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「夢見る部屋」日本文学100年の名作

2018-10-04 | 読書

シリーズ第一集、1914年から1923年の10年間に発表された11の短編を納める。

以前呼んだのもいくつかあるけれど、この本の中で初めて出あったのもあり。

どれも個性的で、明治時代の小説よりもうんと題材の幅も広く、楽に書けているように思う。

小説黎明期の作品は、まず文体の問題があり、近代的な自我をどう打ち立てていくか、封建的家制度と個人の軋轢などなど、何をどう書くかということに、それぞれの作家がよく闘っているという印象。

第一次大戦と関東大震災に挟まれた10年間は、日本の歴史としては凪のような時間だったのではないかと思っている。都市が生まれ、土地と家から自由になった市民が層として生まれた時期。

都市は人を自由にする。小説も作家がいろいろな作風を試している。都会に住む人間、売るものは自分の労働力だけ、伝統から切れたところで展開する話がそれぞれに面白かった。

森鴎外「寒山拾得」、内田百閒「件」が枯淡の味わい。庶民や労働者の暮らしと成長物語は長谷川如是閑「象やの粂さん」、宮地嘉六「ある職工の手記」などなど面白く読んだ。

探偵小説や幻想小説もこの時代に生まれたそうで、江戸川乱歩のほかに佐藤春夫、芥川龍之介の作品も取り上げられている。

谷崎の「小さな王国」も面白かったし、荒畑寒村の「父親」では吉祥寺付近がものすごく田舎だそうで。私は東京をほとんど知らないので今と比べどうか分からないけれど、東京もこの百年の間にものすごく拡大したのだと思った。

荒畑寒村は長生きの人で、私が20歳の頃はまだ生きていた。雑誌で対談して、いい着物着ていたことを覚えている。

今は別の本読んでいるけど、このシリーズ、また読んでみたいものであります。


この人ですが、10年前、長野県、車山高原で。

最近ブログ見ると、何とお嫁ちゃんとフランスへ行ってるらしい。

夏来た時、勤続年数がどうのこうので・・・旅行するとかしないとか・・・ごにょごにょ相談していたのはそのことだったのね。

海外旅行の3条件。お金、健康、時間。どれが欠けても行けない。

若いときにはお金と時間が、年取ると健康が足りなくなる。

時間は仕事、子育て、介護など、今自分がいないと廻って行かないことの数々。

行けるときに行くのはいいことだと思う。

新婚旅行でツアーに参加して懲りたと言っていたので、どうも個人旅行のようです。

きょうはベルギーに行っているらしいけど、ベルギーってチョコレートとダイヤ加工、その他には知らない。ベネルクス三国がEUの基礎になったんですよね。

オランダやドイツも行くのかしら。続編が待たれるところです。

ちなみにたまたま見つけたブログ、誰にも言ってない。もちろん本人にも。

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