〇 2020年8月28日
安倍首相(当時)は記者会見を開いて、総理大臣辞任表明をした。

〇 2020年9月16日
安倍内閣総辞職。

あるはずのない安倍首相(当時)の早期辞職が突如降ってわいたのはなぜか? 公式に理由とされている「潰瘍性大腸炎」再発は「嘘」と見る。

2007年、安倍晋三氏は総理大臣辞任理由「潰瘍性大腸炎」という病気だとした。しかし当時、この病名を認定した医療機関はなく、医師もいない。

2007年に入院した慶応大学病院は記者会見をして、入院した安倍晋三氏の病名を「機能性胃腸障害」と発表した。「潰瘍性大腸炎」ではない。したがって、安倍首相(当時)自身による2020年8月「再発」という理由説明も成り立たない。

2020年8月、慶応大学病院は記者会見をしていない。安倍晋三首相(当時)の病名・症状に関して一切の説明をしていない。総理大臣の急な辞任発表にもかかわらず、医療機関または医師の解説がないのは、異常なことだ。



■安倍首相(当時)が2021年夏オリンピックをめざしていたという 
  森喜朗元首相の証言 (2020.9.12.毎日新聞インタビュー記事から抄録)

 (※安倍首相辞意表明で)にわかに永田町は風雲急を告げるが、森さんがしばしぼうぜんとしたのは東京五輪の顔を失うことだった。

 招致の立役者であり、コロナ禍で開催の1年延期を国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に申し入れたのも安倍首相である。

 「私は2年延期でなくて大丈夫ですかと申し上げたんですが、押し切られた。安倍さんが1年延期にこだわったのは、2年延期にすれば、総裁の任期満了にぶつかり‥‥」 (記事引用ここまで)

上の森喜朗元首相証言を見れば、安倍首相(当時)が現職総理大臣として東京オリンピックに臨むたいという強い意欲をもって、「2021夏開催」でIOCバッハ会長と合意した(2020年3月24日)ことがわかる。その合意の5か月後、2020年8月28日の唐突な総理大臣辞意表明は不可解なことだ。



■元法相河井克行被告 公判初期は強気に無罪主張
■2021.3.23.公判で君子豹変 同5.18.公判:低姿勢で執行猶予を願う

〇 2020年3月3日広島地検
河井克行氏政策秘書高谷真介容疑者、河井案里氏公設秘書立道浩容疑者、選対幹部の脇雄吾容疑者を車上運動員に対する法定上限を超える報酬支払い(運動員買収)容疑で逮捕。

〇 2020年6月18日東京地検
河井克行元法相と河井案里参院議員を逮捕。

〇 2020年8月25日東京地裁
元法相河井克行被告と参院議員河井案里被告の公選法買収違反初公判が開かれた。二人とも無罪を主張した。

〇 2020年9月15日
元法相河井克行被告が弁護人を解任し、公判は中断した。これは、河井夫妻の裁判を切り離して、裁判における河井克行氏の「買収」認定を「選挙地盤培養行為」という弁明で切り抜けようと考えたものと思われる。

〇 2020年10月20日
元法相河井克行被告が新たに弁護人を選任した。うち4人は前任と同じで再任である。

〇 2021年1月21日東京地裁
参院議員河井案里被告に懲役1年4カ月、執行猶予5年の有罪判決。 

〇 2021年2月16日広島地裁
元法相河井克行被告の元秘書高谷真介被告に懲役1年6カ月、執行猶予5年の有罪判決。車上運動員に対する法定上限を超える報酬支払い(運動員買収)で。

〇 2021年3月23日東京地裁
これまで強い姿勢で一貫して「無罪」を主張してきた元法相河井克行被告が変身、選挙買収容疑を認めた。「全般的に選挙買収であることを争うことはいたしません」(以上、2021.3.23.毎日新聞から採録)

〇 2021年5月18日東京地裁
 「河井克行被告は最終意見陳述で『一昨年に行ったことは決して許されない。政界を混乱に陥れたことを深く心からおわびします』と謝罪。『たった一つの希望を述べさせていただくなら、一日も早く地元に帰り、おわび行脚をさせていただきたい。十字架を背負って広島の地を歩く覚悟だ』と述べた。(以上、2021.5.18.中國新聞から採録) ――これは実刑回避、執行猶予のお願いである。


河井克行被告は2020年8月25日初公判から、強気に「無罪」を主張していた。

2020年9月25日に河井克行被告自身の弁護団を解任してウォッチャーを驚かせた。1カ月後の同年10月20日、弁護団を再選任して公判を再開を待った。これは河井克行被告の法廷戦術があったものと思われる。

公判に臨んでそれほど強気であったが、河井克行被告の強気「無罪」主張戦術はまったく通用しなかった。

河井克行元法相・河井案里前参院議員の2019広島参院選公選法違反買収事件は稲田伸夫前検事総長から林眞琴現検事総長に受け継がれた検察主流復活の案件だった。

強気から君子豹変低姿勢へ。公選法違反事件裁判の終盤は、元法相河井克行被告が急な君子豹変を経て、検察や裁判所へ「執行猶予」をお願いするという「白旗」スタイルに陥った。


〇 2021年6月18日東京地裁判決
元法相河井克行被告に懲役3年、追徴金130万円の実刑判決を言い渡した。



■安倍前首相2020年8月の退陣騒ぎは検察への「白旗シグナル」だった
 
安倍前首相は一貫して強気の政権運営をしてきた。安倍前首相は検察に対しても強かった。森友学園への土地特価譲渡や公文書変造問題は安倍前首相の圧勝だった。

しかし、黒川東京高検検事長の自滅によって一気に強弱の立場が転換していた。安倍前首相は、自らに関わりのある「桜を見る会」や河井克行・案里夫妻「1億5000万円選挙資金」の問題について、弱気になっていた。

このことについて私は見誤っていた。安倍前首相が政権運営に弱気になるなどと、考えたことがなかった。検察に「白旗上げて」、穏便に見逃してほしいとシグナルを出すとは、思いもよらないことだった。

しかし、河井克行被告の最終公判での本人陳述の弁を報道で知った今年5月、安倍前首相もこれと同じだと気がついた。

週刊文春2020年5月28日号(5月21日発売)が、安倍首相(当時)の守護神であった黒川弘務東京高検検事長(当時)の「常習賭け麻雀」を報じた。官邸は発売前に察知した。黒川弘務東京高検検事長は2020年5月21日、電撃辞任し退職した。安倍首相(当時)はその3か月後、驚きの退陣表明に至った。

黒川弘務氏を最高検察庁検事総長に登用して、数々の疑惑を棚上げにする。安倍首相(当時)の企てが検察庁法改正という仕上げ段階で崩壊した。

安倍晋三前首相の2020年8月28日退陣表明、同9月16日内閣総辞職は、検察への「白旗」退陣だった。 ――これが本当の退陣理由だ、というのが今の私の考えです。

(次回につづく)



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