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「新・戦争論」 池上彰・佐藤優

2014-12-24 | 読書


handyで分かりやすい本、すぐ読めるけど中味はなかなかに濃い。

佐藤氏の話を池上氏が受け、さらに問い返しながら話が進んでいくと言う流れ。

序章から終章まで10の章立てで、日本を取り巻く現在の国際情勢を俯瞰し、これから日本と日本人がどう進むべきかを提言する本。面白かった。

「日本は世界とずれている」から始まり、民族と宗教について、欧州の歴史の闇、イスラム国で中東が大混乱、朝鮮問題、尖閣問題、弱いオバマと分裂するアメリカ、最後に二人の情報収集術など、話題は縦横無尽、多岐にわたる。

私の世界認識は、子供のころの厳しい東西対立と核開発競争、ベルリンの壁の崩壊とEUの成立などを経て、楽観的なものだったが、なかなかどうして強国の縛りが崩れつつある今、必ずしも先行きはいいことばかりではないのだと思った。

最近「拉致は安倍内閣の最重要課題」という話を聞きませんが、交渉不調に終わったので、発言はなかったことにするのかしら。どうもこの問題、うまく行ってないみたいですね。

よしんばうまく行ったとして、大勢の日本人が帰る見返りに大金が北朝鮮に渡り、それでアメリカまで届くミサイル開発して安全保障を強化する。そうならないよう日朝交渉が決裂することをアメリカは望んでいるとのこと。とってもシビアな話である。暗澹。

アラブ情勢は私は話についていくのがやっと。中国や北朝鮮よりももっと分かりにくいのがアラブの人たちの考え方。本多勝一も昔、エスキモー人を取材して人間は皆同じと言い、アラブへ行って人間はなんて違うのだろうと言っていた。

大国がアラブに介入して秩序を作り出そうとしても、泥沼はずっと続くのではとこちらも気持ちは晴れない。

本書の結論めいたものは、P249佐藤発言・・・要するに「嫌な時代」になってきたのですよ。個人として生き抜くには歴史を知り、国際情勢を知り、(知識を身に着けて)代理体験をして、耐性を身につけること

さらにP250では、実践的課題としては(日本の)軍事エリートと政治エリートのトップから馬鹿を排除すること。馬鹿が自滅するのはいいけれど、トップの場合部隊、または国家が全滅するからとまさに快刀乱麻。

先の総選挙で自身の不倫問題から(それが本当の理由ではないと思うけれど、人の上に立とうとするものが家の中がグチャグチャではいつそうまずい)落選した某軍事関係の人もさることながら、某号泣した人にも話題が及ぶ。いゃあ、面白かった。

でもあの人、何で県議に当選したの。あの県の人に聞いてみたいもんです。といろいろ考えて楽しい本でした。

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