■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸っ子の上方コンプレックス 29
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■ 江戸っ子の上方コンプレックス 29
江戸の人たちには、上方コンプレックスがあったようです。
例えば、京都の人は、昔から「都」であったことに誇りを持ち、プラス思考を強く持っていました。
ほこりの裏返しがコンプレツクスで、江戸っ子は、否定的要因を肯定し、開き直おるのです。
例えば、江戸の住宅事情は、上方に比べてよくありませんでした。
それを、狭くて何も持たず、こざっぱりしているのが粋というのです。
その代表的な存在が、「薄着」です。江戸っ子は、冬でも木綿の布子一枚でいました。しかも尻からげで裸足という出で立ちで走り廻っていたのです。家に閉じこもって火鉢を抱え込むような行為は「恥」なのです。
寒いのが粋というのはおかしな話ですが、江戸にもそのようなことをする人を「やせ我慢」といって、笑う人もいました。
要は、「滅びの美学」といいますか、「Simple is beautiful」なのです。それは上方コンプレックスに繋がっていることを、わかっている江戸っ子も多かったといえます。
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