テレビカメラ用ズームレンズは
2、3年毎にメンテナンスが必要です
メンテナンス・エンジニアが
東京を朝一番の新幹線でテレビ局(大阪)に
やって来ます。局内の空いている部屋に
ズームレンズを持ち込んでまずレンズを分解します
ズームレンズの内部は可動レンズ群が
細いワイヤでつながっています
そのワイヤの交換と鏡胴カムの
グリースの詰め替えが主な作業です
レンズ表面をシンナーのような
強烈な臭いのクリーナー液をしたした
ガーゼで大きなレンズの表面を
同心円を描きながら拭き上げていく
巧みな手つきは、さすがプロのエンジニアです
ズームレンズを分解している途中、
蠅の死骸が出たことがありました
… … …
番組本番のカメラマンは急速(乱暴に?)に
レンズのズームイン・ズームアウトを繰り返します
そしてズームレンズの中の
可動レンズ群はピストンのように
前後に激しく動きます
そのときレンズの側にいると「シューッ」と
周りの空気を吸い込む音が聞こえます
… … …
たまたまそばを飛んでいた蠅が
吸い込まれたのでしょう