2022-07-26
安倍晋三元首相の「国葬」決定は岸田首相の国権乱用
2022-07-30
国民主権者の一人の立場で「国葬令」を読んだ 「安倍氏国葬」はやっぱり岸田首相の国権乱用ですよ
2022-08-01
1967年、吉田茂氏「国葬」は佐藤栄作首相(当時)の恩返しという私情ではないのか
2022-08-08
安倍元首相遊説中の不慮の死は「国葬」に値するのか? 襲撃殺害された総理経験者6人の遭難状況を見てみよう
2022-08-12
<安倍晋三元首相国葬の件> 比較資料として総理経験者9人の総理歴・大臣歴を見る
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総理大臣経験者で国葬になったのは「伊藤博文と安倍晋三」と後世歴史に残ることになりました。
昭和敗戦後の民主主義日本国で国葬になったのは「貞明皇后・昭和天皇(正確には皇室典範に基づく大喪の礼)と安倍晋三」と後世の歴史に残ることになりました。
(2022.08.20.訂正)
申し訳ございません。訂正です。国葬に貞明皇后を追加しました。貞明皇后は昭和天皇の
母后で、1951(昭和26).06.22.に大喪の儀が執り行われています。
<総理経験者9人の総理在職通算日数と大臣在職通算日数を比較する>
〇初代 伊藤博文 総理在職通算2720日 卿・大臣在職通算3076日 計5796日
(枢密院議長在職通算1606日 韓国統監在職通算1272日 計2878日)
〇19代 原 敬 総理在職通算1133日 大臣在職通算1821日 計2954日
〇27代 濱口雄幸 総理在職通算 652日 大臣在職通算 468日 計1120日
〇29代 犬養 毅 総理在職通算 156日 大臣在職通算 340日 計 496日
〇30代 齋藤 實 総理在職通算 774日 大臣在職通算 1403日 計2177日
〇20代 高橋是清 総理在職通算 212日 大臣在職通算 3886日 計4098日
〇45代 吉田 茂 総理在職通算 2615日 大臣在職通算 249日 計2864日
〇20代 佐藤榮作 総理在職通算 2798日 大臣在職通算 1515日 計4313日
〇90代 安倍晋三 総理在職通算 3188日 大臣在職通算 371日 計3559日
―・―・―・―・―・―・―
<総理経験者9人――在職日数順位>
(総理在職通算日数) (大臣在職通算日数) (総理日数+大臣日数 計)
1位 安倍晋三 3188日 1位 高橋是清 3886日 1位 伊藤博文 5796日
2位 佐藤榮作 2798日 2位 伊藤博文 3076日 2位 佐藤榮作 4313日
3位 伊藤博文 2720日 3位 原 敬 1821日 3位 高橋是清 4098日
4位 吉田 茂 2615日 4位 佐藤榮作 1515日 4位 安倍晋三 3559日
5位 原 敬 1133日 5位 齋藤 實 1403日 5位 原 敬 2954日
6位 齋藤 實 774日 6位 濱口雄幸 468日 6位 吉田 茂 2864日
7位 濱口雄幸 652日 7位 安倍晋三 371日 7位 齋藤 實 2177日
8位 高橋是清 212日 8位 犬養 毅 340日 8位 濱口雄幸 1120日
9位 犬養 毅 156日 9位 吉田 茂 249日 9位 犬養 毅 496日
※1.伊藤博文は、総理・卿・大臣・枢密院議長・韓国統監在職は通算計8674日。
飛びぬけている。
※2.安倍晋三の大臣就任は官房長官のみ。
<安倍晋三元首相異例の経歴>
安倍元首相の大臣経験は、第3次小泉内閣・改造内閣の371日だけです。そのまま小泉純一郎の後を引き継いで2006年、第90代内閣総理大臣に上りました。
異例の経歴というのは、内閣官房長官のみという大臣経歴371日の前に、内閣官房副長官1176日という経歴を踏んでいることです。
内閣官房副長官は副大臣級で内閣の閣僚ではありません。それにもかかわらず閣僚名簿に掲載されていることでほかの副大臣以上の要職であることがわかります。
政務担当の内閣副官房長官は、官房長官や総理大臣を助け、時にはその代理を務め、内政外交の国務全般に関わります。官房長官が閣僚を統制するように、官房副長官は副大臣を統制します。
安倍元首相は2000年7月から2003年9月まで、第2次森喜朗内閣から第1次小泉純一郎内閣まで引き続いて官房副長官を務めました。森喜朗が安倍晋三を登用し、引き続き登用するよう小泉純一郎にすすめたと言われています。
このあたりの事情を知ると、安倍晋三首相(当時)が東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長に森喜朗を招請した人間関係が理解できます。世話になった恩に報いるという麗しい人情噺なんですが、利権が群がるフィールドのお話でもあります。政治権力と利権の継承がこのように進むという実例です。
森・小泉の下で連続1176日という長い官房副長官修行が終わりました。これは政府全般にわたる動かし方の下見習いです。
つづいて安倍元首相は自民党の党務の要職、自民党幹事長を2年ばかり務めます。
自民党統制のメカニズム実習です。
誰が引き立てたのか?
当時の自民党総裁は小泉純一郎首相(当時)です。
後ろ盾である森喜朗前首相(当時)の力も大きい。
森も小泉も安倍も、自民党の清話会系です。
小泉純一郎は総理大臣の終わりに、第3次小泉内閣で安倍晋三を官房長官(在職371日)に取り立てました。小泉内閣の次の内閣は、第1次安倍晋三内閣で2006(平成18)年に成立しました。
要するに、森―小泉―安倍の清話会政治が長年つついてきました。
安倍元首相は、官房副長官1176日、官房長官371日、計1547日という政権中枢養育を森・小泉から受けて、第一次安倍内閣という花と開きました。
もう一つ、教育歴も世間の風に触れない純粋育ちです。成蹊学園の小中高大エレベーターで卒業しています。成蹊学園は東京都武蔵野市吉祥寺にあって、小中高大ワンキャンパスだそうです。東京生まれ、東京育ち、成蹊一貫育ち、それでいて衆議院は山口県選出です。
<安倍政治>
そして経済の分野では、小泉純一郎の規制緩和信奉が始まり、「グローバル」と鳴いて飛びまわる竹中平蔵に実務を任せました。
安倍晋三は竹中平蔵という人材をそのまま受け継ぎ、グローバル経済・規制緩和という経済政策の骨格を小泉内閣から継承し、より拡大してきました。
グローバル化というのを荒っぽくひとことで言えば、ニューヨーク・マンハッタン、ウォールストリート金融筋の野心に応じるもの――と、私は思っています。
規制緩和というのは、これも荒っぽくひとことで言えば、国内では経済界の要請、外国からは外資系筋の要請を歓迎するもの――と、私は思っています。
生活の点では、一般大衆の収入低迷または低下、規制緩和に伴う労働強化に相応しない収入という点で、金融所得・不動産所得と労働所得との格差拡大が広がる一方の安倍時代でした。もっともこの点も小泉内閣から継承拡大したと言ってよいと思います。
安倍政治はこのように、中・低所得層の国民生活にとって何のメリットも見られません。そして国内社会最大の課題である少子化政策についても、見るべき進展がないままに終わっています。
安倍治世下で庶民大衆の生活は一般に苦しくなって良いところがなかった。
しかし安倍政治で評価できることが一つ、あります。外交戦略の「自由で開かれたインド太平洋構想」です。これは今後の日本の外交指針の基本になっていくものと考えられます。
しかし安倍政治で評価できることが一つ、あります。外交戦略の「自由で開かれたインド太平洋構想」です。これは今後の日本の外交指針の基本になっていくものと考えられます。
「自由で開かれたインド太平洋構想」は私も歓迎しております。しかし米国の虎の威を借りる狐のごとき軍事に偏るのではないかという心配があります。中国・韓国を始めアジア人一般に対する日本優越意識の強い日本人も多いように思われます。アジアの国を十分に尊重して、中国に対しても軍事に偏らない外交を期待します。なんとしても戦争は避けたい。
〘第90代:安倍晋三〙 1954(昭和29).09.21.生 - 2022(令和04).07.08.没
総理在職通算3188日 大臣在職通算371日 計3559日
*2000(平成12).07.04. - 2001(平成13).04.26. 内閣官房副長官 297日
*2000(平成12).07.04. - 2001(平成13).04.26. 内閣官房副長官 297日
(第2次森喜朗内閣)
*2001(平成13).04.26. - 2002(平成14).09.29. 内閣官房副長官 522日
*2001(平成13).04.26. - 2002(平成14).09.29. 内閣官房副長官 522日
(第1次小泉純一郎内閣)
*2002(平成14).09.30. - 2003(平成15).09.21. 内閣官房副長官 357日
*2002(平成14).09.30. - 2003(平成15).09.21. 内閣官房副長官 357日
(第1次小泉内閣第1次改造内閣)
*2003(平成15)年9月 - 2004(平成16)年9月 自民党幹事長
*2003(平成15)年9月 - 2004(平成16)年9月 自民党幹事長
(注)参考に、党役職経歴と官房副長官職を記載しました。
ただし、官房副長官は大臣ではなく、閣僚ではありません。
2005(平成17).09.21. - 2005(平成17).10.30. 内閣官房長官 39日
(第3次小泉内閣)
2005(平成17).10.31. - 2006(平成18).09.26. 内閣官房長官 332日
(第3次小泉内閣改造内閣)
2006(平成18).01.14. - 2007(平成19).09.26. 第90代 内閣総理大臣 366日
2006(平成18).01.14. - 2007(平成19).09.26. 第90代 内閣総理大臣 366日
(第1次安倍晋三内閣)
2012(平成24).12.26. - 2014(平成26).12.24. 第96代 内閣総理大臣 729日
2012(平成24).12.26. - 2014(平成26).12.24. 第96代 内閣総理大臣 729日
(第2 安倍晋三内閣)
2014(平成26).12.24. - 2017(平成29).11.01. 第97代 内閣総理大臣1044日
2014(平成26).12.24. - 2017(平成29).11.01. 第97代 内閣総理大臣1044日
(第3次安倍晋三内閣)
2017(平成29).11.01. - 2020(令和02).09.16. 第98代 内閣総理大臣1051日
2017(平成29).11.01. - 2020(令和02).09.16. 第98代 内閣総理大臣1051日
(第4次安倍晋三内閣 )