■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 見えないところでおしゃれ 27
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■ 見えないところでおしゃれ 27
上方の女性は、お化粧をキチンとするのが「女の身だしなみ」と考えられていました。一方、江戸では、「すっぴんの素肌」を自慢する女性が多かったのです。
上方では、髪をきれいに結い上げますが、江戸では、濡れ羽色といいますか、まだしめっている、漆黒の「湯上がりの洗い髪」が粋とみなされていました。女性が櫛を横にさしている姿が「あだっぽい」といいますか、絵になりますね。
おしゃれにも上方と江戸では違いがあります。
髪型の女性は、綺麗な物を身につけ、さらに飾り付けて、「絢爛」にしていくのがおしゃれです。
一方、江戸では「省略」が、おしゃれとか粋であるとか通である処に繋がります。
色を省略していくと、最後に残るのは「黒」なのです。
江戸では、下着から羽織まで全部黒づくしが粋なのです。ただし、素材に懲ります。「羽織が羽二重、下が縮緬、中が紬」というところで勝負をします。
これでは、外見にはおしゃれかどうかわかりません。女性がしなだれ、羽織に触るとそれが高級な羽二重であったりしてわかってきます。そうこうしているうちに、見えない部分のおしゃれがわかるのが「粋」なのです。
遠くから見て目立つのは、格好が悪いのです。触れるほど近寄ってわかる人だけにわかってもらえるのが「粋」というもの。死んでから「あれが本当の通なのだ」といわれるのが江戸っ子の粋とでもいうのでしょうか。
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