ある日の朝、いよいよ港への
出発の知らせが届きました。
我が家族は、両親がそれぞれリックサックを
そして、三人の子供は小さなリックサック。
大人のリック二つと、子供の小さなリック三つが
わが家の全財産でした。
… … …
葫蘆島の収容所を
引き揚げ日本人は波止場へ向けて
出発しました。港が遠かったのか
近かったのか覚えていません。
やがて、港に二隻の輸送船が見えます。
後で判ったのですが、クリーム色の
スマートな船はアメリカが戦時中に
急造したリバティ船でした。
もう一隻はどうやら日本製の古い
貨物船?のようです…
私たち家族らはその古く見える
日本製の貨客船?に乗せられました
梯子を昇って、甲板を歩いていて、
ブリッジの銘板をみて
ビックリ…!しました。