某メーカーのサイトから無断拝借しました。これは糸の枷かせ(=糸を大きい輪にしてまとめたもの)を懸けて大管へ糸を巻き取るための道具。右下の小さなのはカウンターです。これで枠の外周と回転数を掛け合わすと大管に巻いた糸の長さが計算できます。
織物に糸の長さの計算必須。そのためには道具を上手に使わないといけないようです。
巻き取るのは電動式で、小型のモーターがついていて一回転で10センチと決まっている。教室では糸巻機のカウンターで長さの計算をします。こちらは別のタイプの写真しかなかったので、省略。
整経台です。2mくらいあるので立って作業して楽です。まず織りたい作品の長さ+織り機に懸けるときの余裕分を種糸として左下角の棒に懸け、棒を左右にひっかけながら元へ戻ります。
次に上の小さな金具に糸を巻いた大管を懸けます。大管はこちら。
複数本の糸の端を手前の金具(先が曲がっているのでワラビと言う)を通して左手にまとめと持ち、糸の間に右手の指を交互に入れ、取った糸の数の半数の綾を作ります。綾は下に四本並んだ棒の右の二本に掛けます。左二本は何回往復したかを見るために、交互に入れておきます。
織り幅分の糸を懸けたら、何カ所かをしっかり縛り、左上へと鎖編みの方法で手前へ抜きつつ外します。
それから粗筬、綾返しをして粽に巻き取り、織り機の向こう側にセット。糸を一本ずつ引き出して綜絖を通し、本筬を通し、手前の反対巻の粽に織り幅より多めに結び付けて織り始めます。
と、ここまで書くだけで疲れてしまった。
私はマイペース人間なので、一人でするのもいいかも。助けてもらっていてはいつまでたっても自立できません。
これらの道具たち、教室で何気なく使っていたけど、サイト見てびっくり。ものすごく高いです。全て万単位。
私たち、週に二回、お昼休みを挟んで五時間開いている教室へいつ行ってもよくて、織り機は一人一台貸与、つくづくよくしていただいたなあと思いました。
織り機は30万とか40万円の世界。木でできています。機大工という職種が昔はあったそうです。
そう言えば豊田佐吉も農業の傍ら大工をしていたそうですが、機大工だったのかしら?いえいえ、昔の人は器用で偉いので、どちらもしていたのかも。
機織り機、それは近代産業の礎だったのでした。大阪南部、幕末には既にマニュファクチュア段階に入っていたと考えられてるそうですが、織り子たちは当然、とても腕が立っていたのでしょう。手仕事では完全に敗けてますね。改めて昔の人を尊敬。