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映画「東ベルリンから来た女」を見る

2013-04-11 | 日記

かつて東ベルリン側にあったブランデンブルク門。ベルリンの壁崩壊後、通れるようになった。2012年11月/於ベルリン

この日、近くには観光客相手のナチスの恰好した若者数名。カメラ向けるのは止めておきました。


東西ドイツ統一9年前、東ドイツの寒村に女医が左遷されてくる。彼女は西への移住を申請して当局ににらまれ、監視の着く身。

病院では、乏しい資材の中で精いっぱいに頑張る先輩男性医師がいる。彼女には(先に西へ脱出したのかな)恋人がいて、彼の手引きで西側へ脱出の準備をしている。

病院には強制労働所から患者さんが送られてくる。まだ子供の彼女は妊娠していた。彼女は国外で暮らす夢を語る。いよいよ脱出の日、逃げ出してきた若い患者さんを自分の代わりに西側へ逃がし、自分は東に留まって医師として生きることを決意する。

楽しい場面の全然ない、暗い映画だった。東ドイツは統一直前まで、秘密警察が暗躍し、自由に生きられない社会だったのかと、認識を新たにした。ベルリンの壁の崩壊まで、あと9年、ノンフィクションだけど、彼女と同僚の良心的な医師が無事解放の時まで生き延びられていますようにと、祈るような気持ちになった。

鷹野橋のサロンシネマで明日まで。ちょっと寂れた商店街の、小さな映画館。中はリニューアルして座席も楽、トイレもきれい、はじめてこの地へ来た時、みんなで受験のあと歩いた商店街。ホッと落ち着く。当時は今よりずっと賑やかだった。

面白おかしい映画ではないけれど、困難な時代、状況の中での人間の良心を描き、人間の強さ、素晴らしさをたたえた映画だと思った。私のようにせこい人間は、西側へ行って恋人と幸せに暮らす未来を、不幸な少女の将来へと変わってあげられるだろうか。たぶんできないと思う。

 

 

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